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【Gamescom 2013】Ubisoft、「Watch_Dogs」体験レポート

PS4の超美麗映像で見る、オープンワールドのシカゴ

8月21日~8月25日開催(現地時間)

会場:kolnmesse

 Ubisoftは、「アサシン クリード4 ブラックフラッグ」と「Watch_Dogs」を2枚看板にしたブースを「Gamescom 2013」に出展した。このレポートでは、そのうちの1つ「Watch_Dogs」について、ブース内で見ることができたプレイデモの様子をお伝えしたい。ブース内は例によって撮影禁止だったので、スクリーンショットと合わせて雰囲気を感じて欲しい。

 「Watch_Dogs」は北米ではPS3/Xbox 360/Wii U/Windows用が11月19日に、PS4/Xbox One用が11月31日に発売する。日本語版は公式ホームページはオープンしているが、発売日と価格は共に未定。

ハッキングを駆使した「Watch_Dogs」のデモプレイを紹介

街をハッキングで自由自在に操作する、主人公エイデン・ピアース
広大なオープンワールドのシカゴの街でやりたいことをやれる
端末から「ctOS」を操作して、すべてを意のままに操る。怖いのはバッテリー切れだけ?

 「Watch_Dogs」は高度に情報化した近未来のシカゴが舞台のオープンワールドのアクションゲーム。主人公エイデン・ピアースは手にしているスマートフォン型の端末を使って、あらゆる情報をハッキングすることができる天才的なハッカー。近未来のシカゴは、あらゆるデータやインフラを一元的に管理する「ctOS」というシステムで運用されている。エイデンはこのシステムをハッキングすることで、都市のすべての情報を自由に操ることができる。

 Ubisoftのブースの中では「アサシンクリード」と同等の大きな扱いで、行列も負けず劣らず長く、待ちくたびれた人たちが座ったり寝転んだりしながら、順番を待っていた。

 ブースの中で見ることができたのは、次世代機を使ったプレイデモ。ピアースがいくつかのミッションをこなしていく様子をみることができた。被写界深度が設定され、ぼんやりとにじんだように遠景がかすむゲーム画面は、まるで実写のシカゴを見ているような雰囲気。足下をジュースの空き缶が転がり、段ボールなど街の多くのオブジェクトにインタラクティブにアクセスできる。「アサシンクリード」などで培ってきた群衆AIはさらに磨きがかかり、街の人たちの動きにも不自然さがない。驚いたり、怒ったり、喜んでいたり、急いでいたりと、大都会の雑踏がよく表現されている。

 画面には、周囲の人間の情報がリアルタイムに表示される。そこにいる人間がどういう名前で何歳でというIDがすべてわかるようになっている。この力を使って、怪しい人物を捜すこともできる。他にも他人の通話の内容を聞いたり、チャットを呼んだり、ノートパソコンのカメラに侵入して部屋の様子をうかがったりと、様々な使い方がある。

 最初は、銃をもった男たちがうろついている工場のような場所へ侵入する。カメラをハッキングして敵の位置を把握したり、入り口のそしてムをハッキングしてドアを開け、当然のことに驚いている警備員たちの目を盗んで近くの柵を乗り越えて侵入する。

 装備している武器はマシンガンとピストル、遠隔操作が可能なSF的なデザインのグレネードと警棒。蔽遮物のサイズに応じたカバーアクションで物陰に近づきつつ、警棒で音を出さずに警備員を気絶させていく。目標を見つけると、ピストルで倒してそのまま逃亡した。

 逃げた先で街の住民をハッキングしていると、“犯罪にあう可能性が高い”という情報を持つ女性を見かける。その女性はマンションに戻る途中に現われた男に襲われる。エイデンは銃で威嚇して男を撃退する。逃げ出した男の後を追いかけている最中には、柵をワンアクションでどんどん乗り越えていく。またぎ越えたり、乗り越えたりと複数のモーションが用意されているようで、走ってのチェイスシーンは映画のワンシーン用にスムーズでかっこいい。男は車に乗って逃げようとしたが、車のタイヤを撃ってパンクさせ、逃げられなくなった男を警棒で倒した。

 その後、今度は隣にあった車の電子キーをハッキングして車に乗り込むと、シカゴの街を爆走する。車を降りると武器屋に入り、ピストル、サブマシンガン、ライフル、ショットガン、グレネードガンとそれぞれの弾を購入しかけるが、タイミング悪くレジの近くにあったテレビでピアースを事件の容疑者として報道するニュースが流れると、一気に状況が悪化する。警察が来る前に逃げ出して、車で逃走する。

 ようやくたどり着いた先で、今度は敵のハッカーを捜すミッションを行なう。そのエリアにいる人間のIDを洗い出し、目的の人物を捜し出す。身を隠したまま、ビルの外壁に取り付けられている複数の監視カメラをハッキングして敵の姿を視界に捉えようとするが、敵にも同じことができるようで、頭上にあった監視カメラで発見されてしまう。敵は逃げ出し、ピアースは発砲しながら追いかけるが、車に追いつけず取り逃がしてしまう。

 すぐに市のシステムに侵入して車をトレースし、バイクを使って追いかける。追いついたところで銃撃戦が始まり、最後はグレネードの激しい投げ合いになった。運悪く、ピアースの傍で1つが爆発し、敢えなくゲームオーバーになってしまったところでデモも終了した。

 本作を始めて見た時には、「スプリンターセル」のようなゲームを想像したのだが、デモプレイをみた限りでは、本作には大きなストーリーはあるが、基本的には何をするかはプレーヤーが決める非常に自由度の高いゲームのようだった。今回のデモプレイの最中にも、逃げるために住人をひき殺しまくるシーンがあり、正義の味方になるのかどうかも、プレーヤーの決断にかかっているのかもしれない。

 システムハッキングで戦うというクールで都会的な雰囲気と、オープンワールドの何でもあり感が融合し、今までにない不思議な感触のゲームに仕上がっていると感じた。

(石井聡)