E3 2011レポート

「Nintendo E3 Media Presentation」レポート 3DS編
「マリオカート」、「スーパーマリオ」、「スターフォックス」など必勝態勢の3DS新作ラインナップを紹介


6月7日~9日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 「Nintendo E3 Media Presentation」が今年もE3会場の隣にあるNOKIA Theaterで開催された。最大の話題は、「プロジェクト カフェ」という名前で話題になっていた、Wiiの新コントローラー「Wii U」の発表だが、他にも「ゼルダの伝説」25周年を祝うシンフォニーオーケストラの世界ツアーや、ニンテンドー3DSの新サービスなどいくつかのトピックスが発表になった。

 「Wii U」については、体験レポートも含め別の記事で詳しくお伝えする。このレポートでは、岩田氏が今年の重点目標にかかげた、3DSのマーケットへの挑戦のために用意された豪華なラインナップと、25周年を迎えてたくさんの新サービスが用意されている「ゼルダの伝説」についてお伝えしたい。


任天堂代表取締役社長の岩田聡氏今年は3DSに総力を傾ける年となる岩田氏は、コアとカジュアル両方のユーザーを視野にいれる新しい道を見つけると演説した



■ 25年目を迎えた「ゼルダの伝説」から新作が続々登場

任天堂の宮本茂氏
オープニングは、シンフォニーオーケストラが奏でるゼルダの名曲でスタート

 フルオーケストラと声楽隊が奏でる「ゼルダの伝説」のテーマソングとともにプレゼンテーションの幕が開くと、会場が大きな歓声で沸きあがった。スクリーンには、ファミコン版の初代ゼルダから始まって、「神々のトライフォース」、「時のオカリナ」から最新作「Skyward Sword」まで歴代ゼルダの映像が長い歴史をつづった。

 ゼルダの生みの親である、任天堂の宮本茂氏は「ゲームの進化とともにゼルダの音楽も進化してきた」と語り、オーケストラが再現するゼルダの効果音に合わせてポーズをとって見せた。

 会場で素敵な楽曲を聞かせてくれたオーケストラは、秋の日本講演を皮切りに世界をめぐるコンサートツアーを行なう予定で、オーケストラが演奏する楽曲をまとめたCDなど「ゼルダの伝説」25周年を記念した2枚のCDも発表される。

 「ゼルダの伝説」については3DS用の新作「(ゼルダの伝説 時のオカリナ3D)」が6月16日に発売されるが、今回のプレゼンテーションではそれ以外にも3つのコンテンツが発表された。1つは、「The Legend of Zelda : Link's Awakening(ゼルダの伝説 夢を見る島)」。3DS用のオンラインコンテンツとして「任天堂ゲームミュージックライブ」の代わりに7日正午から始まる新サービス「ニンテンドーeショップ」からダウンロードすることができる。こちらは有料コンテンツだが「ゼルダがどういうゲームなのかが良く分かります」と宮本氏。もう1つはDS wareとして9月から提供される「The Legend of Zelda : four swords(ゼルダの伝説 4つの剣)」。こちらは無料で配信される。

 また、Wii用に開発中の「The Legend of Zelda : Skyward Sword」はホリデーシーズンの発売で、同時に金色のボディにゼルダの紋章がプリントされた特別製のWiiリモコンが発売される。現在は開発が佳境に入っており、宮本氏も毎日リモコンを振り回しているそうだ。「実際に遊んでみないと分からないこともあるので、ぜひ遊んでみてください」と挨拶した。


【発表された「ゼルダの伝説」関連の情報】
「ニンテンドーeショップ」から配信される「The Legend of Zelda : Link's Awakening(ゼルダの伝説 夢を見る島)」同じく「ニンテンドーeショップ」から無料配信される「The Legend of Zelda : four swords(ゼルダの伝説 4つの剣)」今年のホリデーシーズンに発売するWii用「The Legend of Zelda : Skyward Sword」
オーケストラの演奏に合わせてポーズをとる宮本氏オーケストラの世界ツアーとともに日本ではクラブニンテンドーの会員の応募者全員にプレゼントされるゼルダサウンドトラック「The Legend of Zelda : Skyward Sword」とともに発売される紋章入りのWiiリモコン



■ 「スーパーマリオ」など定番が揃った豪華な3DS用ラインナップ

Nintendo of Americaの代表Reggie Fils-aime氏

挨拶に立った岩田聡氏は今年を「3DSマーケットへの新しい挑戦の年」だと語った。ゲーム人口の拡大にともなって、性別やパーソナリティの隔たりがプレイするゲームゲームの選択に与える影響は小さくなっているが、ユーザーのメンタルによる隔たりは尚大きく、現在出ている家庭用のゲーム機のなかで、コアゲーマーとカジュアルゲーマーの両方に受け入れられているものはまだない。

 ゲーム上級者と初心者の心理的なバリアを打ち砕く為には、より奥深く幅広くゲームの見方を変えて行く必要があると強調した。好みの違うユーザー全てにゲームを届けるために「Wii Uの登場は来年まで待っていただいて」と今年は3DSに全力で注力する決意を明らかにした。

確かに、3DSの現状のラインナップには、コアゲーマーからカジュアルゲーマーまで誰もが興味を持つ鉄板と呼べるようなタイトルがない。ゲーム機が大きくシェアを伸ばすには、ソフト力が欠かせないと考えれば現状では少々物足りない。そう考えると、Nintendo of Americaの代表Reggie Fils-aime氏が発表したラインナップはまさにキラータイトルと呼ぶにふさわしい大定番をそろえた必勝態勢と見ることができる。発売予定のリストを眺めるだけでも、任天堂が3DSに賭ける本気を見ることができる。

 Fils-aime氏は会場に向かって「あなたたちは良く知っているゲームをやりたいのですね、そして新しいゲームも欲しい。安心とサプライズを同時に欲しがるのですね」と語り、そんなみんなが満足するゲームを届けることはできるか? といって5本のファーストパーティータイトルと、サードパーティーのタイトルを紹介した。

 ラインナップは次の通りコアユーザー向けからカジュアルゲームまで豊富にそろっている。すでに発表されている「Kid Icarus:Uprising」については3対3のチーム対戦や、ARカードを使ったキャラクターバトルが紹介された。現在予定されているすべての発売予定については、下記にリストを掲載するので参考にして欲しい。

【Mario Kart(仮)】
任天堂の人気キャラクターがカートで競争する「マリオカート」の新作。車体のカスタマイズが可能で、ハングライダーを付けて空中を滑空したり、背後にスクリューを付けて水中を進んだりとステージに合わせた多彩なアクションが楽しめる。北米の発売は2011年のホリデーシーズンの予定
【STAR FOX 64 3D】
宇宙を舞台にした3Dシューティングの名作「スターフォックス」が今度は3D立体視のゲームになる。通信機能とカメラを使えば、一緒に遊んでいる友達の顔をリアルタイムに見ながらのプレイが可能。撃ち落とした時やミッション達成時の赤裸々は表情が楽しめる。北米では9月11日発売予定
【Super Mario(仮)】
3D立体視の奥行きを生かして、斜め見下ろし視点、真横からの視点、真上からの視点など様々な角度のステージがある。こちらも北米では2011年ホリデーシーズンに発売予定
【Kid Icarus:Uprising(光神話 パルテナの鏡)】
3DSのために開発された完全新規のタイトル。今回は3対3で行なう通信対戦や、ARカードを使ってキャラクターを戦わせる様子が紹介された。発売は2011年ホリデーシーズンの予定
【Luigi's Mansion 2(仮)】
ゲームキューブのローンチタイトルだった「ルイージマンション」の続編が、3DS用の完全新作として登場する。掃除機でオバケを吸い込むというフューチャーはそのままに、オバケを退治しながら隠された新しいエリアを見つけ出し、コインやお札を集めていく。発売は2012年の予定
【The Legend of Zelda : Ocarina of Time 3D】
日本では16日に発売され、北米では6月19日の発売を控えている「ゼルダの伝説」の3D立体視バージョン。新たに書き直されたグラフィックスや新要素で、一度プレイしたことがあるファンも新鮮な気持ちで冒険を楽しめる

【サードパーティーラインナップ】

・「Resident Evil:The Mercenaries 3D」(カプコン)
・「Mario & Sonic at the London 2012 Olympic Games」(セガ)
・「Ace Combat 3D」(ナムコバンダイゲームスアメリカ)
・「Tetris Online」(Tetris Online,Inc.)
・「Cave Story 3D」(NIS America)
・「Resident Evil:Revelation」(カプコン)
・「Driver Renegade」(Ubisoft)
・「PAC-MAN & GALAGA DIMER DEMENSIONS」(ナムコバンダイゲームスアメリカ)
・「TEKKEN 7」(ナムコバンダイゲームスアメリカ)
・「METAL GEAR SOLID SNAKE EATER 3D」(コナミデジタルエンターテインメント)


「FIFA Soccer 12」(Electronic Arts)「Heroes of Ruin」(スクウェアエニックス)「Resident Evil:The Mercenaries 3D」(カプコン)
「Mario & Sonic at the London 2012 Olympic Games」(セガ)「Ace Combat 3D」(ナムコバンダイゲームスアメリカ)「Tetris Online」(Tetris Online,Inc.)
「Cave Story 3D」(NIS America)「Resident Evil:Revelation」(カプコン)「Driver Renegade」(Ubisoft)
「PAC-MAN & GALAGA DIMER DEMENSIONS」(ナムコバンダイゲームスアメリカ)「TEKKEN 7」(ナムコバンダイゲームスアメリカ)「METAL GEAR SOLID SNAKE EATER 3D」(コナミデジタルエンターテインメント)
【北米で発売される3Dsタイトル一覧】

 また、上記に紹介した「ニンテンドーeショップ」では、任天堂のオールドゲームが遊べる「バーチャルコンソール」や、ダウンロード限定版のオリジナルコンテンツが遊べる。最新作のトレーラーをダウンロードして3Dで楽しむことも可能だ。3DS用にリニューアルした往年の名作「エキサイトバイク」を無料で提供することが発表されると歓声が沸いていた。

 他にも「POKEDEX3D(ポケモン立体図鑑BW)」というユーティリティが無料で提供される。これは「ポケモンブラック」と「ホワイト」のポケモンを集めて3Dのポケモン図鑑を作るというサービス。すれ違い通信や、友達との交換、特別なARデータを読み込むことで集めた3Dのポケモンを、好きな角度から眺めたり、カメラを使って一緒に写真を撮ったりすることができる。日本での配信は6月17日からの予定だ。


【ニンテンドーeショップ】
ファミコンやゲームボーイの名作をダウンロードして楽しめる。「エキサイトバイク」は無料で配信される
【POKEDEX3D】
ポケモンを集めて図鑑をコンプリートさせていくサービス。ARカードで集めたポケモンを立体表示させる予定もあるようだ

(c) 2011 Electronic Arts Inc. All Rights Reserved. All trademarks are the property of their respective owners. Official FIFA licensed product. "(c) The FIFA Brand OLP Logo is a copyright and trademark of FIFA. All rights reserved." Manufactured under license by Electronic Arts Inc.(c) 2011 Electronic Arts Inc. All Rights Reserved. All trademarks are the property of their respective owners. Official FIFA licensed product. "(c) The FIFA Brand OLP Logo is a copyright and trademark of FIFA. All rights reserved." Manufactured under license by Electronic Arts Inc.

(2011年 6月 8日)

[Reported by 石井聡]