ディースリーは、「SIMPLE」シリーズなどで知られる株式会社ディースリー・パブリッシャーなどを抱えるディースリーグループの統括会社。家庭用ゲームコンテンツ事業やモバイルコンテンツ事業を中心に、D3Publisher of AmericaやD3Publisher of Europeとともに、グローバルな事業展開を行なっている。

　今回の公開買い付けの目的は、ディースリー全ての株式を取得し、同社を完全子会社化することを目的としている。そのため、バンダイナムコゲームスは買い付け予定株式数の上限を設けず、下限をディースリーの親会社であるフィールズ株式会社、ディースリーの代表取締役社長の伊藤裕二氏、ディースリーの社外監査役の青木茂宏氏、金本光博氏が所有する15,731株に設定している。なお、これらの株主は公開買い付けに同意しているという。

　バンダイナムコゲームスは公開買い付けに至った理由として次のような項目を挙げている。

・バンダイナムコゲームスによるディースリーが得意とするカジュアルゲームとの協業、バンダイナムコグループの他SBU（戦略ビジネスユニット）との連動によるゲームコンテンツ展開の更なる拡大及びコンテンツ価値の最大化。
・ディースリーによるバンダイナムコゲームスが保有する幅広い出口（家庭用ゲームコンテンツ事業、業務用ゲーム機器事業、モバイルコンテンツ事業）に対するコンテンツ活用（マルチコンテンツ展開）。
・バンダイナムコゲームス及びディースリーによる両社が保有する技術（ゲーム開発エンジンなど）の共有による開発の効率化、共同での海外展開によるスケールメリットの創出及び既に協業関係があるモバイルコンテンツにおけるより一層の協力関係の構築等。

・ディースリーが海外で展開し好評を得ている「BEN10」シリーズ等との協業による海外でのコンテンツ展開の拡充。
・ディースリー保有コンテンツをバンダイナムコグループの他SBUと連動させることによるコンテンツ価値の最大化。
・米国コンテンツ開発において両社が保有する技術（ゲーム開発エンジン等）の共有による開発効率の向上。
・バンダイナムコゲームス保有コンテンツをディースリーのカジュアルゲームシリーズへ活用、フルラインナップ体制の構築。
・ディースリー保有コンテンツをバンダイナムコゲームスが保有する幅広い出口への活用（マルチコンテンツ展開）。
・モバイルコンテンツの共同開発・共同展開。
・バンダイナムコゲームス及びディースリーのノウハウを融合した新たなコンテンツの送出及び新たな遊びの提案。
・バンダイナムコゲームス及びディースリーとの相互人材交流。
・バックオフィスを中心とした業務の効率化等の施策を検討・実行することにより、両社の強みを生かし、寡占化が加速する市場において、スケールメリットの創出、確固たる優位性の構築を実現し、バンダイナムコゲームス及びディースリーの企業価値の向上を図る。

(2009年2月12日)

[Reported by 滝沢修]