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【G-STAR 2013】DAUM、「黒い砂漠(仮)」を体験プレイ!

ソーサラーのバトルなどプレイのインプレッションをお届け!

11月14日~17日開催(現地時間)

会場:釜山国際展示場(BEXCO)

約2時間並んでやっと試遊台にたどり着いた

 韓国の大手ポータルサイトDAUMは、「G-STAR 2013」に開発中のMMORPG「黒い砂漠(仮)」をプレイアブル出展した。「黒い砂漠(仮)」は「C9(Continent of the Ninth)」の開発に携わってきたキム・デイル氏が立ち上げた韓国PearlAbyssが開発している作品で、韓国では5,000人が参加するクローズドβテストが行なわれたところだ。日本での運営はゲームオンが行なう予定で、来年には日本でも遊ぶことができるかもしれない。

 今回は会場ブースで行なわれていた15分間の試遊に参加。ソーサラーで夜の街を徘徊してきた。前回のレポートではお伝えしきれなかったバトル部分なども遊ぶことができたので、新たに前回のレポートに追加する形で新要素のインプレッションをお届けしたい。

 なお、先日行なった開発者へのインタビューと試遊レポートもあるので、こちらも参照して欲しい。

【「黒い砂漠」CBTトレーラー】

重厚で美しい世界は、ただの書き割りではない

過去最高規模となったBtoBブース

 「黒い砂漠(仮)」は中世ヨーロッパ風の世界観を重厚なグラフィックスで描き出したMMORPG。独特の空気感を持った風景は「C9」にも通じるものがあるが、MMORPGということでより広がりを感じるような風景になっている。マップには町とフィールドがあるが、厳密にはゾーンで分かれてはおらず、人がいる農場のすぐ脇にあるヤブの中にも敵がいたりと、狩り場と町ががっちり分かれていた従来のMMOとはひと味違う造りになっている。町の中や町につながる道にはNPCの旅人が歩いていたりと、よりリアルな風景を目指したこだわりを感じる。ワールドマップは、方角の上に道筋がのったロードマップのような雰囲気で、そこに必要な情報がずらりと網羅されている。

 プレーヤーが選べるクラスは「ウォリアー」、「レンジャー」、「ソーサラー」、「ジャイアント」の4つ。今回はソーサラーでプレイしてみた。キャラクターは、クラスによって男女や体格などがほぼ決まっている。ソーサラーだと黒髪の女性というところまでは決まっており、顔を3パターンから、髪型を5パターンから選んでカスタマイズすることができた。

【4種類あるプレーヤーのクラス】
「ウォリアー」
「レンジャー」
「ソーサラー」
「ジャイアント」

 スタートした場所には馬がたくさんたむろしており、「R」ボタンで騎乗することができた。本作は馬のアクションにかなり力を入れており、専用のスキルもあるようだが、その分扱いに癖がある。実際に馬に乗ったことがある方なら分かると思うが、馬は生き物なので絶対に乗っている人に従ってくれるわけではない。初心者が必死に馬に言うことを聞かせようとする、まさにその感覚がそのままゲーム内に再現されているような感じで、すぐに止まれなかったり、方向転換に時間がかかったりと最初のうちは上手く行かずイライラすることもあった。

 もちろん慣れてしまえば、人が馬の足に追いつけるはずもなく、広いフィールドを移動するには馬は欠かせない存在となる。この体験プレイでは、馬に特定の所有者という概念はないようで、そこらにつないである馬をどれでも適当に乗り回すことができた。

話しかけるとカメラが切り替わり、NPCがアップになる
ショップ画面。左側に価格の相場グラフがある
親密度を上げられるNPCとの間には白い線が表示される
詳細は不明だが、フィールドに自由にテントを張ることができた。消費アイテムのようだったので、体力回復の拠点となるものなのかもしれない

 また、本作は、町のNPCとの人間関係の構築がプレイに影響を与えるという、ソーシャルな要素が導入されている。親密度を上げられるNPCに近づくと、自分とNPCの足下に白い輪と、2つの輪をつなぐ線が表示される。NPCも、ただのフラグとしてそこにいるわけではなく、もっと生き生きしたその世界の住民として描かれている。

 たとえば、商人の描き方だ。オンラインゲームの商人は、分かりやすいようどこの街でも同じたたずまいであることが多い。軒先で突っ立っており、話しかけると即座に取引画面に移行し、ダイアログに並べられた商品をオンラインショップのように購入する。

 「黒い砂漠(仮)」は少し違う。商人に話かけてもすぐには取引画面が始まらず、まずは通常のクエスト画面のようなNPCとの会話画面になる。そこから改めて取引を選ぶと、今度はそのNPCの周りに販売している商品がディスプレイされた画面になり、そこではじめて取引を行なう。リストのようなものはなく、置いてあるオブジェをクリックして値段を確かめる。リスト方式に比べると明らかに分かりにくいし、一回の取引に時間がかかるので面倒だと思う人もいるだろうが、それでもなお、NPCからものを買うというシーンの臨場感にこだわった開発の思い入れを感じた。

 確かに、現実の買い物でも、袋に入って触れないものよりも実際に手に取り、使ってみたり試着できる方が購買意欲をそそられるし、なによりどんなものなのかを確認できる。そういう現実世界では当然のことをMMORPGで実現しているわけだ。

 NPCでもう1つ驚かされたのが、すべてのNPCに当たり判定があることだ。街を歩いているNPCにぶつかると、「チッ」という顔でこちらをじろっと見ていく。思わず「すいません」と言ってしまいそうな状況だ。オークションの前にたむろっているNPCにももちろん当たりがあるので、少々利用しづらく感じることもあった。

 それでも筆者はこのシステムには好感が持てた。プレーヤーが世界に関与できる部分が大きいほど、開発者が思っても見なかった遊び方が生まれる可能性が高いと思うからだ。NPCの挙動に限らず、本作では背景をただの書き割りにせず、いかにしてそこを愛すべき故郷と感じられるようにするかという部分に心が砕かれている印象を受けた。

 さて、気になる戦闘はノンターゲット方式で、画面下に10個のショートカットスロットがある。ムービーでは騎乗しながら攻撃する様子も出ていたので、馬のスキルをあげていけば可能になるのかもしれない。ソーサラーといえば遠距離魔法やスリップダメージ魔法などで遠くから削っていくというイメージが強いクラスだが、「黒い砂漠(仮)」のソーサラーは基本攻撃が近接だ。もちろん遠距離攻撃や、範囲攻撃もあるのだが、キック攻撃もあったりして、殴って蹴る魔法使いというスタイルのようだ。

 普段は画面中央部分に白いサークルが表示されているが、敵が攻撃範囲に入ると、このサークルが小さめの赤いサークルに変化する。ただ、現状のインターフェイスでは自分がいまどの敵と戦っているのか、どこから攻撃されているのかが分かりづらいため、今後改善されるかもしれない。戦闘や移動でのキャラクターの挙動は、よく言えば洋ゲー風、悪く言えばもっさりで、キビキビピキピキしたアクションを好む日本人には好き嫌いが分かれる部分かもしれない。ただ、トレーラーを見る限り、エフェクトの派手さやコマンドを駆使したバトルには非常に高いアクション性があり、ターゲット式の戦闘に飽き足らない人にとっては、やり込み甲斐のあるゲームになりそうだ。

【「黒い砂漠(仮)のバトルシーン】
装備画面はサークル状になっている
ソーサラーの戦闘は予想以上に近接攻撃が多かった
ムービー内のレンジャーの戦闘。弓を撃ちながら身軽な動きで攻撃を避けていた
ムービー内のジャイアントの攻撃。誰もが予想する通りのパワータイプ

(石井聡)