発売元 Enlight Software
知る人ぞ知る名作RTS「Warlords Battlecry」シリーズ最新作「Warlords Battlecry 3」のPlayable Demo。開発は3作目にしてオーストラリアのStrategic Studies Group(SSG)から離れ、元SSGのスタッフが起こしたInfinite Interactiveによって開発されている。発売元もUbisoftではなく、Enlightに変わっている。メーカーブランドに頼らず、ゲームブランドで売ろうというその心意気は買うが、ゲーム内容はますますシリーズファン向けのニッチな方向に向いてしまっているのが心配だ。
「Warlords Battlecry」は、普遍的なファンタジー世界をモチーフにしたリアルタイムストラテジー。RTS要素だけではなく、ヒーローや好みのユニットを育てたり、フィールド内で発生するクエストを解いたり、レアアイテムを集めてヒーローを強化したり、あるいはユニークな軍団を編成したりなどなど、RPG的な要素も強い異色シリーズだ。
最新作となる「Warlords Battlecry 3」は、それらシリーズの持ち味をベースに、さらにRPG要素を強めている。今回、ヒーロー一行は傭兵団的な扱いで、ワールドマップを自由に行き来することができるようになっている。未踏の地へ進むだけでなく、経験値稼ぎのためにその場に滞留することもでき、領土的な概念もないため焦る必要もない。国産のゲームでいえば、エンターブレインの「ティアリングサーガ」に近いゲームデザインだ。
同シリーズでは、主人公であるヒーローユニットはもちろん、配下のユニットもレベルを上げて育てることができる。今回は、ユニットをできるだけ生存させた上で、しっかりユニットを育てていくことが必要不可欠なバランスになっている。ユニットが死亡してしまうと一からやり直しになるので、なかなか神経を使う。
基本的なゲームプレイは、新しいスペルや種族といった細かい要素を除けば、大筋では前作、前々作からほとんど変わっていない。シリーズのファンならまったく迷わずプレイできる一方で、圧倒的な既視感は戦う前からやる気を減退させる。1作目から戦法なりアプローチがまったく同じというは、フランチャイズとして何か問題があるような気がする。せめてフル3Dエンジンを採用し、見た目だけでも一新すべきだったのではないだろうか。
とはいえ同シリーズにおける、全ユニットを育てて、次のマップに持ち越すというゲームデザインは、改めて良さを実感させられる。新鮮味はもはや皆無だが、ついつい没頭してしまう吸引力があるのは事実。RTSファンにお勧めしておきたいタイトルだ。
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