今年G-Starに初出展を果たしたゲームメーカーはいくつかあるが、SEED9 Gamesもその1社だ。SEED9 Entertainment時代は、女性の生首の鉢植えを育てるという凄まじい恋愛シミュレーションゲーム「Tomak」やリズムアクションゲーム「R2BEAT」など、オリジナリティ抜群のゲームを手がけ、韓国大手ゲームパブリッシャーCJ Internetに買収され、SEED9 Gamesとなってからは、カプコンとの共同プロジェクトである「魔界村オンライン」の開発を手がけている。

　今回CJ Internetはブース出展を行なわず、開発子会社のSEED9が「魔界村オンライン」一色のブースを出展。ブースで「魔界村オンライン」を実際にプレイしてみることができたのでインプレッションをお届けしたい。なお、「魔界村オンライン」は、2011年下半期に韓国でβテスト開始予定で、日本でのサービススケジュールは未定。ゲームの概要については韓国最新オンラインゲームレポートでも一度取り上げているので、ぜひ合わせてごらん頂きたい。

【魔界村オンライン】
「魔界村」シリーズのエッセンスを取り込みながら、現代風にポップな雰囲気に仕上げた「魔界村オンライン」。シリーズ初のHDクオリティのゲームだ

■　機敏な動きによる爽快なアクションが楽しい「魔界村オンライン」

「魔界村」らしさを演出したSEED9ブース

歴代の「魔界村」作品を解説したコーナー

韓国産のオンラインゲームと言うことで、操作はキーボード準拠。ゲームパッドにも対応予定

　SEED9ブースでは、約30台の試遊台を設置して「魔界村オンライン」を大々的にアピール。開発はカプコンと契約締結した2006年から開始し、丸4年の開発期間を経て、一定の水準まで完成したことから、業界関係者やユーザーのフィードバックを受けるために今回出展を決めたという。βテストや正式サービスについては、そのフィードバックの内容を受けてから決めていく方針のようだ。

　ブースの中央には、「魔界村」でもお馴染みのドクロをぶら下げた枯れ木を配置し、それを取り囲むように試遊台を設置。ブースの内壁には「魔界村オンライン」の原作となっている「魔界村」シリーズ4作品（「魔界村」、「大魔界村」、「超魔界村」、「極魔界村」）が映像とテキストで紹介されていた。

　今回出展されていたバージョンでは、クラスは近接攻撃を得意としたソーダー（Sworder）と、遠距離攻撃を得意としたアーチャー（Archer）の2種類が用意され、森、幽霊船、墓場の3つのステージをイージーモードでプレイすることができた。村のようなデザインのビジュアルロビーからプレイするステージを選び、仲間の参加を待って複数人でチャレンジする。試遊コーナーは基本的にひとりでプレイさせていたが、4人同時プレイコーナーも用意されていた。

　プレイしてみて最初に驚くのはその動作の軽快さだ。リッチな3Dグラフィックスを採用したベルトスクロールアクションゲームは、往々にしてステージの美しさや派手なエフェクトと引き替えに、動作の快適さやテンポの良さが犠牲になっているケースが多いが、「魔界村オンライン」は、キャラクターがあたかも格闘ゲームのようなキビキビとした動きを行なう。

　ボタン連打するだけで連続攻撃による多段コンボが可能で、溜め攻撃、ジャンプ攻撃、ダッシュ攻撃、スライディング、各種スキル攻撃などなど、俊敏な動作による爽快なアクションが簡単に繰り出せる。攻撃は上下左右ナナメの8方向に撃ち出すことができ、飛行型モンスターとの空中戦もある。「魔界村」は、良い意味での野暮ったさがシリーズの味わいになっていたが、「魔界村オンライン」はことアクション性に関しては非常に洗練されている。

　基本的なゲームデザインは、「アラド戦記」（ネクソン）や「メイプルストーリー」（ネクソン）など他のベルトスクロールタイプのオンラインアクションゲームと同様に、HP（ヒットポイント）/MP（マジックポイント）制となっており、敵の攻撃を受けてもHPが減るだけで済む。MPは各種スキルで消費する。

　ちなみにHPがゼロになるとシリーズでもお馴染みの下着姿になる。この状態でダメージを受けると骨となってゲームオーバーとなってしまう。そうならないようにするために、HPが減ったら回復アイテムを使ってこまめに回復する必要がある。また、武器や防具に関しても、バックパックに武器や防具を入れておけば、ステージの途中でも持ち替えたり、着替えたりすることができる。

　敵も一定のHPを持ち、一撃では倒せない。敵に攻撃する暇を与えずに連続攻撃をたたき込んで倒していくという感じだが、倒しきれない相手は、スキル攻撃やガードを駆使しながら戦っていく。レッドアリーマーやサイクロプスなどのボス戦では、カットシーンが挿入され雰囲気を盛り上げてくれる。

　ボス戦の基本戦術は、複数人の場合は前後を挟んで両方から攻撃をたたき込み、ひとりの場合は敵の大振り攻撃を回避して、後ろを取って攻撃するなど。ステージのラストには画面一杯の大きさの大ボスが出現し、強力な攻撃を繰り出してくる。今回のデモではまだ序盤ということもあり、勢いでガンガン進めている感じだが、「魔界村オンライン」には、「アラド戦記」のようにフィールドに奥行きがないため、ボス戦のような長期戦の駆け引きをどのように実現していくのかが注目されるところだ。

「魔界村オンライン」はまだβテスト前の作品だが、非常に完成度が高かった。日本展開が待ち望まれる作品のひとつだ

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