5つの時代で異なる世界観を楽しめる 完全スキル制が楽しいMMORPG Master of Epic: The ResonanceAge Universe |
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タイトルの副題部分に「ResonanceAge」とあるとおり、世界観や、キャラクタの成長システムなど、ゲームの根幹をなす部分は同作がベースとなっている。日本を含むアジア市場を意識したモデリングへの変更や方向性の転換などがなされ、装いも新たに登場したのが「Master of Epic」である。
■ 自分の分身となるキャラクタを作成して謎の孤島ダイアロスを冒険しよう
「Master of Epic」(以下MoE)の舞台となるこの世界には、謎の力を秘めた「ノア・ストーン」と呼ばれる伝説の石の存在が語り継がれている。そしてこの「ノア・ストーン」の伝説を含め、様々な伝説が眠るのが世界の果てにある謎の孤島ダイアロスだ。ダイアロスは巨大な竜巻と暴風雨によって外界からは誰も近づけず、近づいた者が帰ってくることはなかったという場所……。主人公となるあなた(プレーヤー)は、この島に遭難の末に漂着した旅人となって、謎に満ちた孤島ダイアロスを冒険し、謎を解き明かしていくこととなる。
主人公、つまりプレーヤーキャラクタは、謎に包まれた土地ダイアロスを目指す途中、乗っていた小船ごと荒れ狂う海に飲み込まれてその命を落としてしまう……という衝撃的な幕開けとなっている |
ゲームをスタートする前に、まずこの世界でのあなたの分身とも言えるキャラクタのメイキングを紹介しておきたい。プロローグシーンで、乗っていた船ごと高波にさらわれ荒れ狂う海に投げ出されてしまった旅人が、プレーヤーの操作するキャラクタとなる。そういう事情からキャラクタメイク中の画面は、光の差さない深い海の中で行なわれるのだ。
このメイキングでは、普通の人に近い姿をしたNewtar(ニューター)、俗に言うエルフのような容姿のCognite(コグニート)、子供のような小さい体型のElmony(エルモニー)、巨大な体格と頭から生えた角が印象的なPandemos(パンデモス)から種族を選択することができる。
本作では、後に詳しく触れていくが、スキルベースの成長システムが採用されていて、キャラクタはプレーヤーの行動によって様々な成長を遂げる。そのため、初期設定にはそれぞれの種族特性のようなものは設定されてはいないので、自分で思い描く冒険のスタイルに合う種族や、もしくは単純に趣味嗜好によって種族を決定していくのがいいだろう。
プレーヤーキャラとして選べる種族は全4種族。光の届かない深海に浮かぶ、命を失ったキャラクタが不気味でもあり、幻想的でもある。種族のほか、性別や顔のタイプ、髪の毛の色などを変更することができる。また名前に使える文字はアルファベットのみで、日本語などの2バイト文字は使用できない |
キャラクタの作成が終了すると、いよいよダイアロスでの冒険が始まる。荒れ狂う海に投げ出された旅人は幸運にもダイアロスの海岸に流れ着く。この海岸からプレーヤーキャラクタが操作可能となるのだが、最初はこの海岸からチュートリアル的な内容をこなしていくこととなる。海岸には、猫のようなサルのような不思議な種族「モラ族」のヤーク(Jaak)というNPCが立っているので、彼に話しかけてチュートリアルを行なっていこう。
チュートリアルの最後には、本作の重要なキーワードとなる、伝説の石「ノア・ストーン」を装備して時空を超えるという要素を体感することができる。この「ノア・ストーン」を使って時空を超えるという部分は本作の重要なポイントのひとつ。伝説の石「ノア・ストーン」を装備して特定の装置に進んでいくと時空を超えてワープすることができるのだが、これは場所だけにとどまらず、時間をも跳躍することが可能となっている。つまり様々な歴史の世界へとタイムワープすることができるというわけだ。
モラ族によって、その命を蘇生された旅人。この流れ着いた海岸からダイアロスでの冒険が始まるのだ。操作などを確認しつつ、ヤークに話しかけてチュートリアルに入っていくことになる |
■ 時を越えた冒険の始まり。5種類の時代で楽しみ方の違う世界
ノア・ストーンを装備して、時間移動のできるアルターに近づくと時代を移動できる。移動するには、適したノア・ストーンを入手して装備する必要がある |
チュートリアルの終盤には、高レベルプレーヤーと協力してクリアするダンジョン形式のものがある。ギルドのクエストとして初心者を助けにきた上級者とコミュニケーションをとってクリアするというものだ |
たとえば、PRESENT AGEでは、仲間たちと交流しながら広大な世界を冒険していくのだが、戦乱の時代であるWAR AGEでは、時には現代で一緒に冒険していた人と別々の陣営に所属して、対人戦が繰り広げられることになる。時代によってガラッとシステムが異なる。これが同作の醍醐味だ。
今後実装が予定されている時代には、土地を開拓し自分の家を建てて暮らしていく1万3000年前の古代超文明時代「ANCIENT AGE」や、広大な迷宮を一人で探索する魔王の時代「FUTURE AGE」、巨大なボスを相手に大規模な集団戦闘を行なえる神々の時代「CHAOS AGE」などが実装予定ということだ。
チュートリアルを終了すると、いよいよPRESENT AGE、つまり現代のダイアロスを冒険していくことになる。最初はアルターと呼ばれる離れた場所へも一瞬で移動できる装置を使って、モラ族の住むヌブールの村へいくのがオススメだろう。この村にいるモラ族の長老と話すと、WAR AGEへと移動するための「ノア・ストーン」を入手することができる。
ここで聞くことができる長老の話では、ノア・ストーンを使って時空を超え、モラ族の未来予知によって知らされている残酷な未来を救ってほしいと告げられる。これが本作のメインシナリオとなっていくと思われるのだが、システム的にどのようにフォローされていくのか、現時点ではまだわからない。また長老から最後に、未来を救ってほしいというモラ族の願いには従わずに、自分の意思で自由に行動してもよいとも教えられるのだが、このあたりは自由度が高い本作の楽しみ方をフォローしているのかもしれないと思える。
モラ族が住む村は昼間でもあまり光が差さないような、深い森の中に存在する | モラ族の長老Enosからは、予知された未来についての話を聞くことができる |
■ 冒険するもよし、職人を目指すもよし。自由度の高いPRESENT AGEのダイアロス
奥に見える建造物はビスクにあるラスレオ大聖堂。アルケィナという魔法系のギルドがある |
ミーリム海岸で朽ち果てている船の残骸。ゾンビや盗賊といったモンスターが出現する |
とはいえ、ダイアロス島は広大で、世界を冒険していくだけでも充分なボリュームがある。海岸には沈没船が朽ちているし、危険な山間部にはグリフォンが飛び回っている。世界は美しく、そのすべてを見ようとするだけで、かなりの冒険になるだろう。
また、MoEの戦闘方式は、固定ターゲットの戦闘ではなく、プレーヤーが戦闘しているモンスターは、誰でも自由に横から攻撃することができる。従って、上級プレーヤーが戦っている強い敵に、横から攻撃を行なってスキルを伸ばす、といった戦い方も可能なのだが、これは「横殴り」といってあまり好まれる行動ではないので注意しよう。
モンスターからプレーヤーへのターゲッティングは、戦闘に参加しているメンバーの中で、最大のダメージを与えているプレーヤーになる。また、倒したモンスターからアイテムを拾う「ルート」においても同様に、最大のダメージを与えたプレーヤーに権限が与えられる仕組みになっている。
戦闘システムについていくつか補足しておくと、まず経験値という概念が存在しないため、他のMMOに比べても、戦闘における行動に関して制限があまり見られず、「システム的にパーティを作成する」という概念よりも、常に一緒に行動する感覚のほうが強い。これはレベル差、スキル差を気にせずに気軽に冒険を楽しめるということであり、コミュニティを育みやすいシステムだと感じられた。ちなみにパーティを組んでいる状態では、お金をドロップするモンスターを倒した際にメンバーへと均等に分配されるのだが、アイテムのルートなどに関してはソロプレイ時同様に権限が定められるようだ。
また、武器や防具などは戦闘をこなしていくうちに消耗し、最終的には壊れてしまう。修理を怠ったまま戦闘を行なっているといつか壊れてしまうので、消耗度に気を配っていないと戦闘中に突然武器が壊れ、散々な目にあってしまうのだ。NPCが運営するショップなどで修理を行なうことができるのだが、生産スキルを育てているプレーヤーならば自分の手で修理することも可能だ。
ちなみにMoEには食事と水分補給の概念が存在する。お腹が減ったり喉が渇いたりすると、HPの自然回復が遅れたりといった影響が出てくる。また、移動や行動の際に減少する体力ゲージが存在するのだが、これが自然回復しなくなったりする。体力ゲージは極度に減ると移動速度などが極端に遅くなってしまうので、冒険に出るときは食料や水分を用意しておかないと、快適な冒険はできないというわけだ。
こういったシステム的なフォローがなされているため、本作における武器や防具、調理といった生産系のスキルの地位は比較的高く感じられる。生産系の活動をメインにゲームを楽しんでいきたいという人には嬉しいバランスだ。
海との境目でシーサーペントと戦闘中。陸に出ているモンスターならどれにでも横から攻撃することができる | 画面に収まりきらないような巨大なモンスターも存在する。画面の外からも多数のプレーヤーが攻撃をしかけている |
アクションゲージによる合成の様子。ルーレットのように回るゲージで、カーソルを黄色い部分で止めることができれば成功となる。スキルが上がると成功のゲージなどが広くなるなどメリットがある |
■ 自分の行動によってキャラクタが作られていく、完全スキル制の成長システム
プレーヤーはチュートリアルを終えると自由にダイアロスを冒険し、シップ、つまり職業につくことを目指したり、クエストをこなしたりしながら自分のキャラクタを育てていくことになる。最後に本作の特徴のひとつである「スキルベースの成長システム」について触れていこう。
本作はキャラクタの成長システムに完全なスキル制が採用されている。これは実際にプレイしてみると感じられるが、思いのほか多岐に渡ってスキルの種類が用意されていて、戦闘を行なえば筋力や生命力、攻撃回避といったスキルが上昇し、スキルによってはパラメータが変化していくし、戦闘時に防具や服を装備していれば、着こなしというスキルがあがり、より着こなすのが難しい防具などを装備できるようになる。
また、上昇するのは想像できる基本的なスキルだけにとどまらず、「こんな行動までスキルになっているのか! 」と驚くほど様々なものが存在している。たとえば、戦闘でHPが低下した際は、座って休むことでHPを回復することができるのだが、座っているだけでも自然回復というスキルが上昇するし、さらに、移動していて高低差の大きいところから飛び降りると落下耐性というスキルがあがるといった具合だ。
ただ他のMMORPGでも見られるような行動をしているだけでも何かしらのスキルが上昇していくのは、最近はレベル性のゲームなどをプレイすることが多かった筆者には新鮮で楽しいものに感じられた。実際、高いところから降りて、その際に減ったHPを座って休んで、また高いところから降りて……、なんていう単純な行動を繰り返し繰り返し行なって、上がっていくスキルを見ながら楽しんでみたりもしたわけで、それだけで楽しいと思える自分を発見したのは思いがけない収穫だった。ぜひ体験してみて欲しいところだ。
同作では特に意識しなくても様々な行動を取ることによってスキルが上がる。特に序盤はたいがいの行動でとめどなくスキルが上昇するので、それを見ているだけでも楽しい。また、写真左のように海などでは泳ぐことも可能で、もちろん水泳もスキルが設定されている |
先述したようにMoEにはシップと呼ばれる俗に言う職業のようなものが存在するのだが、これも「○○のジョブにつきたい! 」と思って設定するような形ではなく、スキルが伸びていった結果に応じてシップが当てはめられていくという形になっている。初期では旅人となっているシップ名も、刀剣という剣技に影響するスキルが伸びていけば剣士に変化するし、釣りに情熱を燃やして釣りスキルが上昇すれば釣り師というシップが自動的に設定されるというわけだ。
このシップの総数は200を超えるほど用意されており、また複数のスキルが一定レベルに達するとなることができる“複合シップ”と呼ばれる上級職も存在するということだ。目標のシップになるために必要なスキルを想像してスキルを上げていくのも楽しいだろうし、逆に自分のやりたいことをやりたいように楽しんでいった結果、どんなシップになるのか? という遊び方も面白いだろうと思う。
独自性の高い、歴史を超えて冒険し、それぞれの時代にあったプレイを行なうというシステムや、国内メーカー産のMMORPGにはあまり見られなかった完全なスキル制度によるキャラクタ成長システムなどなど、特徴的な要素が盛り込まれているMoE。まだβテスト中とはいえ、非常に楽しめる作りになっており、MMORPGを多く楽しんでいるユーザーの注目度も高いようだ。
オープンβテスト終了後に移行する正式サービス時はYahoo! BBの会員のみ新規登録が可能になるということだが、例外としてオープンβ時からプレイしているユーザーのみYahoo! BBを利用していなくても継続してプレイできるようになると発表されている。現在もオープンβテスト中なので、ぜひ一度プレイしてみてもらいたいところだ。
ステータス画面では現在のシップを確認することができる。まだゲームを始めたばかりのキャラクタなので旅人となっている | ゲームをはじめた序盤は、初心者キャンプと呼ばれる場所に行くのがオススメ。写真のマリエルというNPCは食事や飲み物を無料でわけてくれる |
薄暗い道が地下へと続いていくムトゥーム墓地。下層深く潜るにつれ、モンスターの凶悪度が増していく。最下層付近では恐ろしい強さを誇るデスナイトの姿も見られる |
荒涼とした大地が広がるネオク高原。謎の巨大生物の骨が地表から突き出ている(写真中央)恐ろしい破壊力の一撃を振るってくる巨人タイプのモンスターが徘徊しているので要注意だ |
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[Reported by 山村智美]
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