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【連載第45回】 あの、おもちゃを徹底レポート




成長すると遊びが増えるネズミロボ!
コナミ「ロボチュウ」

「ロボチュウ (左)トッチ(右チッチ)」
発売 コナミ
価格 3,800円
電源 単4電池×3本
発売日 発売中


コナミが満を持して世に贈るロボット・トイ

 今最もe-Toyに力を注いでいるゲームメーカーはとはいえば、その筆頭としてコナミが挙げられることは間違いない。実際、当連載でもコナミのトイを取り上げる割合が増えてきている。ビデオゲームを中心に、カードゲームの発売やスポーツイベントへの協賛など、様々な分野のエンタテインメントに進出を図っている同社が、新たに開拓しうる領域が広がっているe-Toyを手がけるのは必然、といえるだろう。
 今回の「ロボチュウ」は、そんなコナミが満を持して発売するロボット・トイ。今年の3月に開催された「2001年東京おもちゃショー」にて公開され、手のひらに収まるほどのコンパクトさながら、多彩なモーションを披露し、来場者を大いに魅了していたアイテムだ。

目には障害物を感知するセンサーが、鼻先には音を感知するセンサーを内蔵 パッケージはオスとメスの2種類がある。これはオスの「トッチ」


コイツはまさに「ネズミ」だ。しかもカワイイぞ

 「ロボチュウ」は、育成型のペットロボット。ネズミを模したデザインで、オスの「トッチ」とメスの「チッチ」と2種類が発売されている。パッケージの中には「ロボチュウ」本体と、エサを与える育成用ツール、そしてお遊び用のボールと紙製のレーストラックが同梱されており、なかなかの豪華さだ。

 本体に単4電池を3本セットし、底面にあるスイッチを押すと動作開始だ。「チュウウ、チュウチュウ」とひと鳴きした後、自動的に走り始める。「ロボチュウ」がネズミロボットたるゆえんは、このごく普通の走行に現れている。障害物にぶつかりそうになると、内蔵されたセンサーが感知し、体の向きを変え障害物を避けて走るのだ。手のひらを鼻先にかざしても同じだ。人間につかまるものかと、体を反転させ一目散に逃げはじめる。その動きは機敏で、まさに「ネズミ」そのもの。
 しばらくすると立ち止まり、「チュウ」と鳴きながら体を左右に振ってツイストをする。このときが、指示を与えるチャンスだ。手を1回叩くと、体を左に旋回。2回叩くと、右に旋回をする。「パンパンパンパン」と4回叩くと、メロディを奏でながらツイストをして、ダンスを披露するのだ。

 最初の感激は、手を3回叩いたあとに訪れた。障害物や手のひらを避けて逃げ回っていたのが一転。「ロボチュウ」の鼻先に手のひらを差し出すと、「キュウ」とひと鳴きして近寄ってくる。そのまま手を後ろにゆっくりとずらしていくと、逃してなるものかといわんばかりに、ピッタリとあとをついてくる。手を左へ動かそうが、右へ動かそうが同じ。先ほどまでのよそよそしい態度はどこへやら、すっかりとなつき親愛の情を示してくれるのだ。おおっ、コイツ、メチャメチャかわいいじゃん!
 この状態のとき、付属のボールを差し出しても面白い。転がるボールをどこまでもどこまでも追いかけていくのだ。その姿はドリブルをしているようで何とも楽しい。眺めているとフニャーと心がなごんでいく。
 遊んでいると「ロボチュウ」はお腹をすかすので、ときどきエサを与える必要がある。エサを与えるには付属の育成ツールを、「ロボチュウ」の口に当てればオーケー。長い間エサを与えずにいると、病気になってしまうので注意が必要だ。

パッケージにはこれらのものが同梱されている。育成セットといった趣だ 育成ツール。ボタンを押すと、チカチカと光が点滅し、効果音が鳴る


【「ロボチュウ」ムービー (WMV)】
ムービー1 ロボチュウの基本動作
ムービー2 なつくロボチュウ

成長するにつれ「遊び」が増える

 「ロボチュウ」はたくさん遊ぶにつれ、年齢が上がり「遊べること」が増えていく。

2歳 シング&ランモード メロディを使ったクイズが楽しめる
4歳 レーシングモード コースの上を走らせられる
6歳 デートモード オスとメスを用意してカップルにさせる
6歳 ジャンケンモード 2台の「ロボチュウ」でジャンケンができる
6歳 相撲モード 2台の「ロボチュウ」に相撲をさせられる

 あらゆるモードを制覇するぞ! と勇んで育成をはじめたのだけれど……あれ、あれれ、、ええっ、もう何日も遊んでいるのに……成長しません。マニュアルには「たくさん遊ぶと成長する」とあるので、けっこう頻繁に遊んでいるつもりなのだけど、なかなか歳をとってくれない。自分の育成方法に何か間違いがあるのでは? と不安にかられ「お客様相談室 コナミホットライン」に問い合わせてみると、育成の方法は「障害物をよけさせる」「ボールをドリブルさせる」などをたくさんくり返す。時間の経過などの要素は一切関係ない、とのこと。筆者の方法はある意味、間違いはなかったのだ。
 そうか、これは「ペット」として長く、じっくりと遊ぶことを目的にしたロボットなのだな……と考えをあらため、時間をかけて育て上げることにする。

全体的に「球」を彷彿とさせるイメージ。尻尾がかわいい 「ロボチュウ」にエサを与える。お腹がいっぱいになるとソッポを向いてしまう


2歳と4歳になりました。遊びました!

 今まで以上に熱心に遊んでいると、軽快なファンファーレがなり、2歳に突入! 「シング&ランモード」が遊べるようになった。ロボチュウが奏でるドレミファソラシドのメロディの長さを覚え、それと同等の間をおいたあとに、手をパンと叩ければ正解! という遊びだ。タイミングの判定は予想以上にシビアで、最初のうちは手を叩こうという前に、失敗のメロディが流れ始末。微妙なタイミングに悩んでいるというのに、ときにはドレファソラシドのメロディを激しいテンポで奏でフェイントをついてくる。
 メロディと同等の間を取るのは当然のこと、手を叩くタイミングもシビア。タイミングがピッタリあうと成功のしるしに、「ロボチュウ」が遠くまで一気に走ってくれる。テーブルを超えるほどの勢いで走ってくれたときは、それはうれしかった!

 そして迎えた4歳、「レーシングモード」が遊べるようになった。これは黒い線で描かれたコースの上を「ロボチュウ」が走るというモードだ。同梱のトラックシートの上に、「ロボチュウ」を置き、さあ走行開始。メロディを奏でながら、「ロボチュウ」が走り出す。筆者はここでまたまた感激。なにしろ「ロボチュウ」が直線上を軽快に走り、曲線部分にさしかかるとカーブを忠実になぞって走るのだ……と書くと、「そんなの当たり前じゃん!」といわれることだろう。しかし、この一見、何気ない動作がたまらないのだ。これまでは「逃げる」、「近づく」と本能のおもむくままに動いていた「ロボチュウ」に、あたかも直線と曲線を見わけられる「知性」が芽生えたように感じられるのだ。
 「レーシングモード」を実現しているのは、本体の底面にあるセンサーだ。これが黒い線を感知し、「ロボチュウ」のモーションを制御しているのだ。黒くて太い線なら基本的にはなんでもオーケーということで、お手製のあみだくじの上を走らせる、なんていう芸当も可能だ。

底面のここにあるセンサーによって黒い線を感知する 付属のトラックシート上を走る「ロボチュウ」。シートの裏面は土俵になっている


 さて、4歳を何とか迎えた段階で、締め切りを迎えてしまった。今回は「ロボチュウ」育成の途中報告ということで一旦幕を閉じたい。6歳になると、ジャンケンモードや相撲モードなどさらなる遊びが可能になって、オスとメスをそろえると何とデートをするという。さらにはインターネットからエサや薬、音楽をダウンロードする遊びかたなどもあるのだ。ロボチュウ同士がどんなデートをするのか。ネットからどのような手段でエサをダウンロードするのか、来週はその謎を一気に解明したい。

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□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「ロボチュウ」のホームページ
http://www.konami.co.jp/cp/robochu/index.html


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(2001年11月29日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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