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“不殺プレイ”も可能! 「バトルフィールド ハードライン」ハンズオンレポート
ステルスADV色の強いシングルプレーヤーキャンペーンを試した
(2014/11/14 02:00)
エレクトロニック・アーツが2015年3月19日の発売を予定しているプレイステーション 4/3/Xbox One/360/Windows用FPS「バトルフィールド ハードライン(Battlefield Hardline)」のシングルプレイキャンペーンの詳細が本日、初公開された。EAのオフィスにて実際に2つのエピソードをプレイすることができたのでその感触をご報告しよう。
本作「バトルフィールド ハードライン」は既報のとおり、人気のミリタリーFPSシリーズ最新作「Battlefield 4」のエンジンをベースに製作中のクライム・アクションFPS。6月に開催されたβテストでは“ケードロ”を思わせる設定でド派手な対戦モードを楽しむことができたが、今回披露されたシングルプレーヤーモードはまた全く違った経路の内容になっていたのだ。
調査、潜入、解決。とある警察官のキャリアを描くキャンペーンモード
今回プレイすることのできたエピソードは2つ。全11エピソードで構成されるというシングルプレイキャンペーン内の、2つ目と9つ目のエピソードだ。
主人公は新米刑事ニック・メンドーサ。麻薬戦争が激化するマイアミで、彼の数奇な戦いが描かれる……というのが大雑把なプロットだ。今回はじめにプレイした第2エピソードでは、マイアミ郊外、治安の悪そうな住宅街をパトロールするシーンからゲームが始まった。
「Battlefield 4」ではシングルプレイキャンペーンでもわりと戦闘シーンが忙しく進行していたが、本作では自動進行形のシーンで映画を見守るように進んでいくシーンが多い。マイアミ郊外のパトロールから、ゴロツキの溜まり場への潜入、キーキャラクターのひとりとなる“タップ”の逮捕までの一連のシーケンスは全体で10分間ほどになるが、そのうち5分間以上は相棒の“カイ”の運転に任せたり、歩いてついていきながら、周囲の状況を飲み込んでいく感じのプレイになる。
やがて場面は市内の麻薬製造工場と化した建物へ。本作の重要キャラクター“タイソン”の逮捕を目指すこのエリアで、本作のゲームプレイの本質が見えてきた。建物の警備に立つ犯罪組織の構成員はこちらを見つけると問答無用で発砲してくるが、顔を出すのと同時に警察バッヂを出すフリーズアクション(PS4版ではL1ボタン)をすると、“警察だ!おとなしくしろ!”とばかりの脅しが効いて、拘束することができる。
このフリーズアクションは非常に効果的で、複数の敵にも有効だ。近づくまでの間に目線を反らすと警戒ゲージが急上昇して反撃されてしまうので注意が必要だが、2人組なら確実に制圧できる効果がある。
さらに携帯スキャナーでエリア内の敵をマークすればミニマップでそれぞれの視線方向を確認できるほか、空薬莢を投げて音を立て、視線を逸らさせてから背後に回り、テーザーガンで気絶させるといった行動も取れるため、完全ステルスプレイが可能。そのまま静かに潜入して建物内の全員を拘束すれば、不殺でのステージクリアだ。なんだかちょっと「Hitman」っぽい雰囲気。
とはいえ本作は間違いなく「Battlefield」。暴れまわってのクリアももちろん可能。銃撃戦になるとエリア全体の敵対キャラクターが音に反応して警戒を開始。ひとり片付けるのに手こずると次々に増援が現れて、うまく射撃しないと速攻でジリ貧に……となるバランスなので、まずはステルスで有利な位置を確保してから先手必勝で倒しまくるというのがもうひとつの鉄板戦法になりそうだ。
こうしてニックたちは麻薬組織の建物を制圧、証拠品を集めて犯罪の構成要件を明らかにしていくのだが、この証拠品集めの部分も、携帯スキャナーを使った収集系の遊びになっている。先々のステージではたくさんの証拠を集めるのに骨折りなエリアもでてきそうな雰囲気である。
作品を通じて共通する“フォートレス・スタイル”のゲームプレイ
次にプレイした第9エピソードで、主人公グループは協力者の手引で何やら犯罪チックな行動に出る。大型のオフィスビルへの襲撃だ。
上でご紹介した麻薬工場への潜入と同じく、このステージでも“敵が防備を固めた施設へカチ込む”流れになっているのだが、建物が大型であるだけにその内容もスケールアップ。携帯スキャナーで観察すると大勢の警備員のほか、警報装置につながる回路やスイッチも赤くハイライトされ、攻略の糸口が様々に見えてくる。
ここもやはり徹底したステルスで警備員を一人ずつ片付けてもクリアできるが、暴れまわるスタイルなら隣接したビルからジップラインを使ってド派手に突入するなど様々なアプローチがあるようだ。開発元のVisceralではこういった本作のステージ構造を“フォートレス・スタイル(要塞スタイル)”と呼び、シングルプレイキャンペーンの主要な遊びとして位置づけている。
さて筆者の場合はこのステージも序盤のロビー部分は完全ステルスで進行したが、やがて主人公一行はビルのオフィスフロアに到達、隠し金庫を見つけて錠前破りを試みるが、通報装置が反応、大勢の特殊部隊員がフロア内に殺到してくる流れに。ミッション目標はただひとつ、生き延びろ!
このシーンでもステルスクリアは可能だが、ひどく難しい。敵の数がそもそも多い上に、最初から警戒モードで全員がウロウロしているため、死角が作りにくいのだ。携帯スキャナーと空薬莢、テーザーガンのほかにももう少し色々とステルスプレイ向けのガジェットがあれば良いのだが、今回のプレイ時間では全貌を把握しきれず。ステルスを3~4回ミスして致し方なく銃撃戦にてクリア。
その後の主人公一行は破った金庫から奪ったブツを抱えて高層ビルから脱出を図るが、そこからはもうヘリコプターは落ちるわビルは半崩壊するわの大騒ぎで「Battlefield」らしいド派手な演出の連続。とはいえこういった派手なシーンはほぼ自動進行シーンとなっており、かなりのボリュームがある本ステージも実質的なゲームプレイが行なわれるのは上記のロビー潜入と金庫破りのシーンの2箇所だけだ。全体としてかなりシネマティックを重視した作りになっている。
とはいえ、ステルスとバトルの両方で攻略を目指せる本作のゲームプレイはなかなか魅力的で、両方のスタイルで納得するまで何度もプレイできるだけの内容がある。今回はまだ不慣れだったためステルス系のガジェットを100%活用できたとはいえなかったが、このあたりをもっときちんとプレイできれば、さらに幅広いアプローチを試せそうな手応えだ。
ド派手一辺倒のマルチプレーヤーモードとはうってかわって、シネマティック&ステルスでソロプレイをじっくり楽しめる「バトルフィールド ハードライン」。来春の注目FPSとしてのデキはすこぶる上々だ。