任天堂、Wiiの後継機「Wii U」を発表

6.2inchディスプレイ搭載コントローラーでゲームの体験が変わる?(速報版)


6月8日(現地時間)



開演前には大きなスクリーンでクイズ大会。簡単な問題から難しいクイズまで様々な問題が用意されていたようだ

 任天堂株式会社は米ロサンゼルスで開催中の世界最大規模のゲーム展示会「E3 2011」の初日に開催された「Nintendo E3 Presentation」において、発表を告知していたWiiの後継機を発表した。

 冒頭、オーケストラがピットからせり上がってきて、これまでのゲームの映像をバックにゼルダの音楽を演奏。熱狂的なファンを多く持つ任天堂のプレゼンテーション会場は一気に熱気を帯びていった。そこで宮本茂氏が登場し、25周年にあわせゼルダ関連の話題を多数紹介。ゼルダの曲を演奏するコンサートが世界各地をツアーすると言った話題から、DSi wareでの「ゼルダの伝説 4つの剣」の配信を行なうと言ったことまで、まさに今年はゼルダづくしといった雰囲気だ。

 ここで登場した任天堂の岩田聡代表取締役社長は「あらゆる人を満足させるゲーム機を出すミッションはまだどこもなしえていない」と語り、その答がWii後継機にあるとしながらもここではもったいをつけて発表せず、ニンテンドー3DS用タイトル「マリオカート」、「スターフォックス 64 3D」、「スーパーマリオブラザース」、「Luigi's Mansion2」の発表を行なった。「Luigi's Mansion」はGameCube以来の新作と言うことで、会場も盛り上がっていた。

 ここでNintendo of Americaのレジー氏が登壇。「Wiiは我々のもの。それぞれの繋がりや関わり方。Youはあなたのもの……と語り、上映されたのがWiiの後継機「Wii U」のコントローラーの映像だった。HDをも表示可能な6,2インチ16:9のタッチスクリーンを搭載し、コアゲーマーをも取り込むべくボタンも用意されている。さらに2つのスライドパッドがついている。

 さらに、この充電式のコントローラーには電源ボタン、HOMEボタン、A/B/X/Yボタン、L/Rボタン、ZL/ZRボタンを搭載している。また、加速度計、ジャイロセンサー、振動機能、カメラ、マイク、スピーカー、センサー、タッチペンを備えている。

 本体はWiiのソフトと互換性があり、Wiiリモコン(もしくはWiiリモコンプラス)は最大4本まで同時に接続できる。また、ヌンチャクやクラシックコントローラ、クラシックコントローラPRO、バランスWiiボードといった周辺機器もとも互換性がある。IBM Powerを基にしたマルチコアプロセッサを採用し、映像出力は1080p、1080i、720p、480p、480iに対応。 HDMI、コンポーネント、D端子、S端子、コンポジットの各ケーブルに対応する。Wiiのソフトを遊ぶことも可能。発売は2012年を予定している。

 何より発表会で驚かされたのはその使用方法。テレビの画面が無くともゲームがプレイできるのはもちろんのこと、テレビ画面には3D映像が映っているが、手元のコントローラーにはマップなどが表示されており、有利に戦うことができる。コントローラーには手裏剣が映されており手の上に平らに置き手裏剣をテレビ画面に向かってはなったり、ジャイロセンサーなども搭載しているため、コントローラーを持ち天にかざして野球のフライを捕ったり……数多くの使用方法が提案され、開発者にとってそのアイディアは「つきることはない(岩田氏談)」といった内容となっている。

 今回の映像を見て感じたワクワク感は、東京ゲームショウの基調講演でWiiのコントローラーが発表された時とよく似ている。ゲームの感覚が変わるワクワク感がそこにあるように感じた。発表会ではすでに開発を表明しているタイトルの紹介も行なわれ、バンダイナムコゲームスの「Tekken」もその1つだ。また、ソラの桜井氏によれば「大乱闘スマッシュブラザーズ」をWii Uと3DSにリリースし、なにか連動させるといった企画も上がっているという。

 ちなみに、このコントローラーは携帯ゲーム機ではない。HD映像は本体にてレンダリングされ、それを無線を通じて遅延無くリアルタイムに配信しているのだという。

 このほかにもニンテンドー3DS用タイトルの発表や新サービスの紹介など、数々の発表が行なわれた。追って順次詳しくお伝えしていく。


冒頭オーケストラに、「ゼルダの伝説」において「宝物の箱を持ち上げた時の音」を演奏してもらい、それに合わせて箱を持ち上げる動作を行なった任天堂の宮本 茂氏。会場は大いに沸いた

(2011年 6月 8日)

[Reported by 船津稔]