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台湾のド派手な人形劇をMMOに! 「刀龍伝説 Online」

試遊台では5体のボスに挑戦、光り輝くスキルで立ち向かう

1月28日~2月1日開催

会場:Taipei World Trade Center

 Taipei Game Show 2015はSCETと、中国と香港のメーカーが大きなブースを出展し、台湾メーカーはあまり目立たない。その中でSoft WarldグループのZealot Digital InternationalはMMORPG「刀龍伝説 Online」を出展していた。

ド派手な武侠ものの人形劇をMMORPG化
人形は60cm近くあり、大きい
コンパニオンは白いオオカミの毛皮を模したコスチューム

 「刀龍伝説」は台湾の有名な人形劇「霹靂シリーズ」の5作目であり、MMORPGはその魅力的な世界を再現している。Zealot Digital Internationalは5年の歳月をかけて「刀龍伝説 Online」を開発し、1月28日より正式サービスを開始したという。会場では巨大ボスと戦う特別なステージを体験できた。

 Zealot Digital Internationalは「霹靂神州Online」という同じ「霹靂シリーズ」の作品もMMORPG化している。「霹靂シリーズ」は幻想的なストーリーと人形の派手なアクションが魅力で、昨今はCGも多用され画面は非常に派手だ。台湾の人々になじみ深い武侠ものの要素が強く、天界から魔界、地上の国の興亡など壮大なスケールでの物語が展開する。
 「刀龍伝説 Online」は人形劇そのままのド派手な世界観を再現し、エフェクトの多めなスキルやキャラクターが激しく動くモーションが魅力であり、巨大なボスとの戦いが楽しめる。ドラマに出てくる多彩なキャラクターの再現にも力が入っている。会場では5体のボスと戦うデモプレイを体験できた。

 今回体験できた要素に関しては、ゲームの感触としてかなりレガシーな印象を受けた。敵をクリックして攻撃し、派手なスキルを使う。敵が技のモーションを確認したら範囲外に移動する。慣れ親しんだMMORPGの手法だが、インパクトが足りず、展開が単調だ。会場では強いキャラクターを使えるためただスキルを使えば倒すことができてしまう。クリアすることでグッズがもらえるのだが、試遊台に人が並んでいなかった。

 エフェクトは非常に派手で、キャラクターも大きいのだが、グラフィックスは欧米や日本のゲーム作品と比べるとやはり古い印象を受ける。過去のMMORPGから進化を感じさせないところがあり、せっかくの台湾オリジナルタイトルだがアクション性の導入や、ユニークなシステムといった“斬新さ”が感じられなかった。

 MMORPGは確固たるユーザーを獲得しているゲームジャンルではあるが、「簡単、手軽」をウリにしたものはブラウザゲームやソーシャルゲームにユーザーが流れてしまった。一方でコアな連帯感や効率を突き詰めてしまう流れもある。改めて「MMORPGの進化」を問われている状況にあり、旧来のスタイルのMMORPGが乱立していた時代は過ぎ去りつつある。あくまで試遊台での感想だが、「刀龍伝説 Online」にはもっとインパクトの強い革新性を盛り込んでほしいと感じた。

【刀龍伝説 Online PV第3弾】

【刀龍伝説 Online 】
ド派手なエフェクトが目を引くが、駆け引きの要素は少なく、力押しな感じで、システムとして旧来通りという印象だ
SDキャラクターも用意しているのが台湾らしい

(勝田哲也)