インタビュー

また日本に行くぜ! ウォーメタルバンドSABATONメンバーインタビュー

「WoT」コラボは「俺たちとしては自然なこと」。10月には来日コンサートも

8月22日~26日開催

会場:ケルンメッセ

 戦車や機関銃を持ち込み、閃光や爆発のエフェクトでステージを戦場にしてしまうスウェーデンのヘビーメタルバンドSABATON。そのSABATONが、Wargaming.netのオンラインタンクバトル「World of Tanks」とコラボレーションするのはまさに時間の問題だった。

Wargaming.netブースで実施されたライブコンサート

 今年、SABATONは、「World of Tanks」と初のコラボを実現し、「World of Tanks」のプロモーションビデオを制作しただけでなく、メンバー全員が搭乗員として搭乗するコラボタンク「Primo Victoria Tank」を公開。搭乗員のボイスは、ボーカルのJoakim Brodén氏があてており、SABATONファンならぜひ手に入れたい逸品となっている。

 SABATONは、gamescomではWargaming.netステージと、プレーヤーパーティーの2度に渡ってライブイベントを実施(参考記事)し、そのパワフルなライブパフォーマンスで「World of Tanks」ファンの心を鷲掴みにしていた。今回は、ライブのためにgamescomに参加していたSABATONのメンバーに対してインタビューを行なう機会に恵まれた。

 インタビュー前は、いきなり鉄パイプやチェーンで羽交い締めにされたり、スウェーデン戦車を使っていないことを理由にインタビューを拒否されたりしたらどうしようかと思っていたが、ステージを降りたSABATONメンバーは、ゲーム好きのイカしたオヤジたちで、「WoT」の話で普通に盛り上がってしまった。10月には2度目の来日を果たし、ライブイベントも行なうということなので、このコラボでSABATONの魅力を知った「WoT」ファンも、生粋のSABATONファンも、ぜひ参加してみてはいかがだろうか?

【WoT Music 2 0 Sabaton Primo Victoria Music Video】

【「World of Tanks」×SABATON】

今回のコラボは“必然”。素晴らしいタイミングで夢が実現できた

ボーカルのJoakim Brodén氏と共に、創設メンバーのひとりであるベースのPär Sundström氏
巨大な体躯を活かしてパワフルな演奏が魅力のドラムスのHannes van Dahl氏

――「World of Tanks」とのコラボレーションが発表されてとても驚いた。

SABATON:俺たちとしてはとても自然のことだと考えている。なぜなら曲のなかに戦車であったり戦いであったりというものを非常に多く取り入れているし、バンドメンバー全員がゲーマーで、「World of Tanks」をプレイしているし、2011年に「WoT」が発表されてからシナジーを感じていた。2011年からWargaming.netの広報の方とも知り合いになって、何か一緒にできなかという話をしていたが現実的なものはあまりなく、結果としてこの時期まで遅れてしまったが、このようなコラボができたことは非常に素晴らしいことだったと思っている。2011年の時と比較すると、「WoT」は非常に大きく成長しているので俺たちとしても素晴らしいタイミングでようやく夢が実現できたと思っている

――SABATONは、ヘビーメタルの中でも“ウォーメタル”と呼ばれているが、これはどういう定義なのか?

SABATON:俺たちとしてはあくまでヘビーメタルをやっているつもりだ。こういったミュージックを聞く方たちは、メタルの種類をいろいろラベルわけするのが好きで、彼らが俺たちのヘビーメタルをウォーメタルと呼んでいるだけだ。

 一部の人はパワーメタル系のバンドというが、これは正しくない。パワーメタルはファンタジー系の歌詞であったりピッチの高い音を使ったりするが、俺たちは一切使っていないので、いささかミスリーディングだと思っている。

 俺たちとしてはあくまでヘビメタバンドとして活動しているが、この「ウォーメタル」という表現は、俺たちが多くを語らずに、そのスタイルをわかりやすく説明できるいいラベルだと考えている。

――なぜ古今東西の“ウォー”をバンドのテーマにしているのか?

SABATON: 俺たちのバンドは、戦いの歴史を非常に興味深いテーマにしている。俺たちのようなメタルバンドはSEXやドラックといったテーマを扱うことが一般的だが、そういったものはすでに多くのバンドがやっているので、俺たちは同じようなものをやるのではなく、違うことをやりたかった。戦争の歴史は人類が忘れてはいけないものなので、俺たちの曲を通じて、そういったことをみんなが考える機会になってくれればと思う。

――ステージに戦車を登場させたり、爆発が起きたり、派手なパフォーマンスが人気だ

SABATON:俺たちは今アーティスト側になっているが、かつては俺たちもメタルファンとして、色んなバンドのファンになって、多くのライブを観に行った。メンバーと一緒にライブを見て、将来自分たちもこういったライブパフォーマンスをしたいということを考えた。様々なエフェクトを使ったり、派手なオブジェを展示したりなど、多くのバンドが様々なことをやっているので、俺たちも機会があればそういったことをやりたいと考えて、その中でようやく実現できたのがステージに戦車を置くといった非常にインパクトがあるパフォーマンスだった。

――SABATONメンバーは全員ゲーマーということだが、「WoT」はどれぐらい遊んでるのか?

SABATON:俺は初期からプレーヤーだが、ツアーもあるし、ネット回線がなかったりすることもあるので、常にプレイし続けるのはなかなか難しく、ちょこちょこやったりやらなかったりというのが続いていた。今回コラボによって、またプレイする意欲が沸いてプレイする時間が増えている。戦闘数に関してはまだそんなに数は多くはないが、ちょこちょこやりながらようやく1,000戦を超えてきた感じだ。

――お気に入りの戦車は?

SABATON:それはもちろん、Primo Victoriaだ(笑)。あとは、ドイツの戦車ラインは結構好きで、逆にソ連の自走砲ラインは、あんまり俺のプレイスタイルに合わないのであまり好きではない。

――母国であるスウェーデンの車輌は?

SABATON:もちろんスウェーデンツリーには好きな車両もいくつかあって、いまTier 5ぐらいまで育っている。ただ、全部が好きというわけではなく、プレイしていてあまり楽しくない車両もあるな。

――確かにスウェーデン戦車はユニークな性能を備えた戦車が多い。イギリスのボービントン戦車博物館でStrv 103Bを実際に見ることができて、このような戦車が存在するということを知った。

SABATON:俺たちもボービントンには過去に行ったことがあって、プロモーションビデオの収録を行なった。Strvは、非常にユニークな車両だと思う。ただ、ゲームでも乗ったことがないので、特にコメントすることはないな(笑)。

――コラボ戦車であるPrimo Victoria Tankは、SABATONのメンバーが搭乗員になっていて、ボイスもボーカルの声になっているのが特徴だが、SABATONのメンバーはどのような形で制作に関わったのか?

SABATON:もちろんデザインに関しては俺たちが制作を行なって、「WoT」のスタッフとデザインの話をしながら詰めていった。最終的にあのデザインになったが、それ以外にも様々なデザインがあって、最終的に話し合った結果、あの素晴らしいデザインになったのが非常にうれしい。

 ボイスについては、ボーカルのボイスなので、SABATONのファンには非常に喜んで貰えると思うが、俺たちは普段から聞きなれている声が流れて来るので非常に違和感を感じる(笑)。

【WoT Sabaton Primo Victoria Tank Trailer】

日本について良い印象を持っていると語る2人

――私は日本からやってきたが、日本での活動計画があれば教えて欲しい。

SABATON:日本のファンも少しずつ増えてきている。前からオファーは多く貰っていたんだが、なかなかスケジュールが合わなくて、3年前に俺たちのスケジュールと日本側のスケジュールがようやく合い、日本に行くことができた。その際にライブパフォーマンスができて、そのおかげもあって日本のファンも増えてきている。実は数か月後にはもう一度日本でツアーをする予定があるんだ。日本で再び演奏する機会が訪れるので、その際には日本の方々に俺たちのパワーを見せていきたいと思っている。

――その次回の日本ツアーの計画について詳しく教えて欲しい。

SABATON:10月にさいたまスーパーアリーナで開催されるラウドパーク 17に参加する。ヘビメタのバンドとしては日本に行って演奏するというのは1つの夢であり、ケーキのアイシング、デコレーション的な要素なので、俺たちがまた日本に行って演奏できるのは素晴らしいことだし、今回は日本自体も楽しみたいと考えている。

――SABATONメンバーの日本に対するイメージは?

SABATON:俺たちのイメージとしては、まず第一にすごい遠いところ(笑)。初めて日本に行った時も、自宅から非常に遠い場所に来たと感じた。またそれ以外にみんな親切だし、何よりも驚かされたのが、みんなが規則正しく時間厳守で行動をすること。時間が守られるということは俺たちもスケジュール管理がしやすいし、最初に決めたスケジュール通りに動くので非常に助かった。

 俺たちは、世界ツアーで色々な所に行くので、色んなところで、色んな印象を受ける。俺たちの住んでるところとはだいぶ違うところばかりだが、日本については常に良い印象を持っている。実は良い印象が残らない場所もあるが、日本に関しては文化の違いはあるが、すべて良い印象ばかりだ。食べ物も美味いし、人も優しいし、親切で、時間を守り、規則正しく行動する。本当に素晴らしい国だと思っている。

――今回、コラボ戦車と、プロモーションビデオを公開したが、今後どのようなコラボを計画しているのか?

SABATON:今後どういう事をしていくかということはまだ発表できることはないが、コラボ戦車を出し、ミュージックビデオも出したあとは、やはり俺たちはヘビメタバンドなので演奏をすることが非常に重要だと考えている。

 今回のこのgamescomでもWargaming.netブースのステージで演奏をする予定だし、ファンイベントでもライブを行なう予定だ。「WoT」とコラボし、ファンの前で演奏するというのが非常に大きな目標のひとつだったので、ようやくそれが達成できる。これによって1つの節目になるのかなと思っている。

――日本のゲームファン、メタルファンに向けてメッセージを

SABATON:まず俺たちのファンの方々へ。俺たちの音楽を聞いてくれてありがとう。また俺たちの音楽を好きになってくれたことに関して非常に感謝している。また10月に日本に行くので、ファンの方はもちろんだが、そうでない方も俺たちの音楽を聴いて楽しんでもらえればと考えている。また、ステージやゲームの中で会えることを楽しみにしている。