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【連載第40回】 あの、おもちゃを徹底レポート




ラジコンになった21世紀のチョロQ
タカラ「デジQ スターターセット」

タカラ「デジQ スターターセット」
発売 タカラ
価格 4,980円
電源 単4電池×4
発売日 発売中


 チョロQがラジコンになる! 衝撃のニュースから、早5カ月。ラジコン版チョロQ「デジQ」の発売日が来るのを心待ちにしていた人は多いんじゃないだろうか。他聞に漏れず、筆者もその一人。チョロQは今年で生誕20周年を迎える大ロングランのトイ。21世紀の最初の年に、大きく進化した「デジQ」を放つ、という展開にシビレた。同じような思いを抱いている人は想像以上に多いようで、10月25日の発売日の直前には様々なテレビや雑誌で、この「デジQ」のトピックスが取り上げられている。先駆けて発売されたトミーの超小型ラジコン「ビットチャージー」との違いも十分に検証しながら、この秋の最大の話題作をレポートしていこう。

「スターターセット」ならすぐに遊べる!

 第1弾として発売されたのは、大きく分けて「デジQスターターセット」と「デジQ(マシン単体)」「デジプロポ(単体)」の3種類。「デジQスターターセット」には、4種類のパッケージが用意され、車種をスカイラインGT-R(R-34)、ランサーエボリューション、スカイラインGT-R(KPGC10)、ニュービートルの4種類から選ぶことができる。マシンとプロポの単体パッケージもある。「デジQ(マシン単体)」の車種は「スターターキット」と同じだが、カラーリングが独自のものになっている。今回は発売前に入手できた「デジQスターターキット DOSー01 スカイラインGT-R(R-34)」を遊んでみた。

デジQ・スカイラインGT-R(R-34)のフロント。ディテールの細かさなどはさすがのひと言 スカイラインGT-R(R-34)のサイド。後輪の大きさにチョロQの伝統が感じられる


専用プロポ「デジプロポ」は本格派仕様

 パッケージを開け、まず目に飛び込んできたのは専用プロポ「デジプロポ」のカッコ良さだ。いわゆるホイールタイプと呼ばれるプロポで、全体のデザインは拳銃のそれを取り入れている。アクセル操作にはトリガーを使い、ハンドル操作はホイールを左右に回転させて行なう。グリップを左手で握ってみたところ、手のひらへのフィット感はとても良好。ひとさし指をトリガーにかけ、右手でホイールを操るというスタイルが一般的なようだ。
 印象的なのが、スイッチ類の多さだ。電源のオン/オフを行なうパワースイッチをはじめ、初心者向けと中〜上級者向けの切り替えを行なう「モードスイッチ」。デジQを操作する赤外線のバンドを変更する「セレクトスイッチ」に、さらには直線走行時のハンドルのズレを微調整する「ステアリングトリム」が用意されている。こういったところに本格的なラジコンカーであることがヒシヒシと伝わってくる。

「デジプロポ」。ガンメタリックのボディがカッコいい スイッチ類の種類は、本格的なラジコンのそれと同等だ


超小型モーター2個と8bitCPUを搭載

 デジQ本体は、チョロQとほぼ同等のサイズ。外見上に違いがあるとすれば、リアウインドウ部分に、赤外線受光部がちょこんと設置されているところくらいか。 このコンパクトなボディの中には、超小型モーターが2個搭載され、それぞれ左と右の後輪を回転させる役割を担っている。この2個のモーターを制御するのが、8bitCPUだ。プロポから発信された命令を処理し、左右の後輪の回転数を調整。例えば右に回るという命令を受けたら、右の後輪の回転比率を小さく、左の後輪の回転を大きくし、スムースで繊細なカーブを実現する。デジQへの電源供給は、プロポから行なう。プロポの側面にある急速充電デッキにデジQを接続。10分間の充電で、約15分間の走行が可能となる。

赤外線受光部。アンテナを立てないところに、チョロQスタイルへのこだわりを感じる 充電するときは、プロポのガイドでマシンをガッチリとホールド。ゆらしても落ちない

スピードの緩急をコントロールして遊べ!

 充電の完了を待つ間ももどかしく、いよいよデジQをこの手で走らせられるときがきた。デジQを床の上に置き、プロポのトリガーを引く。モードはあらかじめ初心者向けの「EASY」に設定してある。「ギュウウウウウ」と、かすかなモーター音を鳴り響かせ、デジQが走り始めた。超小型ラジコンの走行は前述の「ビットチャージー」で体験済みだけど、やはり感激させられる。子供のころ、夢中になって遊んだチョロQがよくもここまで進化したものだと甘い追憶に浸ったりして。

 ところがしばらく走らせていると、「ン?」「アレ?」「アレレ?」「???」と、頭の中に無数の疑問符が浮かんできた。思い通りに操作することができないのだ。理由のひとつは、ホイールタイプのプロポが使い慣れていないということ。トリガーを引いて「前進」、トリガーを右に離して「後退」という操作をなかなか会得することができなかった。ふたつめの理由は、デジQのスピードの速さ。その走りは見かけ以上に速く、操作のタイミングをうまくつかむことができないのだ。

 試しにモードを中〜上級者向けの「NORMAL」に変更。デジQを直進させてみた。目算にして、約1.5倍の速度。速い、速すぎる。こんなの、うまく操作できる人なんているの? マニュアルを熟読したところ、トリガーの引き具合を調整すると、スピードの緩急が自在にコントロールできることがわかった。トリガーを軽く引くと、デジQはスローな走りをみせる。グッと引き寄せると、一気に加速する。なるほど、プロポにホイールタイプを採用したのは、こうした繊細な操作を実現するためか、と納得。
 マニュアルが薦める通り、2本の乾電池を立て、8の字走行に挑んでみることにする。はじめのうちはトリガーの力の入れ加減がうまくいかず、デジQが前へ後ろへと爆走して困ったが、そのうち何とか8の字走行ができるようになってきた。ただし、スピードは超スローモー。乾電池の周囲を大きく回るヘボヘボ走行だけど、意のままに操れるのはやっぱり快感。
 続いて積み上げた箱に雑誌を立てかけ、即席の坂道を作成。どの程度の坂道を駆け上がれるか試してみた。45度の坂道。さすがにこれはうまく登れず、タイヤはカラ回転するばかり。ところが30度程度の坂道なら、力強く一気に駆け登った。なかなかのパワフルさだ。
 スピン走行もお手のものだ。ハンドルを左右に切ると大きく回るだけだが、スピードを上げ、急ハンドルを切ると、その場で勢いよくスピンをはじめるのだ。

 筆者が考案したのは、「脱出遊び」。デジQをわざと机の下などの目の届かぬところに潜りこませ、カンだけを頼りに、暗闇から脱出させるという遊びだ。ときにはデジQがなかなか出てこないこともあり、このまま取り出せなかったらどうしようとヒヤヒヤ。このスリルが意外とクセになる。ちなみに赤外線の到達範囲は6〜7mあり、机の下だろうが冷蔵庫の下だろうが、実は余裕で届く範囲。ただし、奥地に入り込んだときに電池切れを起こすと大変な事態を招いてしまうが……。赤外線でコントロールしているため、遮蔽物があるとコントロールできなくなる場合があるが、思ったよりコントロールが利く印象だ。

単3電池をでスラローム走行。机上にラインを引けば車庫入れ遊びもすぐにできる マシンの裏面には電源スイッチが。放電を防ぐため未使用時にはオフにする必要がある

大人をもターゲットにした商品設計

 気になる「ビットチャージー」との比較。超小型ラジコンという同一ジャンルのライバルとして切磋琢磨を重ねていくのではと予想をしていたのだが、実際のところ遊び心地は大きく違う。
 ラジコンカーを走らせるのってとにかく楽しい! というシンプルな面白さを味わえる「ビットチャージ」に対し、デジQはやや複雑。練習に練習を重ね、次第に高性能のラジコンを操れるようになる達成感こそが楽しいと思えた。レースゲームに例えるなら、「ビットチャージー」は「マリオカート」、「デジQ」は「グランツーリスモ」に近い。つまり、それほどまでに性格を異にする商品といえるのだ。「デジQ」は、「スターターセット」の価格が4,980円という設定であること、そして発売前にクラブイベントを実施したことなどから、大人をもターゲットにした商品であることが十分に伺える。

 だからこそ、どっちの方が優れているか、なんて優劣をつけるのはヤボなのではないか。気分にみあった商品をチョイスして、心ゆくまで楽しんでいただきたい。

(C)2001 KONAMI (C)2001 TAKARA

□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「デジQ」シリーズのページ
http://www.takaratoys.co.jp/digiq/index.html


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(2001年10月25日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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