インタビュー

「World of Tanks」、いよいよ60人対戦「グランドバトル」実装へ!

全マップのHD化が進行中。新戦車ツリーはポーランド、イタリア

8月22日~26日開催

会場:ケルンメッセ

 ロシアとヨーロッパに強力な地盤を持つWargaming.netは、伝統的にgamescomに最も力を入れている。今年も過去最大規模の出展を行ない、メインタイトルである「World of Tanks」を筆頭に、「World of Tanks Console」、「World of Warships」、「Total War Arena」など、PC/コンソールタイトルを中心に据えた出展を行なっていた。本稿では、サービス開始から今年で7周年を迎えた「World of Tanks」について最新情報をお届けしたい。

【WoT Grand Battles Trailer】

Wargaming.netブース
ブースの壁一面を使って「グランドバトル」をアピールしていた
取材に応じていただいた「WoT」マーケティングディレクターMaxim Chuvalov氏

 gamescom 2017で「World of Tanks」が注力していたのは、これまで“フロントライン”と呼んでいた30対30のランダムバトル「グランドバトル」と、マップのHD化の2点だ。それぞれ数十台ずつ試遊台を展開し、実装前のテスト段階のバージョンを「WoT」ファンに披露していた。

 「グランドバトル」は、次期アップデート0.9.20で実装予定の新コンテンツだ。ヨーロッパの架空の戦場を舞台にした1.4km四方の広大なマップを舞台にTier X限定による30対30のバトルが繰り広げられる。現在βテスト中のランクドバトルに続く、Tier Xオーナー向けのエンドコンテンツで、現在はランクドバトルでしか手に入れられないボンズの新たな入手手段となる。

 基本的には、Tier Xまでツリーを育てたユーザーに対する新たな目標として提供するコンテンツで、この「グランドバトル」をTier IX以下に開放する予定は今のところないとしているが、ユーザーの要望や、マッチングの状況次第ではTier VIII~X向けのコンテンツにする可能性もあるという。

 次に「マップのHD化」は、「World of Tanks」はHD対応のゲームなので誤解を招く表現だが、要するにグラフィックスクオリティの向上を目的としたアップデートだ。今回はヒメルズドルフ、マウンテンパス、レッドシャイアの3つが公開されたが、現在使われている40弱のマップすべてが対象で、順次刷新されていく予定となっている。

 グラフィックスの向上に合わせて、パフォーマンスの最適化も実施し、グラフィックスは綺麗になりながら、現行のPCでも遊び続けられるように、グラフィックスエンジンの改良も平行して行なっているという。このアップデートでは、建物や破壊された戦車などのオブジェクトの質感の向上に加え、水面や木々の表現、そしてHavokによる物理演算も組み込んでおり、さらにもうひとつの目的として、ユーザーの意図しない遊び方を潰す目的もあるようだ。

 ちなみに、姉妹作「World of Tanks Console」は、Xbox One Xへの対応で、4K/HDR対応を果たし、PC版をさらに突き放すグラフィックスクオリティを実現する。この点については、Xbox One X向けに最適化すればいいコンソール版と、新旧多くのPCに対応しなければならないPC版とでは、ユーザー側の環境が大きく異なるため、おいそれと4K対応することはできないという。

 PC版の開発バージョンには、4Kはおろか、8Kバージョンまで存在するというが、クライアントサイズは100GBに達し、それを快適に動かせるPCと、8K出力できるモニターを持っているユーザーはほとんどいない。Wargaming.netでは、“プレーヤーハッピー”を社是としているが、現時点での8Kの導入はハッピーとは言えないと判断しているようだ。

 今後のアップデート計画についても聞いてみた。まず、現在開発中の新たなチュートリアルモードとなる「ブートキャンプ」は、秋頃実装に向けて開発を進めている段階ということで、マナー、操作、戦術、視界、隠蔽など、従来のチュートリアルより細かい内容を扱い、かつしっかり報酬も用意しており、クリアすることでランダムマッチに出られる実力が備わることを目的に開発されている。

 コンソール版に実装されたPvEモード「War Stories」については、コンソール版オリジナルコンテンツということで、同じものの実装は予定していないということだが、ユーザーの反応次第では、PC版にも新たなPvEモードを提供する考えはあるという。

 そして気になる新たな戦車ツリーについては、現在ポーランドの戦車ツリーの開発を進めており、イタリアについても資料集めをスタートさせており、順調にいけばこの2カ国のツリーが順次実装されるようだ。

 なお、マップのHD化と対で進められているMusic 2.0プロジェクトについては、ウォーメタルバンドのSABATONと、作曲家の山岡晃氏へのインタビューを実施したのでそちらで詳しくお届けする予定だ。

【HD版ヒメルズドルフ】

【HD版マウンテンパス】

【HD版レッドシャイア】