アラリオ、三国志アクションMMORPG「蒼天」の日本版独占ライセンス契約を発表
200人規模の戦場で、アクション性溢れる集団戦闘が楽しめる

12月1日開催

アラリオ本社



200人規模の大規模対人戦で、アクション性の高い戦闘を楽しめる

 アラリオは、12月1日、恵比寿の本社で、韓国Wemade Entertainmentが開発したアクションMMORPG「蒼天」の日本版独占ライセンス契約を結んだ事を発表した。サービス開始時期は2010年春を予定し、ビジネスモデルはアイテム課金。

 「蒼天」は三国志の時代を舞台に、最大100対100の壮大な大規模戦争が楽しめるハードコアな歴史もので、ゲームパッドにも対応したアクション性の高いゲームデザインが特徴だ。韓国では2007年からサービスを行なっており、韓国でもっとも権威のあるゲーム賞である「大韓民国ゲーム最優秀賞」を受賞している。

 発表会には、アラリオ関係者と共に、開発元のWemade Entertainmentからも「蒼天」開発本部長のリュ・ギドク氏、「蒼天」開発マネージャーのキム・ジンウク氏が来日して、日本サービスに向けての豊富を語った。発表会で使われたスクリーンショットなどはすべて韓国バージョンのもので、残念ながら今回は日本向けにローカライズされた画面をみることはできなかった。まずは韓国版の画面からゲームの雰囲気を感じてもらいつつ、基本的なシステムについて解説していく。

 また、同日に開発マネージャーのキム・ジンウク氏へ詳しいゲーム内容についてインタビューを行なう事ができた。こちらは後日掲載する予定なので、楽しみにお待ちいただきたい。



■ 中原の覇者を目指す、正統派の三国志ゲーム

必要スペックはかなり低めなので、最近のPCであれば快適にプレイできそうだ

 「蒼天」は魏・呉・蜀に分かれたプレーヤーが、自分たちで侵攻先や戦争の開催を決めつつ、全国統一を目指すアクションMMORPG。韓国では2007年から、台湾やシンガポール、マレーシアでもすでにサービスが行なわれており、中国やベトナム、フィリピン、インドネシアでもサービスが予定されている。

 発表会は、アラリオ代表取締役副社長のイ・ホジン氏の挨拶から始まった。イ氏は「アラリオの新たな第一歩のための大切なタイトルです」と意気込みと共に挨拶した。アラリオは今まで「エースオンライン」や「クロスファイア」などの運営を行なってきたが、大々的に記者発表を行なうのは「蒼天」が初となる。そのあたりにもこの作品にかける思いの強さが伝わってくる。

 続いて、Wemade Entertainmentの「蒼天」開発本部長、リュ・ギドク氏が挨拶し、「私たちが精魂を込めて作り上げてきた『蒼天』を、日本市場にデビューさせることができて嬉しく思っています。私は日本のゲームで遊びながら育って、ゲーム開発者を志しました。だから日本へのサービスは大きな意味を持っています。日本でのサービスが成功するよう、アラリオと協力しながら最善の支援を行なっていきたいと思います」と語った。

 その後、スクリーンショットと共に、ゲームの概要紹介があり、最後に開発プロデューサーのキム・ジンウク氏がプレスからの質問に答えていた。以下に主なシステムについて紹介していく。


アラリオ代表取締役副社長のイ・ホジン氏Wemade Entertainment「蒼天」開発本部長のリュ・ギドク氏Wemade Entertainment「蒼天」開発プロデューサーのキム・ジンウク氏


■ 戦略や戦術はすべてプレーヤーの意思で決定される

戦争はプレーヤーの投票によって決められる
国盗り要素は、三国志ファンならぜひ欲しい要素だろう
司令官役のプレーヤーが全体の動きを指揮する

 本作の大きな特徴は、アクション性の高いゲームでありながら、多くの人間が参加したコミュニケーションの結果により、全国の統一に向けた各勢力の方針が決まるというタクティカル要素だ。戦争は国取りのために行なわれ、最終的には全土を支配する勢力が決まる。

 戦争を決定するのはプレーヤーの意思だ。毎日決まった時間に、ユーザー側から「ここを攻めたい」という提案を行なう事ができ、その提案に対して他のユーザーが投票を行なう。提案ができるのは「特定のレベルに達したプレーヤー」との事だが、条件を満たしさえすれば誰でも提案できるので、基本的にはすべてのプレーヤーに提案する権利がある事になる。戦争の時間は平日は夜のみだが、土日にはユーザーが任意で設定する事ができる。戦争の時間は、韓国では平日の6時から投票が始まって、1時間後に結果が決定され、その30分後に戦争が始まる。戦争は最長4時間で、1つのエリアでの戦争は30分~1時間くらいが平均だそうだ。

 1つの戦場に参加できるのは、1勢力最大100人で、合計200人。投票の行方によっては、1日にいくつもの戦争が起きることもある。戦争は都市単位で行なわれ、「フィールド戦」→「城外戦」→「城内戦」の順番に進んでいく。それぞれの戦場には勝利のための条件があり、その条件を満たせば次の戦場に進める。「城内戦」に勝利すれば、その都市を奪うことができる。すべての都市を奪った勢力が国を統一する事になる。統一にかかる期間については、現在調整中との事だ。

 戦争では指揮官がいて、戦場の味方プレーヤー全体にメッセージを送る事ができる。またシステムメッセージでも、どこに敵がいるのか表示されるので、プレーヤーはそれらの情報を元に組織だった動きで戦術を組み立てていく必要がある。

 ユーザーがすべてを決めるだけに、戦争を嫌がる人が多い場合まったく発生しなくなる心配があるのでは、という質問に対しては、開発プロデューサーのキム氏が「戦争に参加する事で功績がたまり、官職が上がり、いいアイテムがもらえるようになります。ユーザーさんは強くなりたいという気持ちがあるので、どんどん戦争が起こっていくのではないかと思います」と答えていた。

 また、1つの勢力に人数が偏り過ぎないようにする方法についても、運営サイドが誘導する事によって人数バランスをとれるよう協議を行なっている所だそうだ。


プレーヤーによる「政策提案」(左)と「投票」(右)によって侵攻先が決定する
国盗りは全体マップ上で行なわれていく。右は戦場のミニマップ



■ ノンターゲッティングシステムによる、白熱したアクション

武器は刀や両手剣など12種類から選べる
ゲームパッドのキーコンフィグ画面。かなり細かい設定が可能だ

 本作は、開発の初期段階からゲームパッドの使用を想定した作りになっていて、非常に直感的な操作が可能になっている。攻撃はノンターゲットで行なわれ、攻撃を行なうと範囲内にいるすべての敵に攻撃が当たる。攻撃の種類は「基本体術」という通常攻撃、スキルを使った攻撃に加え、奥義も存在するらしい。

 面白いのは、スキル1つ1つにコマンドが設定されている事だ。キーボードなら「Del」ボタンと「End」ボタンを同時に押す、ゲームパッドなら2つのボタンを同時に押すといった感じで、対戦格闘ゲームを彷彿とするコマンド入力が要求される。

 クラスは、詳細は明らかになっていないが全部で4種類あり、パワークラスやスピードクラスなどそれぞれ特徴を持っているらしい。4種類のクラスは、すべてスキルのコマンドが違うので、クラスごとに戦い方を覚えなければならない。武器は刀や剣など数種類があり、中には遠距離から攻撃ができる弓もあるらしい。リアル志向なので、魔法や術のようなものは存在しない。

 プレーヤーキャラクターのステータスはツリーになっていて、どのツリーを育てていくかによって、同じクラスでもパワー型やスピード型にカスタマイズしていく事が可能だ。また、すべてのプレーヤーが使える「楽器」という要素がある。楽器は演奏する事でステータスを強化したり、回復したりといった支援を行なう事ができる。


キャラクター選択画面スキル画面。右側にはコマンドの操作法が表示されている
スキルの設定画面。スキルは街で覚える事ができるステータスはツリーになっており、どのステータスを伸ばすかでキャラクターの特性が変化する


短距離用や、長距離用など、様々な武器が使用できる



■ 所属した国の武将と共に冒険を行なうクエストモード

 戦争以外でメインコンテンツになりそうなのが、個人やパーティーでクエストを行なう「クエストモード」だ。クエストモードではキャラクターの成長だけでなく、生産の材料を集めたり、自分が所属している勢力の英雄と共に冒険を楽しむことができる。登場人物は豊富で、劉備、関羽、張飛、曹操、孫権、夏候惇、筍彧、周瑜、小喬ら、三国志の有名な英雄が多数登場する豊富なクエストが用意されているそうだ。

 もちろんシナリオクエスト以外にも、お使いや潜入、敵の殲滅など様々なクエストが存在している。これらのクエストをこなしているだけで、初心者でもすぐに戦争に参加できるレベルに到達する事ができる。戦争では低いレベルのプレーヤーでも遊べるように、様々な役割が設定されているとの事だ。


シナリオクエストでは、自国の英雄と共に三国志の名場面を体験できる



■ クエストで集めた材料で生産したり、武器を強化したりといった生産要素も豊富

都市にはMMORPGに必要な施設が集まっている

 都市はコミュニティーの基本となる場所だ。各都市には、ショップやオークション、クエストをくれる官人などMMORPGに必要とされる施設が一通り揃っている。また英雄達の家もある。都市間の移動は全体マップを使って行なう。一定のレベルに達していれば、馬で移動する事もできるようになる。

 戦争がない時には、クエストをこなしたり、クエストで集めた材料で武器を生産したりする事になるだろう。生産やドロップで獲得した武器は、強化する事で性能を向上させる事ができる。武器の強さやレベルが戦闘のすべてではないが、プレーヤースキルと並んで勝利の鍵を握る重要な要素だ。戦争が苦手なら、クエストをメインにして武器商人のようなプレイも可能だ。

武器のエンチャント画面防具のエンチャント画面
オークション画面材料専門の市場「材料取引所」の画面



■ サービススケジュールは公式ホームページオープン後に判明

 G-StarではWemadeから「蒼天」の続編「蒼天2」が発表された。「蒼天2」は、「蒼天」とは打って変わってファンタジー色の強いMMORPGだが、今回発表されたこの「蒼天」はファンタジー要素が一切存在しない、歴史好き向けの正統派三国志ゲームだ。

 気になる日本でのサービススケジュールは、2010年春を予定。本日オープンしたばかりのホームページが12月14日に正式稼動し始めるのと同時に、なんらかの情報が出るようだ。ホームページには現在カウンターが設置されていて、カウントダウンが行なわれている。会員登録は可能で、事前登録しておくと何らかの特典が与えられるようだ。

 既存の三国志ものとは別軸の展開で、マニアックなファンを獲得したいとの事で、タレントを使ったプロモーションなども予定しているという。詳細はすべてホームページのオープンを待って欲しいとの事なので、カウントダウンを眺めつつ少しの間我慢が必要そうだ。


Copyright (c)Arario Co All Rights Reserved.
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(2009年 12月 1日)

[Reported by 石井聡]