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ASUS JAPAN、ゲーミング無線LANルータと曲面液晶ディスプレイを発表

ゲームに最適なルーティング可能なルータとNVIDIA G-SYNCに対応するディスプレイ

ROG Swift PG348Q(左)とRT-AC88U(右)
3月11日 発売予定

価格:オープン

 ASUS JAPANは3月7日に都内の会場で発表会を開催し、ネットワークゲームのタイムラグ軽減機能を持つ無線LANルータ「RT-AC88U」と、NVIDIAのG-SYNCに対応する34型ウルトラワイド曲面液晶ディスプレイ「ROG Swift PG348Q」(以下、PG348Q」を発表した。発売は3月11日。価格はオープンで、市場想定価格は「RT-AC88U」が35,500円前後、「ROG Swift PG348Q」が200,000円前後となっている。

画面解像度は3,440×1,440ピクセル、G-SYNCに対応するゲーミングディスプレイ

 「PG348Q」は同社が発売している、ゲーマーのためのブランド「ROG」シリーズの名前を冠していることからもわかるように、最上位の製品シリーズとなっている。

 画面解像度は3,440×1,440ピクセルで、4K UHDやフルHDよりも横方向に長く、アスペクト比21:9。湾曲ディスプレイとなっているので、横幅の長さはそれほど気にならない。応答速度は5msで、Display Port 1.2×1、HDMI 1.4×1の端子を装備する。Display Portを利用するのであれば、NVIDIA G-SYNCに対応するので、カクつきやちらつきを抑えてゲームをプレイすることができる。またゲームに最適な100Hzのリフレッシュレートを利用できるので、60Hzのリフレッシュレートを利用する一般的なディスプレイよりもなめらかな画面表示が可能だ。

「ROG Swift PG348Q」を正面から見たところ
背面部。画面中央と左上に通気口が見える
支柱を通じてケーブル類をすっきりとまとめることができる。また赤い照明も雰囲気があってよい

 本製品のユニークなところは「GamePlus」という機能を持つこと。この中の「Aimpointモード」では、画面上にハードウェアで照準を描画できるので、FPSなどをプレイするときには、より正確な照準合わせが可能になる。「タイマーモード」を利用すると、画面上にカウントダウンタイマーを表示できるので、RTSなどで経過時間を知りたい場合などに便利だろう。「FPSカウンターモード」では、画面のリフレッシュレートを表示できる。

 これに加えて、ゲームジャンルに合わせて色調などを変更可能。ゲーム用では「FPS」、「RTS/RPG」、「Racing」の3種類と、映画用の「Cinema」、写真や動画用の「Scenery」、正確な色表示を行いたい場合の「sRGB」の6つが用意されている。

 なお液晶パネルにはIPSを採用。sRGBカバー率も100%となっており、元データに忠実な色表示が可能なので、ゲーム用途だけでなく、写真編集などにも最適だ。視野角は水平垂直方向に178度なので、正面以外の方向から見ても見え方に変化がなく、どこから見ても美しい画像が見られるだろう。なお、10ビットカラーの役10億7,374万色表示にも対応している。

 このほか、目の疲れや肩こりの原因となるブルーライトを低減する機能だけでなく、DC方式によるフリッカーフリー技術も搭載されている。

一般的なフルHDよりも35%大きい解像度を利用できる
GamePlusのキーは背面左に用意。このほかOSDメニューの操作ができるジョイスティックや、瞬時にリフレッシュレートを切り替えるホットキーがある
発表会で紹介されたGamePlusのモード画面。左からAimpointモード、タイマーモード、FPSカウンターモード
6パターンの色調変更が可能で、用途ごとに切り替えられる
発表会場でデモされていた大和。月が海に反射している様子がとてもきれい

 発表会には「World of Warships」のアジアプロデューサーである柳沼恒史氏が登場。実際に「PG348Q」を1週間ほど体験したとのことで、その感想を語ってくれた。

 「ゲーマーの観点では、とにかくディスプレイがかっこいい。実際プレイをしてみても美しいの一言。普段もフルHDでプレイをしているが、ここまで作り込まれていたのかと感心するほど」と柳沼氏。「フルHDと比較しても、ジャギーの感じがまったく違うほどきれいな画像となっている」とも。

 21:9の画面サイズでのプレイについて柳沼氏は、「画面内の描画域以外、マップ表示なども見やすいし、よく見渡せますね。ゲームをしている人からすると有利なのでは」と語る。画質設定の「最高」と「低」とを比較した場合でも、明らかにオブジェクトが異なるほど。「高解像度でのプレイは没入感が違いますので、きれいなディスプレイと描画能力のあるハードでプレイしてほしい」(柳沼氏)とコメント。

「World of Warships」アジアプロデューサー 柳沼恒史氏
「PG348Q」で撮影した旧日本軍の空母「翔鶴」。プロジェクター越しだが、画像のなめらかさがわかる
フルHD(上)とPG348Q(下)。上画面ではジャギーが出ているのがわかる
「PG348Q」で撮影した大和
画質設定「最高」(上)と「低」(下)。山のオブジェクトが違っているのがわかる

ネットワークゲームのタイムラグを軽減する「WTFast」機能を搭載

 無線LANルータ「RT-AC88U」はハイエンド向けの製品だが、ゲーム用途に特化した機能を搭載しているのが特徴だ。WTFastの「Gamers Private Network」を使用することで、「RT-AC88U」と接続先との通信経路を最適化し、ネットワークゲームのタイムラグとパケットロスを最小限にする機能である「WTFast機能」や、ネットワーク上に流れるデータを監視し、ゲーム関連のデータ通信を優先するように設定しておけば、ネットワークゲームを楽しんでいるときに、同時に家族がインターネットで動画を見ていたとしても、ゲームへの影響を最小限に抑えることができる「Adaptive QoS」機能が搭載されている。

 「RT-AC88U」はルータ自体の規格としてもハイスペック。BroadcomのNitroQAM技術により、IEEE802.11ac使用時で最大21,678Mbpsの速度を実現。IEEE802.11nでも最大1,000Mbpsでの通信が可能だ。このハイスペックを実現するために、CPUには1.4GHzで動作する、Cortex-A9ベースのBroadcom BCM4709C0デュアルコアプロセッサーを搭載。加えて512MBのDDR3メモリを搭載することで、高速なレスポンスを可能としている。

 また、接続している機器の位置を検出し、その機器向けに電波を飛ばすビームフォーミング機能をさらに強化した「Ai Rader」機能に対応しているほか、同時に複数の無線通信ができる「MU-MIMO技術」も利用可能。スマートフォンからルータの設定ができるアプリ「ASUS Router」にも対応している。

「RT-AC88U」正面。左右と背面に無線LAN用のアンテナが用意されている
背面部。8ポートの有線LANコネクタを用意

AdaptiveQoS機能。パケットを監視して最適な通信を実現する
WTFast機能。対応しているタイトルであれば、どこをたどっているのかわからない経路から、プライベートネットワークを経由した最短経路での通信を可能とする

 ディスプレイだけでなく、無線LANルータもゲーム向けの機器を出してきたASUS JAPAN。いずれもハイエンド向けの製品だが、ネットワークゲームをヘビーにプレイしている人であれば、是非とも欲しい製品であるに違いない。

(岩泉茂)