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クラウドゲーム機「G-cluster」製品発表会を開催

「アサクリII」も快適にプレイ可能! 新時代の小型ゲーム機が6月20日に発売

5月30日 予約開始予定

6月20日 発売予定

価格:
9,980円(本体)
13,800円(ゲームコントローラーセット版)

ブロードメディア代表取締役社長の橋本太郎氏

 ブロードメディアは、クラウドゲーム機「G-cluster(ジークラスタ)」の製品発表会を5月24日に開催した。発売予定は6月20日で、本体価格は9,980円。コントローラー同梱セットが13,800円。5月30日より予約が開始される予定。

 クラウドゲームはゲームの起動から動作、セーブに至るまでをサーバー側で動かし、その結果としてのゲーム映像をモニターに出力することでゲームが遊べるサービスのこと。「G-cluster」が発売されることにより、日本にもその本格的な機器が登場となる。

 発表会にはブロードメディア代表取締役社長の橋本太郎氏が登壇し、製品についての使い方や狙い、タイトルのラインナップについて紹介した。

目指すは「クラウドゲーム元年」。「アサクリII」など50タイトルをローンチラインナップ

「G-cluster」のポータル画面
コントローラーはスマートフォン、PC用のゲームコントローラーのどちらも使用可能
本体はテレビ画面の裏にくっつけられるくらいに小さい
デモをする橋本氏

 「G-cluster」は、ICカードサイズのクラウドゲーム専用端末。ADSL以上のWi-Fi環境が整っていれば、テレビに接続するだけですぐにゲームが楽しめる。G-clusterにはHDMIとMicro USBの接続口があり、HDMIはテレビの映像出力用、Micro USBは給電用となっている。

 特徴的なのは、手持ちのスマートフォンに専用のアプリを入れれば、そのままコントローラーにもなるという所。スマートフォンの画面がバーチャルパッドのようになり、パズルゲームなどの操作の簡単なゲームであれば十分に操作できる。

 より本格的なゲームであれば、ロジクール製のゲームコントローラーが付属したセットが発売されていることからもわかるとおり、PC用のゲームコントローラーを接続してプレイできるようになっている。

 また「G-cluster」本体が非常にコンパクトにできているために、テレビの裏に設置すれば、まったく置き場所や見た目を変えずに済む(専用のホルダーが付属)。「G-cluster」では、ゲーム機を「片付ける」という概念までなくすことができる。

 ゲームのラインナップは現在50タイトルほどで、コナミデジタルエンタテインメントの「Rocket Knight」やワーナーの「LEGO Harry Potter: Years 1-4」などの“ファミリー向け”を中心に、ユービーアイソフトの「アサシン クリードII」、日本ファルコムの「イースI&IIクロニクルズ」などの“コアゲーマー向け”、将棋や麻雀といった“ライトユーザー向け”と大きく3つに分類される。

 これらの値段は525円から2,940円まででタイトルごとに決まっており、購入すれば1年間は好きなだけ遊べる。また月額525円のプランもあり、こちらでは約30タイトルが遊び放題になる。なおすべてのゲームは、無料で10分間の試遊が可能だ。

 また会場では実際に「G-cluster」を体験できた。「アサシン クリードII」が「G-cluster」でどう動くのか? という部分がゲームファンとして最も気になるところだったため、早速試してみた。街をランニング中に敵に襲われ、屋根の上に登って乱闘を繰り広げる、というプレイになったのだが、入力の遅延などはまったく感じることがなく、違和感なくプレイできた。

 画質よりもプレイ継続優先で通信するようにプログラムされているため状況や環境によっては映像が乱れることもあるということだが、クラウドゲーム時代の到来を現実的に感じさせるプレイ体験だったと言える。なおゲームはWindows版をベースにしているということで、「アサシン クリードII」については最初は英語版のみの提供になる予定だ。

 「G-cluster」らしい遊び方としては、スマートフォンをコントローラーとして4人で麻雀をさせるというプレイ方法も紹介された。テレビ画面で卓の状況を表示させ、手元のスマートフォンで手牌を操作する。この機能は「パーティプレイ」と呼ばれており、2013年夏に対応予定。今後はこうしたクラウドゲームらしいゲーム作りにも取り組んでいくという。

 これまでのラインナップは他プラットフォームで既に発売されているタイトルが多いが、今後はプラットフォームとして新作も提供していくという。パートナーの中にはスクウェア・エニックスも入っており、具体的なタイトルについては明言しなかったものの、「順番ではおなじみのものから出てくる。新作も相談しているので、提供できるようになれば」と話した。

 橋本氏は「G-cluster」の発売の最大の理由として「家族で遊ぶ」ということを強調した。「家庭用ゲームは素晴らしい機器になっているが、高機能化することによって子供向けではなくなっている」と指摘し、「家族でゲームを遊ぶという風景を再現できれば」と語った。

 スマートフォンでゲームをする傾向が強くなっていることに対しては「もう1度家庭のテレビの前でゲームを遊んで欲しい」と語り、「ただし、スマートフォンから戻るというよりは、どちらも使いながら遊ぶというゲームのパラダイムを作りたい。操作は手元でやりながら、面白い部分は大きな画面で視覚的に入ってくる。そういう遊び方が浸透すれば、面白いことになる。今年が『クラウドゲーム元年だったよね』と言われるような年にしたい」と述べた。

ゲームファンとしては、「アサクリII」などに加え、「PCエンジン・ライブラリー」も気になるところ
「アサクリ2」を体験。遅延などは全く気にならなかった。実際には720p、30fpsで動くという

(安田俊亮)