【連載第75回】韓国最新オンラインゲームレポート

韓国CJ Internet、「魔界村オンライン」ゲーム説明会を開催
あの「魔界村」が横スクロールオンラインアクションとして復活!!


11月9日開催

会場:CJ E&Mセンターメディアホール


 韓国CJ Internetは11月9日、ソウル市内に位置するCJ E&Mセンターメディアホールにおいてゲームメディアを対象に「魔界村オンライン」ゲーム説明会を開催した。

 「魔界村オンライン」は1985年にカプコンから発売されたアーケードゲーム「魔界村」のIPを使用したオンラインゲームで、開発はCJ Internetの子会社であるSEED9 GAMESが担当している。グラフィックスは完全に3D化され、MO型の横スクロールオンラインアクションゲームになっている。サービススケジュールは2011年下半期に韓国でβテストを行なう予定で、日本のサービススケジュールは未定。

 今回の説明会では「魔界村オンライン」のゲームに関する簡単な内容と、11月18日から21日まで韓国釜山で開催される「G-Star 2010」に出展するバージョンについての説明が行なわれた。なお、本説明会では「魔界村オンライン」のプロモーションムービーが初公開された。まず、プロモーションムービーからプレイ画面やゲームのテイストを見ていただきたい。

【「魔界村オンライン」プロモーションムービー(韓国語)】



■ アーサー1人だけじゃない。みんなでプリンセスを救出せよ!

「魔界村オンライン」のロゴ
SEED9 GAMESの代表取締役社長キム・ゴン氏は幼い頃から「魔界村」のファンだったいう。オンラインゲームとして作りたいという気持ちで、カプコンに同作の開発を提案したそうだ

 原作となる「魔界村」は1985年にカプコンから発売された横スクロールアクションゲームだ。囚われの身となったプリンセスを助けるために主人公アーサーが単身魔界で戦っていくというヒロイックな作品で、高い難易度のゲームとしても有名な作品である。日本と同じく、当時の韓国でもその魅力にとりつかれてゲームセンターではブームとなり、その後、様々なプラットフォームでシリーズ作が発売された。韓国内でも認知度の高い作品である。

 「魔界村オンライン」の契約そのものは2006年までさかのぼる。2006年にカプコンとSEED9 GAMES(旧SEED9 ENTERTAINMENT)の間で契約が交わされ、その後、CJ Internetの子会社として開発が継続された。「魔界村オンライン」の開発発表自体は2008年3月だが、実機によるゲームが公開されたのは今回の説明会が初めてだ。

 「魔界村オンライン」は「魔界村」のキャラクターと世界観を完全に3D化した上で、オンラインゲームにしたことが最大の特徴となっている。原作の物語の後、主人公アーサーが行方不明になり、プリンセスが再びサタンにさらわれてしまったため、プレーヤーたちはアーサーの代わりにプリンセスを救い出すというシンプルな内容になっている。「魔界村」ではアーサーのクラスは固定だったが、「魔界村オンライン」では3つのクラスが用意され、最大4人のパーティプレイも可能になっている。

 ゲームの遊び方は、マッチングロビーにログインして、セッションを作るか、参加してプレイするというMO型になっている。ステージは森、幽霊船、墓場などが用意されて、原作のようなコミックなホラーにデザインしたという。また、原作は高い難易度が魅力の1つだったが、「魔界村オンライン」では誰もが楽しめる基本の難易度からコアユーザー向けの“ハードコアアーケードモード”を用意した。

 クラスに関してはオンラインゲームならではのアレンジがされている。全部3つのクラスが用意されているが、その内公開されたのはソーダー(Sworder)とアーチャー(Archer)だ。原作でのアーサーは騎士でも槍や短剣を投げるという遠距離攻撃のキャラクターになっていた。しかし、オンラインゲームではパーティープレイでの役割があるため、原作の設定とは異なるが騎士にあたるソーダーは接近攻撃に特化したクラスで、アーチャーは遠距離攻撃専用のクラスにしたという。ただ、アーサーの槍投げといったスキルを盛り込むことで、少なからず原作の要素は残したという。




■ さっそくプレイしてみた! グラフィックスはかなりリッチだが、「魔界村」テイストは健在

キャラクター選択画面。左の女性がアーチャー、右がソーダー
グラフィックスはかなりリッチ。横スクロールアクションは韓国でも激戦区だが、台風の目となりそうな作品だ

 発表会の会場では10台ほどの試遊台が設けられ、短い間だったが「魔界村オンライン」を先にプレイすることができた。そのときの模様をお伝えする。

 筆者がプレイしたのはアーチャーだ。女性キャラクターになっており、強い意志を感じさせる瞳のデザインが印象的だった。ソーダーもそういう目をしている。モンスターやマップは、「魔界村」らしく、ホラーテイストで統一されているが、原作に比べると全体的に若干コミカルな感じだろうか。

 キャラクターの基本操作は移動と攻撃、ジャンプの3つで、8つのショートカットでスキルを使用するようになっていた。敵とのバトルは、原作とは若干異なり、ただ単に連打攻撃するだけでは敵の反撃を受けてしまう。

 スキルの使用にも発動までの詠唱時間が長めに設定されており、ダメージを食らうとキャンセルされる。そのため、モンスターとの距離の取り方やパターンの読みといったタイミングが重要となる。キャラクターが瀕死状態になると原作のように鎧が外され、下着姿となってしまう。キャラクターが死亡すると骨になって死んでしまうのも原作と同じだ。

 短時間での試遊だったが、ゲームの完成度はかなり高いと感じられた。11月18日から釜山において開催される「G-Star 2010」では、デベロッパーであるSEED9 GAMESが単独出展し「魔界村オンライン」を一般ユーザー向けに公開する予定だ。

 「G-Star 2010」の試遊バージョンでは12個のスキルが用意されたソーダーとアーチャーの2つのクラスに、森、幽霊船、墓場の3つのステージを盛り込んでいるという。本誌でも詳しくお伝えするつもりだ。ぜひ、期待していただきたい。


【スクリーンショット】
「魔界村」のテイストを活かしながら独自のコミカルなタッチに仕上げている。「G-Star」でも高い注目を集めそうだ


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(2010年 11月 10日)

[Reported by DongSoo“Luie”Han]