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「World of Tanks Console」、年内最後のプレーヤーギャザリングイベントを開催

勝ち抜き戦による5対5のガチ対戦祭り。「ガルパン」新コラボはどうなる!?

12月16日開催

会場:ウォーゲーミングジャパンセミナールーム

 ウォーゲーミングジャパンは12月16日、「World of Tanks Console(WoTC)」のオフラインイベント「World of Tanks Player Gathering 2017 in Tokyo」を東京オフィスセミナールームにおいて開催した。年内最後の公式イベントとなった本ギャザリングイベントには、事前応募した30名のユーザーが集まり、ユニークなルールを採用したエキシビションマッチや勝ち抜き戦による対戦を楽しんだ。

ウォーゲーミングジャパンのセミナールームがユーザーイベント会場となった

 PC版「World of Tanks」や「World of Tanks Blitz」と比較して、何かと影が薄い「World of Tanks Console」だが、その想いは日本の運営チーム自身も痛感しているようで、あえて今回は「WoTC」限定のオフラインイベントとなった。「WoTC」のオフラインイベントは、パブリッシングプロデューサーの斎藤智弘氏が就任してから、6月に続いて2度目で、「WoTC」ファンばかりが詰めかけていた。

 ただ、スキルレベルは、今年9月東京ゲームショウで決勝戦が行なわれた「WoTC」の公式大会「Japan Arena 2017」で優勝した「TOG CAT」メンバーから、「楽しそうだったのでとりあえず応募してみました」という始めてまだ2カ月というビギナーさんまで、実に様々だった。

 既存のコミュニティ単位でチームを組んでしまうと、「TOG CAT」チームが全戦全勝してしまうため、あらかじめウォーゲーミングスタッフが5チームに1人ずつ「TOG CAT」メンバーを分散させ、バランス重視の再編成を行なった。これにより、どのチームにも明確な指揮系統が生まれ、実力伯仲した熱戦が繰り広げられた。

 本イベントは、ウォーゲーミングジャパンの他のオフラインイベントとは異なり、プロ選手やコミュニティリーダーによる解説コーナーやワークショップなどは設けられず、ひたすら5チームが代わる代わる対戦を行なうという珍しいスタイルで、オフラインでのチーム戦の魅力を存分に味わうことができた。

 対戦スタイルは5対5で、Tier VI、Tier VIIIの2種類。このほかユニークなルールを採用したエキシビションマッチも行なわれた。イベント開幕直後に前座として行なわれたのは、「戦車かくれんぼ」。2輌のTier X戦車が“鬼”となり、10輌のTier IV戦車が鬼から逃げるという設定で、10分間の制限時間内にTier IV戦車をすべて撃破できればTier Xチームの勝ち、1輌でも逃げ切れればTier IVチームの勝ちというルール。マップはゴーストタウン。

 Tier XはMausとE 50 Ausf.Mで、足の遅いMausを選んだことからかなり厳しい戦いになることが予想されたが、果たしてその通りとなった。しびれを切らして近づいてしまったり、圧力を受けて崖から落ちたTier IV戦車が何輌か犠牲になった程度で、Tier IVチームが余裕の逃げ切り勝ちを決めた。個人的には実装されたばかりのTier X軽戦車2輌ならおもしろい戦いになったのではないかと思う。

【戦車かくれんぼ】
Tier X 2輌対Tier IV 10輌の戦いとなった戦車かくれんぼ。果敢に攻め込むTier IVもいたが1ダメージも与えることができなかった

 もうひとつのエキシビションマッチは、中休みに行なわれた「Lakeville Circuit」。マップ中央に大きな湖がある「湖の村」をサーキットに見立てて、1位を競うというルール。レーシングカーは、史上最速の80km出てしまう「WoTC」限定のプレミアム車輌Cromwell Snakebite。細かいバンプを拾ってしまう「WoTC」では、全力で走るだけで制動しきれなくなってしまうぐらい速い車輌だが、普通に走るだけでは盛り上がりに欠けると判断され、運営チームのWest_jp氏が走行車両を無作為に自走砲で狙うというルールが付け加えられ、自走砲の榴弾を避けながら2周することに。

 マップ中央の湖と山に挟まれた細い道路で、何輌かが操作を誤って湖に沈み、交通渋滞するところをWest_jp氏の榴弾に狙われるなど、実に半数近くが脱落する大荒れの展開となった。いずれも過去のPC版のユーザーイベントで採用されたエキシビションだが、自宅では楽しめない独自ルールにかなり盛り上がっていた。

【Lakeville Circuit】
対戦ではなくレースとなった「Lakeville Circuit」
自走砲で狙うWest_jp氏
別室ではPS4 Proを4K/HDRで楽しむことができた

 メインイベントとなるTier VI、Tier VIII戦では、勝ち抜きルールが採用された。勝利したチームはそのまま次も戦い、2連勝すると3戦目はペナルティありとなり、その3戦目も勝利するとご褒美が貰えるというもの。ご褒美ありということで、どのチームもエキシビションマッチとは打って変わって作戦会議に力が入っていたが、2勝するチームはたびたび現われたものの、3戦目はどのチームもいずれも破れ、3勝したチームは最後まで現われなかった。West_jp氏は「事前のチーム編成が奏功したおかげ」と自慢げだったが、確かに絶妙なマッチングだったと言える。

【Tier VI戦】
鉱山で行なわれたTier VI戦では、比較的自由な編成で、思い思いの車輌で戦いに挑んでいた。TOG II、KV-2、O-Iあたりが定番で、ARL 44というタイムリーな車輌も増えていた。Guild_Mattya選手はSU-100Yという500ダメージを出すワンパン駆逐戦車で会場を盛り上げていた

【Tier VIII戦】
休憩を挟んで行なわれたTier VIII戦は、「WoTC」限定マップ「ベルリン」での戦いに。狭くなったヒメルズドルフのような市街戦マップで、まだ実装されたばかりでタクティクスが確立されていない。IS-3や、VK 100.01P、AMX 50 100といった重量級の編成で、東側で遠距離から撃ち合う展開が多かった。全チームとも慣れてきて声を出し合いながら戦い、かなりハイレベルな対戦が繰り広げられた

Guild_Mattya選手は様々な車輌を使っていたが、T37での鮮やかな戦いぶりもっとも参考になった
司会進行役を務めたウォーゲーミングジャパンのDai_jp氏(右)と、West_jp氏(左)
挨拶を行なう「WoTC」パブリッシングプロデューサーの斎藤智弘氏
2回目の開催となるJUCC。詳細は公式サイト

 余談だが、今回筆者は、半分取材、半分自分のスキルを磨く目的で勉強のために参加した。「TOG CAT」のリーダーであるGuild_Mattya選手をはじめ、国内トッププレーヤーの後ろに張り付いて、彼らの戦い方をこっそり観戦し、彼らのスキルを学ぼうと思ったのだ。

 今回の対戦では、WGが用意したスペシャルアカウントが使用され、搭乗員の全スキル習得済み、課金弾使い放題、乗員能力向上アイテムありというブーストされた状態で戦っていたが、それらの点を差し引いても、非常に勉強になる点が多かった。戦闘時の位置取り、マップオブジェクトの活用法、次弾装弾時の立ち回り方、照準収束の待ち方、敵発見時の初弾の撃ち方、ラジオコマンドの使い方など、チュートリアルやオンライン配信などではわからないようなところまで学習できた。

 こうした密着観戦は、eスポーツ大会や、入場自由のファンイベントなどでは難しく、30人規模のプレーヤーギャザリングイベントならではの醍醐味で、イベントの最後にWest_jp氏がイベントの満足度を尋ねると、全員が満足したと回答していた。斎藤氏によれば、こうしたイベントを定期的に開催するために、16台のPS4とモニター、1台のPS4 Proと4K/HDRモニターを購入したということで、時期未定ながらまた開催したいという。今回参加できなかった方もぜひ次回こそは参加してみてはいかがだろうか。

 また、斎藤氏はユーザー向けの告知として、PS4版の世界大会に日本から参加できなかったことを謝罪。理由は「景表法に触れる恐れがあるため」ということで、この問題は自社単独では解決が難しいため、2018年に統合されるeスポーツの新団体とCESAによる業界全体での働きかけに期待しているということだった。

 また、ウォーゲーミングジャパン公認のユーザー大会Japan User Console Cup(JUCC)が復活開催される。日程は3月10日20時~予選、3月11日20時~本戦で、Tier VI、Tier VIIIの2部門で開催され、7対7のチーム戦。プロへの登竜門ではなく、あくまでプレーヤーコミュニティの活性化や、モチベーションの向上を目的としたもので、ソロやデュオでの参戦も可能なところが大きな特徴となっている。

 ウォーゲーミングジャパン公認大会ということで、上位3位までに入賞すると、ウォーゲーミングジャパンより大量のシルバーやプレミアムアカウント、Tier VIプレミアム車輌T-34-88などのレア車輌が贈られるなど豪華賞品も魅力。本日12月17日には体験会も実施され、アジアサーバーのチームトレーニングモードでルーム「JUCC」を作成して、大会と同じルールで、Tier VIとTier VIII戦を交互に行なうという。時間は14時~17時、21時~23時の2回。大会やチーム戦に興味のある方は参加してみてはいかがだろうか?

【【WoT/PS4】ユーザー主催大会JUCC開催決定!】

オフィスに1台だけあるという「ガルパン」コラボPS4。「ガルパン」コラボはあるのだろうか?
来場者に振る舞われたクリスピー・クリームのクリスマス仕様ドーナツ。美味しかった……

 そして今回司会進行を務めたDai_jp氏からは、自身が出演する「Wargaming On Air」に関する告知が行なわれた。配信内容そのものは、PC版「World of Tanks」や「World of Warships」がメインながら、年内最後の3時間スペシャルということで、視聴者プレゼントが豪華であることをこっそり教えてくれた。放送は12月21日19時からということで、ウォーゲーミングファンがチェックしておきたいところだ。

 斎藤氏には、イベント終了後に「WoTC」についていくつか聞きたかった質問をぶつけてみた。1つは「ガールズ&パンツァー最終章」とのコラボレーションについて。日本を含むAPACとしては無茶苦茶やりたいし、実際動いているのも事実だが、「ガルパン」ブームとは無縁な、キプロス本社やアメリカの開発チームとの温度差がまだあるのも事実ということで、社内的な働きかけを継続しコラボ実現に結びつけていきたいという。Wargaming.netは、伝統的にユーザーの意見の影響が非常に強いメーカーであるため、「ガルパン」コラボを希望するユーザーは、要望を出してみてはいかがだろうか?

 もう1つはアジアサーバー継続の是非だ。PS4版にはアジアサーバーが設置されているが、日本のコアタイムや週末でも、なかなか30人マッチングが成立しなかったり、マッチングに時間が掛かったりする。このため、コアなユーザーはNAやEUサーバーに流れてしまい、ますます過疎化が進んでしまっているのが現状だ。斎藤氏は、その問題はAPACでも認識しており、アジアサーバーの流入を増やすためのAPAC独自の施策を打てないかどうか、それが難しいのであればNAやEUサーバーへの統合も視野に入れていくとしている。

 PC版やモバイル版とはまた違った魅力を備えている「WoTC」。PC版やモバイル版共々、引き続き盛り上げていって欲しいところだ。