Tokyo Game Night、オフライン22人対戦による「FIFA 11」イベントを開催
世界レベルの腕利きゲーマーも参加したユーザーイベント



11月20日~21日 開催

会場:東京・練馬区 レンタルホールATASS


 様々なジャンルのゲームを題材にオフラインイベントを開催しているユーザー団体Tokyo Game Nightは、11月20日から21日早朝にかけて、「Tokyo Game Night FIFA部」として、エレクトロニック・アーツ株式会社から発売されているサッカーゲーム「FIFA 11」のユーザーイベントを開催した。会場となった東京・練馬区にあるレンタルホールATASSには全国から腕自慢の「FIFA」プレーヤーたちが集まり、BYOC(持ち込み)のゲーム機を含む22セットのXbox 360を用いて22人対戦や1on1トーナメントなど、様々な種目でスキルやチームワークを披露した。

 規模としては決して大きくないものの、ユーザーメイドのオフラインイベントとしてはかなり本格的。こういったイベントを含め、様々な催しを精力的に開催しているTokyo Game Nightの情報を交えつつ、今回のイベントの模様をご紹介していこう。




■ 「Tokyo Game Night FIFA部」とは?

会場の様子。22台のXbox 360がサッカーのフォーメーションライクに並べられている

 「Tokyo GameNight(以下『TGN』)」は、Eスポーツ関連団体のスタッフやトップレベルのプレーヤーが発起人となって、様々なゲームのオフラインイベントを精力的に開催しているユーザー団体だ。ジャンル別の組織として「PC FPS部」、「RTS部」、「格闘ゲーム部」などがあり、開催毎に異なるテーマの大会を行なっている。トップレベルのゲーマーなど業界著名人を招いてのトークセッションや、メーカーやパブリッシャーの協力を得てのオンライン・タイアップイベントなども手がけている。

 最近では、現在日本を代表するプロゲーマーとして活躍しているウメハラ氏の人気もあって、格闘ゲームの「スーパーストリートファイターIV」を使用したオフラインイベント「GODSGARDEN」が高い人気を博している。このイベントはTGNの「ストリートファイターIV部」の活動の一環で、動画のリアルタイム配信を行なったところ、試聴者数が15,000人を超えるという好評ぶりだ。

 そして今回の「FIFA部」である。発起人となったのは、いつもは「ソウルキャリバーⅣ」、「デッド オア アライブ 4」等を中心に行なわれる「格闘ゲーム部」の総括を務める吉川真人氏(HN:餅A氏)。餅A氏はWorldCyberGamesアメリカ大会における「デッド オア アライブ 4」の日本代表として本大会に出場し、入賞したなどの経歴の持ち主。他にも「ギターヒーロー」といったゲームタイトルでも日本代表になっているというトップレベルのゲーマーだ。

 その餅A氏が今回企画・実行を担当した「FIFA部」は、ご存知エレクトロニック・アーツの最新サッカーゲーム「FIFA 11」を用いたユーザーイベントである。「FIFA 11」ではゴールキーパーを含む全てのフィールドプレーヤーをプレーヤー自身が担当してプレイする22人対戦をサポートしており、プレーヤー同士が顔を合わせて対戦するオフラインイベントにピッタリの素材。さて、どのようなイベントになったのかお伝えしていこう。




■ オフラインイベント独特の雰囲気。国際レベルのプレーヤーも参戦

22人対戦に臨む参加者達。声を掛け合いながら戦術を組み立てていく

 およそ40人ほどのプレーヤー達が集まった会場内は、ほぼ全域がプレイゾーンとなっていた。会場左側に青チーム、右側に赤チームと、全22台のプレイ台がサッカーのフォーメーションを模した形で配置されており、視覚的にも誰がどのポジションを担当しているのかがわかりやすい配置。翌早朝まで開催されるとあって開場直後はポツリ、ポツリと参加者が現れる様子で静かな雰囲気だったが、やがて22人対戦が行なわれる頃になると、いやがおうにもテンションが上がっていった。

 まずはじめに行なわれた22人対戦イベントでは、両チームに自由参加という形でランダム構成でスタート。通常のオンライン対戦ではボイスチャットを使って指示や声掛けが行なわれるが、ここはオフライン。生での声が飛び交い、にぎやかな雰囲気で試合が進行していいく。ゴールが決まった瞬間には歓声が上がり、決めたチームではハイタッチ、決められたチームはどんよりしつつ「ドンマイ!」と励ましの声も。この場を生かし、初対面の相手とも容易に打ち解けていくプレーヤーが多かったようだ。


1on1トーナメントで優勝した前田朋輝選手。FIFA公式の国際大会でも実績を残したトッププレーヤーだ

 その後行なわれた「1on1トーナメント」では、ひとりでチーム全体を操作するモードで腕利きのプレーヤーたちが真剣勝負を披露。注目プレーヤーのひとりは、国際サッカー連盟(FIFA)による「FIFA」シリーズを使った公式世界大会「2010 FIFAインタラクティブワールドカップ」でのバルセロナ本大会出場経験もある前田朋輝選手だ。

 前田選手はレアル・マドリードを使用し、非常に攻撃的な戦術を駆使してプレイ。前がかりなフォーメーションで前線からのプレスでボールを奪取し、ショートカウンターをメインにゴールを脅かす。精度と決定力の高いプレイを続けざまに披露して、冷静なドリブル・パスから確実にゴールを決めていく。

 決勝戦で対決したのはこの前田選手と、インテル・ミラノを使用してサイド突破からのチャンスメイクを得意とするu7i8o9選手。両者とも得意の戦術で激突したこの試合では、前田選手の効果的なプレッシングが功を奏し、u7i8o9選手の攻めはことごとく弾き返されてしまう。じわじわと試合をコントロールし始めた前田選手は前線でのボール奪取を活かして多数のチャンスメイクに成功。その結果、3-1で前田選手が前評判どおりの優勝を決めた。

 開場の模様はオンライン配信もされており、遠方から観戦中の視聴者からもプレイの腕前に対する感想や賛辞が飛び交う。会場内では「FIFA11」プレーヤーでもあるゲーム雑誌編集者ブンブン丸氏による実況・解説もあり、それぞれのプレイの有効性やプレーヤーの思惑を分かりやすく伝え、なるほどと頷く参加者も多かった。




■ クラブトーナメントは大盛り上がり。お忍び参加のEAスタッフも「すごいな」と嘆息

クラブトーナメントでは5人単位の4チームで2試合が同時進行。開場の各所から声が上がる

 特に大きな盛り上がりを見せたのは、日頃から「FIFA 11」でオンラインクラブを組んでプレイしているメンバーが中心となって対戦した「クラブトーナメント」だ。5人構成の全4チームが参加して優勝を争った。全チームが日頃のクラブチームそのままとはいかず、ある程度の飛び入り参加もあったため、少々いつもと異なるテンポで試合をすることになったチームもあったようだ。

 それでもやはり固定チームでのトーナメントはプレーヤー心理が最高に刺激されるシチュエーション。プレイの随所で一喜一憂をあらわにするプレーヤー達の姿が印象的だ。それだけに、グループステージでの勝ち負けが決まった後も、優勝決定戦に望むプレーヤーの真横で応援にまわる参加者、悔しさのあまり力なく下を向いてしまう参加者、会場では様々な表情を垣間見ることができた。

 ハイレベルなプレーヤーが集まったこともあり、優勝決定戦は互いの堅守が目立つ、非常に引き締まった展開となった。攻撃面では試合序盤から互いに個人技で突破を図ったり、サイドからアーリークロスを上げる等、試行錯誤している様子。しかしビッグチャンスは少なく、なんとかゴール前でシュートを放つも、キーパーのナイスセーブに阻まれるなど、なかなかゴールが決まらない。

 と、このまま延長になるかと思われた終盤、高めの位置でボールを奪ったプレーヤーがペナルティエリアでディフェンスを交わし、ゴールを決めた。ハイタッチをして喜びをあらわにしつつ、得点後のリスタート時にはチームメイト同士で「気を抜くな、まだ試合は終っていない!」と、最後まで集中力を切らさないというシリアスな展開だ。

 ちなみに会場内には、エレクトロニック・アーツのスタッフがお忍びで参加しており、プレーヤー達の楽しげな風景を見つめていた。お忍びであるため名前は明かせないものの、今回のイベントの感想を聞いてみたのでご紹介しておこう。



──今回のイベントをご覧になっていかがでしたか。

EAスタッフ氏:以前弊社では、ちょうど今回のイベントのような形で、実際のサッカーのフォーメーション通りにモニターを配置して対戦会をしたことがあるんですよ。その時は非常に反響がよくて。この「FIFA部」でも同じような形が実現されていて、雰囲気が出てますよね。視覚的にわかりやすいので、観てるだけでも楽しめてよかったです。この環境をユーザーさんが全て揃えて、イベントを実現しているということが素直にすごいなと思いますね。

──このようなユーザーコミュニティーの活動に対してご意見をお聞かせ下さい。

EAスタッフ氏:いろいろなゲームでユーザーコミュニティはありますが、「FIFA」においてはコミュニティ代表者からのフィードバックが開発への参考にもなっているんですよ。過去作からユーザーの意見を取り入れて次回作の開発を進めていますので、日本でもこういうコミュニティができることは本当に良いことだと思います。



 「イベントはみんなで作りあげるもの」というポリシーで運営されているTokyo Game Night。「FIFA 11」の予定種目がひととおり進んだ後は、参加者のひとりが発売されたばかりの「Kinect」を持参していることを知るや、興味のある者が集まり即席の「Kinect大会」となるなど、手作り感満載の雰囲気で進行した。参加したプレーヤー達はゲームや歓談を大いに楽しみ、良い夜を過ごせたようだ。

 このようなイベントは、メーカーやパブリッシャーが主催する商業イベントとは異なり、参加者の側は決して「お客さん」ではない。運営スタッフと参加者が互いに創り上げるイベントであり、時には忍耐を要求されることもある。しかし、それでこそ創意工夫を発揮する余地もあり、熱心なプレーヤーであるほど深く楽しめるものであることは間違いなさそう。そのための「場」を提供するTokyo Game Nightによる今後のイベントにも期待したい。




(2010年 11月 24日)

[Reported by 佐藤カフジ]