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バンダイ、新型カプセル自販機「ガシャポンカン」の展示説明会を開催
“缶型カプセル”により商品展開が幅広く。第1弾は「トッキュウジャー」
(2014/3/3 16:50)
バンダイは3月3日、東京国際フォーラムにて、円筒型のカプセルを使った新型カプセル自販機「ガシャポンカン」の展示説明会を開催した。
これまでバンダイを初めとして様々なメーカーが通称“ガチャガチャ”と呼ばれるカプセル型自販機を展開していたが、今回初めて缶型のカプセルでの販売を行なう。説明会ではこの缶型の新しい自販機を見ることができたほか、バンダイの球形カプセル自販機「カシャポン」の最新作を見ることもできた。
「ガシャポンカン」は直径6.18cm、横10.3cmで細長い缶型のカプセルを使用する。自販機は上部のカプセルを入れるところを交換する形で変更でき、従来のカプセル自販機の基部を利用することが可能。最大26個のカプセルを収納できる。
第1弾は特撮番組「列車戦隊トッキュウジャー」に登場する列車型マシン「トッキュウレッシャー」をモチーフとした「列車戦隊トッキュウジャー トッキュウレッシャー00」。ラインナップはトッキュウ1号(レッド)に変身できる「レッドレッシャー」で、通常カラーとメタリックカラーのどちらかが入手できる。3月31日発売で、価格は1プレイ400円。
現在、第2弾の「列車戦隊トッキュウジャー トッキュウレッシャー01」の発売も決定しておりこちらは「レッドレッシャー」、「シールドレッシャー」、「エナジーレッシャー」など全9種類となる。4月中旬発売予定で、1プレイ400円。これらはなりきり玩具の「変身ブレス トッキュウチェンジャー」などと連動機能がある。今後もバンダイは1カ月に1度のペースでガシャポンカンを投入予定だという。
缶型カプセルの最大のメリットは、従来の球形カプセルでは入れられなかった商品が展開可能となるところだ。細長い「トッキュウレッシャー」がそのまま入るし、今後は組み立てた状態のフィギュアや、カード状の商品も入れることができる。特にフィギュアは現在でもパーツ分解を行なうなどカプセルに入れるための様々な工夫が為されているが、それでも手足や長めの武器などはカプセルの形状のために曲がってしまっていた。ガシャポンカンにより、原型を崩すことなくカプセルに封入することが可能になる。
会場でバンダイベンダー事業部ゼネラルマネージャーの岡田圭介氏にガシャポンカン発売までの経緯や、今後の展開を聞くことができた。カプセルの形を変えたいという話は2009年頃から上がっていたのだが、「何を入れるか」というところで決定的なアイディアが出ず、今回の「トッキュウレッシャー」で実現した。ガシャポンカンの商品化を後押ししたのは4月からの増税や、中国の工場の人件費の高騰などの状況だという。この機会に、商品の幅を広げ、付加価値のついたものを提供できるようにガシャポンカンという新しい規格を実現させた。カード事業部など様々な部署との連動も視野に入れ、プラットフォームを増やして対応できるようにしたと岡田氏は語った。
今後の展開としては、バンダイの強みとなるキャラクター商品をメインとしつつ、幅広い“オトナ向け”の商品も展開していく。スマホにパンツ型のカバーをつける「スマートパンツ」や、アイドルのグッズ、ユニークなところでは「歌舞伎座」で“ハンカチ”をガシャポンで販売したところお年寄りに好評だったという。販売先も含め、幅広い展開していきたいとのことだ。ベンダー事業部はフィリピンで新たに工場を作り、商品を生産していく。バンダイのグループでもフットワークを軽く、その後の商品展開の突破口になるように、新しい挑戦を常に続けていきたいとのことだ。
この他、岡田氏はカプセルそのものに関しても、キャラクターに合わせて缶型カプセルに手を加え、コレクション性をカプセルそのものに付与したり、内部に印刷したシールを貼ることで缶を展開させることでフィギュアの背景にするなど、いくつかのアイディアを語った。新しいプラットフォームにより、ベンダー事業部が様々な可能性を模索しているのが伝わってきた。
岡田氏はユーザーに向け、「今後も付加価値の高い、大人でも子供でも楽しめる商品を提供していきますので、今後ともご期待いただければと思います」と語った。新たなプラットフォームが生まれることでガシャポンがどう変わっていくのか、注目したい。