コーエーテクモゲームス、ガストブランドタイトル「よるのないくに２ ～新月の花嫁～」発売日前日に

　コーエーテクモゲームスは、プレイステーション4/PS Vita/ニンテンドースイッチ用美少女従魔RPG「よるのないくに２ ～新月の花嫁～」の発表会生放送を8月30日に開催した。発表会はニコニコ生放送やYouTubeなどで生配信されたが、その模様と声優さんへのインタビューを紹介する。

発売日を翌日に控え、未公表だった資料なども公開された発表会

代表取締役の鯉沼氏だが、自身が思う美少女は？　と千本木さんに聞かれ、あたふたしつつ「優しい子」と答えてステージを後にした

　発表会のステージには、司会進行役として本作の主人公アルーシェの声を演じる千本木彩花さん、プロデューサーの菊池啓介氏、そしてコーエーテクモゲームスの代表取締役社長である鯉沼久史氏が最初に登壇。まずは鯉沼氏より、発売日が大幅に延びてしまったものの中途半端なものは出さないという信念の元にプロデューサーに頑張ってもらったので、ぜひ発売を楽しみにしてほしいとのコメントが出された。

　千本木さんと菊池氏、2人のステージとなったところで、改めて「よるのないくに2」のゲーム説明が行われた。本作のキャッチが「美少女と美少女と美少女が惹かれあうRPG」ということ、主人公のアルーシェはリリィと呼ばれる美少女ヒロインと共に戦うことなどが語られた。ここで、本作のキャラクターデザインを務めたイラストレータの四々九氏がステージに招かれ、メインイラストについて語ってくれた。

　初期段階のイラストはシナリオのプロットから受けた印象で描いたもので、夜を象徴した闇の色、血のイメージの赤、幻や夢というイメージの白という3色を中心に構成したとのこと。システムが固まってから“リリィ大集合”という依頼を受けて描いたイラストについては「描くキャラが8人と多く非常にキツいオーダーでしたが、みんながアルーシェを狙っていることをプレーヤーに想起させたかった。背景は、夜明けなのか夜なのかをわざと曖昧にした」とコメントしてくれた。

ゲームの簡単なシステムのほか、ゲームの“ここを見てほしい”という部分も合わせて紹介された

本作のキャラクターデザインを務めた、イラストレータの四々九氏

メインイラストは、左がプロジェクト初期段階に描いたバージョンで、右がプロジェクト後期段階で描いたもの

　続いて、四々九氏がキャラクターをデザインする際に描いたスケッチが披露された。アルーシェとリリアーナの初期デザインイラストだが、片鱗が見られないほど変わっているのがわかる。これについて四々九氏は、アルーシェとルーエンハイドとリリアーナは3人で並ぶことが多いので、意識してカラーリングやプロポーションなどを決めたとのこと。没デザインの中から他のキャラクターに転用し練り直したりもしているそうで、キャラクターデザインでの苦労がうかがえる。最初に提出されたアルーシェのデザインは3番で、アルーシェが青、ルーエンハイドが白、リリアーナが黒だったと菊池氏。キャラクターが決定するまで、四々九氏は「零」シリーズや「影牢」シリーズのディレクターで、本作ではストーリーを担当している柴田誠氏と毎夜「どうしたら美少女を作れるのか？」とやりとりしていたと吐露した。

　次に表示されたのは、“こだわり美少女ポイント”と題した、アルーシェとリリアーナ、ルーエンハイドの水着イラスト。3人が描かれているのはプレミアムボックスに使われている絵柄だが、水着なのはゲームシステムで水着が必要になったから、とのこと。さらに、アルーシェとリリアーナの水着は組織からの支給品であり、儀式着と呼ぶのが正しいそうだ。ただ、最初は水着でバトルすることは考えていなかったので、後にそうなって驚いたとも。その理由について菊池氏は「発売を延期してしまったので、その代わりとして更衣室を作り、そこで衣装を着替えられるようにしたので水着でも戦えます」と説明してくれた。

　もう1枚のイラストに関しては、前作から引き継がれている儀式のシーンで、薄いビニールのようなもので全身を覆っている設定になっていると四々九氏。これは柴田氏から四々九氏に強烈なオーダーがあったそうで、当初はもっと露出が多かったとか。そんなイラストについて菊池氏が詳しく説明しようとすると、どうやらネタバレに触れてしまったのか千本木さんからストップがかかってしまい、コーナーが強制終了となってしまった(笑)。

キャラクターに関しては、四々九氏、菊池氏、そして開発スタッフの方と色々話していたものの、意見が割れることが多かったそうだ

千本木さんはイラストを見て「この水着のアイデアがどこから出てきたのか気になりますね！」と、鋭いツッコミを入れていたのが印象的だった

リハーサルでは成功したものの、生放送でイベントバトルのクリアはなるか!?

千本木さんの隣から、古木のぞみさん、山村響さん、富田美憂さん。女性4人が並んだのを見て菊池さんが「声優さんも美少女を取り揃えたので、まさにこのゲームのコンセプトをリアルに再現」と発言し、ステージ上は一気にヒートアップ!?

　ここからは、数多く登場するリリィから3キャラクターを担当する声優さんを招き、それぞれの担当キャラクターのイベントシーンを見ていくことに。出演したのは、ミュベール役の古木のぞみさん、カミラ役の山村響さん、ヴェルーシュカ役の富田美憂さんの3人。

　ここでは初公開となる、各リリィごとに用意されたリリィイベントが、主人公との親密度が上がるに連れてどのように変わっていくのかが披露された。取り上げられたキャラクターは、参加している声優さんがそれぞれ担当しているカミラ、ヴェルーシュカ、ミュベールの3人。カミラであれば親密度が上がると頬を赤く染めたり、つれないヴェルーシュカは親密度の上昇と共に徐々に感情を持っていく、ミュベールはそれまで以上に仲が良くなっていくなど、それぞれ分かりやすい形で説明された。

アルーシェとカミラのリリィイベントでは、声優さんたちがこぞって「大きい！　アルーシェも大きいけれど、その比じゃない！」と叫ぶなど、思った以上に興奮(笑)。何が大きいのかは……

リリィイベントを見た後に感想を求められた3人は、それぞれ述べつつも身振り手振りを交えて担当キャラを猛プッシュし、出演者一同大笑いしていた

　最後は、実機でのプレイがお披露目された。まずは、本当に水着姿でも遊べることを見せたいということで、更衣室で水着に着替えるシーンが映し出され、各種コスチュームがあることを解説。主人公のアルーシェに用意されているのは、コラボレーション衣装として「フィリスのアトリエ」の“不思議な旅の錬金術士”コスチューム、「ブルーリフレクション」の“青き響きの学生服”コスチューム、そして先ほど公開された水着と、スカーレットボーダーと呼ばれる健康的な水着。カミラ、ヴェルーシュカ、ミュベールも水着に着替えさせたのだが、そのたびに出演者からは「大人の色気！」、「この水着のデザイン、どうなってるの!?」といった叫び声が飛び出し、今まで以上にテンションもアップ！

菊池さんが更衣室のシーンを映し出すと、すかさず出演している声優さんたちから「更衣室なんて覗いていいんですか？」「ダメだよー！」というツッコミが入ったものの、それを華麗にスルーして次々と着せ替えを披露していった

初戦は負けてしまったものの、2戦目では主人公のHPが残り僅かのところで倒すことに成功！　本人はもちろん、スタジオ内も大喜びだった

　水着でのプレイ準備が整ったところで担当プレーヤーの富田さんにコントローラーが渡され、イベントバトルのクリアを目指すことに。しかし、登場した敵は思った以上に強く、残念ながら善戦むなしく敗れてしまう。ステージの雰囲気が重くなる中、このまま引き下がるわけにはいかない！　ということで再戦をスタッフに打診し、ラストチャンスをゲット。ところが、2度目のバトルでも早々にピンチに陥ってしまう。今度もダメか……と思ったところで起死回生の一撃が相手に決まり、見事に勝利！　会場からは、歓声と共に大きな拍手も巻き起こった。

これが、特製の発売記念ケーキ。四々九氏の描き下ろしイラストを元に作られたので、世界に1つしか無い貴重な食べ物だ

　ここで「よるのないくに2」が明日発売となることを記念して、四々九氏の描き下ろしイラストを元に特別に作ってもらったというケーキが会場に到着した。表面に描かれたイラストの再現度も非常に高く一同が驚いていると、千本木さんから「これを食べる時には美少女のセリフを言わないといけないんですよねー！」という思わぬ宣言が。すると、4人揃って菊池さんに言わせようとする、思わぬ無茶振りイベントが発生(笑)。最初はごねていた菊池さんだが、4人からの猛攻撃に折れてセリフを言う(言わされた？)ものの、千本木さんから「美少女じゃないのでケーキはお預け」と可哀想な宣告を受け、1人ションボリとする場面も。

　こうして、数々のユニークな場面を残した発表会も、大盛り上がりのうちに終了となった。

発売日には発売抽選会が行われるほか、ダウンロードコンテンツとしてサイドストーリー“お菓子の国のエトランゼ”“蒼い月夜に刻は彷徨う”を用意。また、ソーシャルゲーム「アトリエクエストボード」とのコラボキャンペーン開催も告知された

「よるのないくに２」生放送発表会に参加した4人の声優さんへの、一問一答インタビュー！

――担当キャラクターを見た時にはどう思いましたか？　また、演技する際に意識したことや、注意した点があれば教えてください。

千本木さん：　絵が凄く可愛いなと思ったのが一番と、いろんなところが出てる(笑)という印象が強かったです。アルーシェは、演じてみると男の子っぽいというか、みんなのことを守ってあげるよ、というところが強いので、そこは意識しました。“ラノベの主人公的な立ち位置なので、さらっとイケメンに”という注文に、頑張って応えました。

古木さん：　絵を見た時は可愛らしいなと思ったのと同時に“この部分”が羽根で隠れているんですね(笑)、という面白さがありました。アフレコの時には“私史上”、もっとも低い音を使ったと思います。ミュベールは上司のような立ち位置なので、そういう所を意識して演じました。

山村さん：　見た瞬間、とっても綺麗なイラストだなと思い、カミラさんからはクールな印象を受けました。本人はシュッとしているのに衣装は凝っているし、メガネも変わったデザインで所々カッコイイ小物をあしらっていたり、アンティークさの香る感じで全身とても素敵で、何がとは言いませんが“とても大きいな”とも思いました(笑)。演じる際には、最初はビジュアルから伝わるイメージでクールに役作りをしていたんですが、アルーシェとのストーリーが深まっていくにつれ、彼女を見守りつつ導いてあげるキャラクターという面も出していく必要があるので、クールな中に温かさ・柔らかさを少しずつ、出し過ぎないように出す、と言うことに気をつけました。

富田さん：　イラストを見た時は、細かくて綺麗な絵だなと思いました。その中でもヴェルーシュカは、見た目は可愛らしい感じなんですがギラッとした冷たい目をしていたり、無というか感情が乏しい。台本でも句読点が多かったので、それを反映してロボットのようなしゃべり方もしました。物語が進むにつれて徐々に人間味を出していくので、その部分を上手に表現するよう演じていました。

――本作を待っているファンの方に一言お願いします。

千本木さん：　やっと皆様にお届けできます！　ストーリーもバトルも見応えのあるものになっていますし、やることもたくさんあります。しかも、美少女と美少女が惹かれあうならわかるんですが“美少女と美少女と美少女が惹かれあう”と一つ多いので、その辺をみなさんの目で見てもらえればと思います。ぜひ楽しんでください。

古木さん：たくさんの可愛らしい美少女が出てきて、大変な美少女祭りになっています。ゲームも少しだけ遊びましたが楽しかったので、私よりも上手な皆さんは更に楽しめると思います。主人公の周りにいるセルヴァンも可愛らしいですし、女の子同士で仲良くしていくと良い感じになるという事なので、そのあたりも楽しみにしていただければと思います。ぜひ何度もプレイしてみてください。

山村さん：　満を持しての発売ということで、とっても嬉しい気持ちで一杯です。最初に話を伺った時に耳にした「よるのないくに」という名前は、それだけでとても惹かれるタイトルだと思いました。世界観が凄く素敵でストーリーも深く、バトルシーンも見応え・やり応えがあります。たくさん登場する美少女たちをさらに美しく引き立ててくれる、白い百合も印象的でした。やり込み要素も数多く収録した内容になっていますし、購入すれば末永く遊んでもらえる作品だと思いますので、ぜひ「よるのないくに2」を隅々まで楽しんでください。

富田さん：　各キャラ共に、親密度を上げると進められるストーリーも盛りだくさんで、バトルシーンも豪華な仕様になっています。その辺を楽しみにしつつ、たくさんやり込んでいただきたいなと思います。ヴェルーシュカとしては、どうアルーシェたちと関わっていくのか？　どんな感じで人間味を帯びていくのか？　そんなところをプレイしつつ楽しんでください。たくさん遊んでいただけたら嬉しいです。