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「ハースストーン」、1,000名の頂点は台湾のPinpingho選手に決定

「Hearthstone Championship Tour Japan Major」オフライン決勝戦、決着!

5月14日 開催

トーナメント表。最後まで勝ち残ったのはTansoku選手とPinpingho選手

 Blizzard Entertainmentは、Android/iOS/PC用オンライン戦略カードゲーム「ハースストーン」の大会「Hearthstone Championship Tour Japan Major」のオフライン決勝戦を5月14日に開催した。優勝は台湾のPinpingho選手に決定した。

 「Hearthstone Championship Tour Japan Major」オフライン決勝戦は、日本で行なわれる「ハースストーン」初の大規模大会で、決戦の地は東京の、東京テレビセンター。世界各国より集まった総勢約1,000名の選手の中から、オンラインの予選を勝ち抜いた8名により行なわれた。

 最後に残ったのは台湾のPinpingho選手と、日本のtansoku選手の2人。決勝戦のルールは7戦4本先取、コンクエスト・1BAN(5ヒーロー制)で行なわれた。スコアは3:3のフルカウントまでもつれ込み、激戦の果て、Pinpingho選手が最終ラウンドを制し勝利を手にした。

 決勝戦は初戦から一進一退の熱い攻防が繰り広げられた。第1試合、第2試合とtansoku選手はメイジをピックしていた。シャーマン相手の第1試合は、スペルの使用によって成長していく「マナワーム」2体や「パイロス」を展開したが、「退化」と「メイルシュトロームのポータル」のコンボで除去されて出鼻をくじかれたうえ、「ガーディアン・メディヴ」でせっかく手にした武器を即「ハリソン・ジョーンズ」で除去されるなど、メイジの強みが発揮できず敗北。

 しかし第2試合では全く逆の展開となり、2体の「マナワーム」を育てて序盤に有利な展開にもちこみ、後半には「ガーディアン・メディヴ」を生かしつつ「ファイアーボール」によるバーストダメージでHPを削り切るなど、実にメイジらしい展開で見事勝利をつかんだ。

 1:1で迎えた第3試合では、banを免れたPinpingho選手のクエストローグがドルイド相手に火力と展開力で圧倒的な強さを見せつけた。かと思えば、続く第4試合ではtansoku氏がドルイドで「翡翠のゴーレム」を12/12まで育て上げ、パラディンを蹂躙してリベンジを果たすなど、ヒーローの強みを生かした見ごたえのある試合が展開された。

 その後もTansoku選手がパラディンで1勝して3:2と先行し、次で勝負は決まってしまうかと思われたが、Pinpingho選手もメイジで盤面を完全に抑えて勝利を納める。

 そして3:3で迎えた最終試合。Tansoku選手は、展開中にスペルでダメージを与えると、それと同量ヒーローを回復するという「超越者ハラジール」をデッキに組み込んだ今のメタからすると少し珍しいシャーマンで、Pinpingho選手はパラディンを使用。お互い盤面の支配を譲らず、拮抗した試合が続いた。

 ゲームは進みTansoku選手のHP9に対してPinpinho選手はHP6まで追いつめられる。ここでTansoku選手は「超越者ハラジール」を展開しながら「干満の大波」、と「ジンユーの水話士」をプレイすることで、HP23まで回復し、さらにPinpingho選手のHPは3となる。しかしここでPinpingho選手は消費したマナの2倍回復する「禁じられし癒し」をドロー。マナ10を消費してHPは23となる。

 長期戦となりお互い山札切れも見えてくる中、Pinpingho選手は「光の王ラグナロス」をプレイし、HPは全回復。盤面的にも有利な状況に。かと思えばTansoku選手は「白眼」をプレイし、ローコストで強力な「嵐の守護神」をデッキに埋め、すぐに引き込んでくる。続けて「嵐の守護神」を展開しつつ、「火山噴火」をプレイ。運のいいことに「嵐の王」をほぼ無傷で残しつつ盤面の支配を得ることに成功するが、ここで山札切れ。

 ここからはお互い残った大型ミニオンとヒールが飛び交う全力の殴り合いが続いたが、勝負を決めたのはPinpingho選手の、死亡した断末魔を持つミニオンを召喚する「頽廃させしものン=ゾス」のプレイだった。ここで非常に高い攻撃力を持つ「魔獣」を含む大量のミニオンが復活し、山札切れのダメージと相まってTansoku選手に打開策はなくなり、Pinpingho選手の勝利となった。

 大会中のベストバウトは文句なしにこの決勝第7試合だ。互いの技術と知識の全てをぶつけ合い、そしてきっと少しの運が勝利を分けたこの試合は、逆転に次ぐ逆転で手に汗握る、本当に白熱した試合であった。スポーツ観戦となんら変わることのないこの興奮と感動は、まさしくe-Sportsの醍醐味だと感じた。

 Pinpingho選手は日本のアニメや食べ物が好きで、日本に来られて、そして試合で勝ててよかったと語った。今日のプレイイングはいくつかミスも犯しているので、点数をつけるなら10点満点で6点だと語りつつも、「なんとなく勝てそうな気がしていた」という。その予感は現実のものとなった。今回の「Hearthstone Championship Tour Japan Major」での優勝を足掛かりに、もっと上を目指したいというPinpingho選手。今後の活躍に期待したい。

ポーズの要望に、少し照れながら応えてくれるPingpingho選手