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【連載第48回】 あの、おもちゃを徹底レポート




歩く! 吠える! 首をよじる! ラジコンになった怪獣王
バンダイ「咆哮!DXゴジラ」

咆哮! DXゴジラ
発売 バンダイ
価格 10,000円
電源 単3電池×6
発売日 発売中


今年のゴジラは文句なしの傑作!

 絶賛!絶賛!大絶賛!

 ほぼ毎年のように製作されているゴジラ映画だが、2002年のお正月映画「ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃」ほど、前評判の高かった作品はない。雑誌の映画評を読んでも、ウェブサイトの書き込みを眺めても「すごい!」、「面白い!」、「史上最高傑作!」と、賛辞が並ぶ。そんな熱気に浮かされるように、筆者も公開初日に劇場に足を運んでみた。ここは映画評のコーナーではないので感想は簡潔に述べるが、「まさにこんなゴジラ映画を熱望していた!」という感激でいっぱいだ。

 そんなわけで久々に胸のうちの特撮愛に火が付き、今回のアイテムをチョイスした、という次第だ。「咆哮! DXゴジラ」は、当の映画に登場するゴジラのラジコン。ゴジラのラジコンといえば、ロングセラーを続けている「初代ゴジラ」(東京マルイ)があまりに有名だ。しかしこの「初代ゴジラ」、全長80センチというビッグスケールと詰め込まれた高機能により、価格は4万9,800円という、なかなかに高嶺の花なのだ。

 かたや今回の「咆哮! DXゴジラ」の定価は、1万円。ラジコンであることを考えると、手ごろな価格といえる。はたして、このゴジラがどんなアクションを見せてくれるのか、くわしくレポートしていこう。

全高28センチ、尻尾を含めた全長は56センチになるというビッグスケール 白目を剥き、常に憎しみを浮かべている今回のゴジラの表情を忠実に再現


ルックスも歩く姿も不気味。悪の魅力か……

 「意外とデカイなあ!」。これが「咆哮! DXゴジラ」を手にした筆者の最初の感想だ。尻尾を含めた全長を測ってみると、約55センチになった。こうした怪獣のトイは、デカければいっそデカすぎるほど迫力が増すので、このボリューム感はうれしく思う。
ゴジラのデザインはもちろん「ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃」のもの。白目をひん剥いている凶暴な表情のヤツだ。体表のモールドもなかなか細かく、少し太り気味なスーツをよく再現している。
 組み立ては尻尾のパーツをはめる、という簡単なもの。電池をセットしたら準備は完了だ。

成型上の都合によるものなのだろか、背びれのアンバランスさは気にかかるところ コントローラから発せられる受光部は、尻尾の下部に設置されている


様々な咆哮を操作する4個のボタン

 コントローラは、ビル型という趣向。上部に4個のボタンがあり、それぞれ異なるゴジラの咆哮を動作させることができる。表面のふたつのボタンは移動ボタン。右ボタンは右へ移動、左ボタンは左へ移動の役割を持ち、両方のボタンを同時に押すと、前進をするという仕組みだ。

コントローラはゴジラが大好きな(?)ビル型。変形タイプだが持ちにくいことはない 4種類の咆哮方向ボタン。今回のアイテムがいかに咆哮を重視しているかがよくわかる


芸の細かい咆哮アクション。これは確かにゴジラだ!

 それでは咆哮から試してみよう。「ボタンⅠ」を押すと「アクションⅠ」が起動する。ボタンを押している間、上半身を大きく8の字に回しながら、口を開け、咆哮するというアクションだ。劇中でゴジラが敵怪獣や防衛軍を威嚇するときにくり出す動作が、完璧に再現されている。当然のように、ゴジラの鳴き声はそのまんまのボイスで鳴り響く。
 また咆哮と共に口が開閉。鳴き声の絶頂と共に、口が最大限に開き、舌が見え隠れするというところなど、まさにゴジラだ。いいぞっ!
 「ボタンⅡ」は、「Ⅰ」の動作から咆哮を抜き、首を8の字に回すアクションを楽しめる。「ボタンⅢ」は、口を大きく開け、上をにらみながら咆哮。「Ⅰ」とは異なる鳴き声が鳴り響くあたり、芸が細かい。「ボタンⅣ」は、いわば咆哮のハイライト。「Ⅰ」と「Ⅲ」の咆哮が交互にくり出され、怒り狂うゴジラといった雰囲気が楽しめる。

 これら4種類のアクションもファン泣かせだが、さらに見逃せないのが、体表だ。ラバー製でたるみがあるように作られているので、咆哮の大きなアクションに合わせ、自在に伸縮をする。これがいかにも劇中で使われている着ぐるみの雰囲気をかもし出して、いい感じなのだ。
 またこれらの動作はボタンを押しているときのみ実行される。つまりボタンを離すと、咆哮アクションの途中でピタリと止まるのだ。この特徴を活かして、自分好みのポーズをつけてから飾るという楽しみ方もできる。

8の字咆哮。上半身をねじるようにして動かし、大きく吼える 上をにらみながら咆哮。8の字咆哮とは異なるバージョンの鳴き声になる


歩行に合わせて地響きのSEが鳴る

 次は歩行をさせてみる。左右のボタンを押し、まずは前進。足がゆっくりと上がり、地面を踏みつけるタイミングで、地響きのSEが鳴り響くという仕掛けがあり、飽きさせない。右や左への方向転換も、命令を受信すると、ゆっくりと尻尾から体を回すしぐさが、いかにもゴジラな感じ。元々、造形的に優れているアイテムなので、ただ歩かせているだけで、絵になる。

 惜しむらくは、地響きのSEがやや軽めなこと。もう少し重低音を効かせてほしかった。また歩かせながら、咆哮をさせることができないという点も残念だ。これさえ可能なら、文句なしだったのに。

それぞれの足を前に出し、裏にあるローラーを回転させ、その力で前進する 事務所のベランダから実景をバックに記念写真をパチリ


 特撮愛が再燃中のため、ややマニアックなレビューになった気もするが、これが1万円と改めて考えると、「よくもここまで」という出来の良さだ。ゴジラ特有の造形と動作をできうる限り再現しようとする、作り手の人たちの意欲も伝わってくる。筆者はひまさえあればゴジラを咆哮させ、歩かせ、その勇姿を堪能している。飾るもよし、動かせばなお楽しいという怪獣ファンなら見逃せないアイテムといえるだろう。

(C)2001 TOHO PICTURES,INC.TM&(C)2001 TOHO CO.,LTD.

□バンダイのホームページ
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(2001年12月27日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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