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Gravity Festival 2006現地レポート

オンラインゲームポータル「STYLIA」レポート
「不良ドッジボール」「Storm Fighter」など、女性や子供も夢中になるタイトルを多数出展

8月12日開催

会場:COEX太平洋ホール

入場料:無料

 「Gravity Festival 2006」で、「Ragnarok Online」以外のコンテンツでユーザーを最もひきつけたのがゲームプラットフォーム「STYLIA」だ。「STYLIA」とは、各コンテンツをテレビのチャンネルに見立て、自分のアバターを各コンテンツの主人公にプレイできるオンラインゲームプラットフォームだ。

 オンラインゲームプラットフォームと呼称し、通常のゲームポータルと差別化を図る理由は、各タイトルで別々のコミュニティを成立しがちなゲームポータルと異なり、「STYLIA」というプラットフォームにコミュニティの中心が存在していることだ。これを可能にしているのが画期的なアバターシステムの存在だ。ユーザーの好みによって作成したキャラクタが「STYLIA」を通じて各コンテンツのキャラクタとして登場し、プレイできる。

 プレーヤーはアバターを使って友達とチャットを楽しみ、「今日はここに遊びに行こう」という形で各コンテンツにアクセス、使用していたアバターがそのままゲームキャラクタとして活躍する。自分の分身であるアバターがそのままゲームの世界で縦横無尽に活躍する姿は新鮮かつ魅力的で多くのユーザーを集めている。新タイトルの充実が他コンテンツへの集客に直結しやすい点で非常に斬新なポータルのあり方だ。現在、多くの韓国ユーザーから注目されているコンテンツだ。


■ お茶の間からテレビの中のエンターテイメント空間に吸い込まれる実感

ゲーム選択画面。ゲームを選択するとアバターが中央のテレビに吸い込まれていく
各ゲームの戦績は、アバターにひもづけされている
 「STYLIA」の全体的なインターフェイスと、アバター要素が楽しめるアイテムモール、課金システムを紹介しよう。「STYLIA」を起動すると画面中央に自分のキャラクタ、奥にテレビの画面が表示され、各ゲームのコンテンツがチャンネルとして配置されている。ゲームをクリックすると中央のキャラクタが画面に吸い込まれていきゲームのローディング画面となる。まさしく「STYLIA」がオンラインゲーム機であるというイメージそのものだ。他にキャラクタの控え室や着せ替え場所、ショッピングモールが別の場所にある。ショッピングモールでは現在は衣装コーナーのみが実装されている。デパートのようにB1から4Fまであり、各階違ったテーマで衣装アイテムが揃えられている。

 モールでは男性キャラと女性キャラ向けで品揃えが変わる。各ゲームでのアイテムや消費アイテムについは後々取り揃えていくとのこと。また、ゲーム内で使用できるキャラクタは現在1キャラのみに限られているが、こちらも追加でキャラクタを販売していく予定とのこと。「STYLIA」のショッピングモールの通貨はVolt。1Volt=1ウォン(約0.12円)で購入できる。商品のラインナップではテーマごとに帽子から靴まで揃えられ、1週間レンタルで1箇所400ウォン(約50円)~900ウォン程度。無期限で購入することもでき、その場合は1週間400ウォンの商品で2400ウォン。購入した商品価格の10%がmileとしてプールされ、mileでしか買えないプレミアムアイテム専用モールもあるなど、差別化が図られている。

 今回「STYLIA」ブースでは「TV Boyz」(アクション)、「不良ドッジボール」(ドッジボール)、「Storm Fighter」(アクション)、「Love Forty」(テニス)の4タイトルが出展された。サービス状況としては「不良ドッジボール」がクローズドβテスト中で、他3タイトルはオープンβテスト中となっている。また次期実装コンテンツとして「Diver Star」(スカイダイビング)がオープンβテストを間近に控えている。プラットフォームの「STYLIA」自体はアバターアイテム販売による商用化が行なわれている。出展された上記4作品を紹介する。

【アイテムモール】
各ゲームの戦績データはすべて「STYLIA」で作成したキャラクタに対して紐付けされ、一種のセーブデータのような役割も担っている。テニスやストリート、闘技場といった様々な遊び場への「おめかし」というレイヤーで衣装も充実されていくことだろう


■ カジュアル性と奥行きある戦略性を重視したアクション「Storm Fighter」

簡単な操作で白熱の戦いが楽しめる。チーム戦では各プレーヤーの思惑が深くからみあう
 昨月末のオープンβ開始と共に一番人気のコンテンツとなっているのが対戦アクション「Storm Fighter」だ。8人同時対戦までをサポートし、3人称視点にWASDキーを中心とした移動系と、左クリックで攻撃、右クリックでスキルというFPSゲームに近いインターフェイスを搭載。コーエーの「新・三國無双」シリーズのような戦略的なアクションゲームで、日本のユーザーにも人気が出そうなタイトルだ。

 ゲームモードは相手チームの全滅を目指すラウンド制と、制限時間内に何度倒したかを競うデスマッチ制の2系統のモードが用意され、マルチ対戦を前提としたゲーム設計がなされている。ユーザーは盾を持ち防御力に優れたKnight、攻撃力の高いWizard、遠距離からも敵を攻撃できるArcherの3種類からジョブを選択し、それぞれの特徴を活かしながら相手チームを協力して殲滅する。将来的にはFighterやEsperといった職業も追加される予定だという。

 今回プレイしたマップは「天空の船」という空中に浮かぶ船のマップだったが、序盤は両端からArcherやWizardによる遠距離攻撃が主体で、中盤以降は相手側の陣地に突っ込んだキャラクタを中心にコンボ技の応酬という展開となった。Knightは盾で弓攻撃を防御できるため、コツをつかめば距離を詰める駆け引きが非常に熱い。

 さらに戦闘シーンを面白くする要素として「変身」がある。マップに落ちている“?”アイテムを拾うことで、キャラクタは「ドラゴン」や「巨人」、「鴨」に一定時間変身することができる。ドラゴンや巨人は高い攻撃力を誇り、無敵になったような気分が味わえるが、反面動きが鈍くなり、背後に回り込まれやすいという欠点もある。鴨は攻撃力がない無力な存在になってしまう「はずれ」の変身だが、鴨の状態でもう1つアイテムを取ると、炎をはくことができるようになる。この炎はドラゴンの炎より射程が長く、強い。一発逆転のチャンスも秘めた変身なのである。

デスマッチモードでは倒されると10秒後に自陣からリスポーンする。仲間との連携、立ち回り、アイテムを使うタイミングといった点でやりこみ要素は十分だ。

【「Storm Fighter」】
チーム内でのジョブの配分や、誰を狙うかといった戦略的なバランス要素は研究しがいがある。狭いマップでは、遠距離攻撃をしかけると開始直後から反対側にいる相手に届いてしまうなど、バランス調整はもう少し考えたいところだ


■ 何でもアリの格闘ドッジの世界「不良ドッジボール」

カジュアルゲームポータルというだけあり、他のMMORPGコンテンツに比べても女性や低年齢層のユーザーが多かった
 会場の試遊台で最も人気を集めていたのが格闘ドッジボールの「不良ドッジボール」だ。6人まで同時対戦可能で、現在はダウンタウンとお寺の2マップが用意されている。実世界でのドッジボールとは違い、体力が0になるとアウトとなる、テクノスジャパンの名作「熱血高校ドッジボール部」を彷彿とさせる作品だ。タイトルに「不良」とあるように、ボールを蹴り込んだり、相手プレーヤーに直接打撃を加えたりと、球技というよりは格闘ゲームとしての側面を強くした作品だ。

「不良ドッジボール」では、単にボールを投げあうばかりでなく、中央のライン付近での蹴りあいが面白い。インターフェイスは方向キーとキャッチボタン、蹴りボタンとシンプル。飛んできたボールを蹴り返すと、ボールをキャッチするモーションよりすばやくはじき返すので、連続攻撃となりやすい。ボールをキャッチする場合には、投げ返す時に必殺ショットを撃てるというメリットがある。

 本作はコートの中にいるキャラクタと共に、外野のキャラクタを操作できるのが特徴で、外野にパスをして敵キャラクタの背後から攻撃を加えるような操作が可能になっている。「跳弾」のような、ボールが三角形の軌跡を描く攻撃はなかなか爽快だ。ゲームではプレーヤースキルが如実に反映され、うまいプレーヤーは中央付近で敵に当たって跳ね返ってきたボールを次々に蹴り返してヒットさせていく。ボールが向こう側に行ってしまった場合にはライン越えのジャンプキックで相手プレーヤーを追い込んでいた。

 相手に攻撃をヒットさせるとコインが飛び散り、それらを集めることで必殺技やスキルを繰り出すことができる。スキルツリーは「不良ドッジボール」のオプション画面から編集可能で、必殺技の魔球には天、地、気、幻の系列があり、各々稲妻シュート、ジジャシュート、炎シュート、暗鬼シュートがある。これら4つのコンセプトでレベルに応じて種類を増やすことができる。必殺技が発動した際にはカットインが入り、巨大な雷、斧がプレーヤーに向かって襲い掛かる。とてもそれがボールだったとは思えない、MMORPGの大魔法のようなド派手な迫力だ。

 「不良ドッジボール」で印象的だったのは、アウトになってしまった後からだ。プレーヤーは外野には行くことができないため、体力が0になるとそのままベンチに直行となる。試合が終わるまでの時間を飽きさせないため、次にヒットさせる方を当てるミニゲームが用意されており、予想が当たると少しだけ経験値を貰える。もちろん目を離していても困ることはないが、プレーヤーの視線を画面に引き付け、手元にキーボードがある限り常に何らかのエンターテイメントがあるというカジュアル性を追及したスタンスだ。

 実際に「STYLIA」に触れてみると、現状の粒ぞろいのコンテンツに限らずこれから投入予定の豊富なラインナップにも大変期待させられた。これから「STYLIA」キャラクタ達がどんなゲームでどんな活躍をしてくれるのだろうか? ひょっとしたら、ゲーム以外でもキャラクタを活用できるかもしれない。今後どんな新しい遊び場に連れていってくれるか楽しみなところである。

【「不良ドッジボール」】
体力回復スキルを使うと、アバンギャルドな出前のお兄さんがラーメンをフィールドに置いていき、これを食べると体力を回復する。コインを集めることで比較的簡単に発動することができるが、連続攻撃を食らってしまうとあっという間に体力が削られる

【「Love Forty」】
オーソドックスながら、キャラクタのレスポンスがとても快適なテニスゲーム「Love Forty」。シングルやダブルスにも対応。遊べるマップはおかしの城や「不思議の国のアリス」のようなメルヘンな雰囲気が強調されている。こちらもカーソルキーとASDWキーの簡単操作で、ラリーを楽しめる。会場では女性の人気が高く、グループでプレイしている場面も見られた。チャンスには必ずスマッシュを決め、それを高確率で拾い、延々とラリーを続けていて、そのレベルの高さに思わず驚いてしまった

【「TV Boyz」】
キャラクタがミサイルやマシンガンなどを持って画面内を飛び回り、撃ちまくるアクションゲーム「TV Boyz」。方向キーとASDキーで操作をする。ゲームそのものは2Dのアクションゲームのようなシンプルなルールで、熱い駆け引きが楽しめる。1対1から4対4までの対戦までサポート。遠距離、中距離、近距離で武器をいかに使い分けるかがポイント。4作の中で「STYLIA」のキャラクタが戦う姿が一番かわいらしく見える

【今後の追加コンテンツ】
カンファレンスから次期実装コンテンツ、ストリートバスケット「Hoops」、スカイダイビング「Diver Star」、キッズ向け「Jelly Jelly」

□Gravityのホームページ
http://www.gravity.co.kr/
□「Gravity Festival 2006」のホームページ
http://www.gravityfestival.com/
□「不良ドッジボール」のページ
http://pigu.stylia.com/
□「Storm Fighter」のページ
http://storm.stylia.com/
□「TV Boyz」のページ
http://tv.stylia.com/
□「Love Forty」のページ
http://love.stylia.com/

(2006年8月13日)

[Reported by 三浦尋一]



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