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正念場を迎えた「Forza Motorsport」シリーズ、Project Scarlettで4K/120Hzを実現し捲土重来へ
2019年6月10日 13:55
- 6月9日発表
Xbox Game Studiosは6月9日に米国ロサンゼルスで開催された「Xbox E3 2019 Briefing」において、「Forza」シリーズの新作の発表を見送った。同スタジオがE3で新作を発表しなかったのは「Forza Horizon」と交互に発表するようになって初めて。その代わり、ブリーフィングでは2018年9月にリリースされた「Forza Horizon 4」のエキスパンション「Forza Horizon 4 LEGO Speed Champions」を披露し、6月13日にリリースすることを明らかにした。価格は19.99ドル。
「Forza」シリーズのファンにとっては今年のE3は残念な年となった。Xbox Game Studiosでは、毎年E3で「Forza」シリーズの最新作をプレイアブル出展するのが通例となっており、今年は「Forza Motorsport」の新作「8」が発表されるタイミングだった。それなのに影も形もなかったからだ。
そもそも「Forza Motorsport」シリーズは、いずれかの自動車メーカーとタイアップして、E3に先駆けて、あるいはE3に合わせてカバーカーと共に発表だけ先にするのが通例なのにそれも行なわれなかった。そのためコミュニティには「今年は本当にないのではないか」と不安視する声も挙がっていたが、本当にないことが確定すると、ガッカリ感もひとしおである。
「Forza」ファンならご存じの通り、「Forza Motorsport 7」は、レースゲームファンの幅広い支持を集めることができず、シリーズとして大きく飛躍した「Forza Motorsport 2」以降でシリーズ最低の売上に低迷した。低迷したきっかけは「プライズパック」だ。日本でいうところのガチャ、海外で言うところのルートボックスである。様々な手段で入手可能なCRを使ってプライズパックを引くことで、通常のレースで手に入るよりも強力なクルマが手に入る可能性があり、それによってゲームの難易度も大きく変化する可能性があったため、実装直後から批判の対象になっていた。
「Forza Horizon 4」レビューでもお伝えしたように、「プライズパック」はその後「Forza 7」より完全に取り除かれ、弟分である「Forza Horizon 4」は実装そのものが見送られた。「Forza 8」の発表が見送られた理由として、「Forza 7」はプライズパックの修正と、失った信頼を取り戻すためのアップデートで、開発そのものが遅れてしまった可能性が高い。
ただ、モータースポーツゲーム、レーシングシミュレーター、e（モーター）スポーツタイトルとしての「Forza 7」にも批判が多かったのも事実で、さらにいえば発売当時、多くのオンライン機能も未搭載だった。こうした批判を受け、「Forza Motorsport 7」のアップデートを継続してフィードバックを継続的に集めながら顧客満足度を高めつつ、オーバーホールに近い作り直しを行なっているようだ。
今回のブリーフィングで目玉の1つとして発表された次世代Xbox「Project Scarlett」では、ローンチタイトルとして「Halo Infinite」が用意されることが発表されたが、これもまた“「Forza Motorsport 8」は発表を見送られた”とみるべきだろう。「Project Scarlett」では、4K/120fpsが標準となる。レースゲームにおいて4K/120fpsはハイエンドゲーミングPCでも厳しく、“常時”となると前人未踏の領域といっていい。
「Forza Motorsport」シリーズは、Microsoft Game Studios（現Xbox Game Studios）のテクノロジーショウケースとして、いち早く1080p/60fps、4K/60fpsを実現してきた。その意味では同シリーズは「Project Scarlett」において“4K/120fps固定”が義務づけられたタイトルといっていい。筆者は、今年はそのための雌伏の年にしたと見ている。今年はXbox OneやPCで「Forza Motorsport 7」や「Forza Horizon 4」のエキスパンション「Forza Horizon 4 LEGO Speed Champions」をプレイしつつ、2020年のE3であらゆる意味で革新的なレースゲームが登場することを期待したい。
（6月23日追記：記事内の一部の表現に誤りがありましたので修正しました）