開発元 Sim Bin Interactive
スウェーデンのゲームデベロッパーSim Bin Interactiveが現在開発しているレースシミュレータ「GTR」のPlayable Demo。もともとはプレス関係者への限定配布を目的として作られたようで、セットアップ時にパスワードが求められる。5月に入って一般公開が始まったようなので紹介しておく。パスワードは「GTR_Press_Demo」。
「GTR」は、その名の通り、GTレースをモチーフにしたレースシミュレータ。Sim Bin Interactiveはこれがデビュータイトルとなるが、いきなり最強最良のシミュレータにしようと長らく開発を続けている。いまだにパブリッシャーすら見つからない状態だが、年内には発売される見込みだという。
現在、公式サイトでは、サウンドやサーキットなど様々なシミュレーション要素をテーマに、定期的に開発状況を伝えている。ざっと見た限りでも、すべて実機、実地からデータを取り込んでおり、ゴリゴリのリアル指向のレースシミュレータであることがわかる。
実際にDemoをプレイしてみると、そのリアル指向は瞭然で、その打てば響くような繊細な挙動といい、見事な重奏を奏でるサウンドエフェクトといい、良くできたレースシムだけが実現しうる「とても素人の手には負えない得体の知れない何物かに乗ってしまった」感覚が素晴らしい。これは「わずかな後悔と大きな期待感」と言い換えてもいいが、サウンドエフェクトと挙動がゲームにもたらす影響の大きさをこれほど痛感させてくれるゲームも珍しい。
操作も、予想通りというかなんというか、Codemastersの「Colin Macrae Rally 04」や「TOCA Race Driver 2」とは比較にならないほどシビアな印象だ。キーボードでの操作はまずお話にならず、ゲームパッドでも高速時が危うい。完全にドライビングホイール推奨のレースシムだ。
エンジンのパワーも爆発的で、あたかもF1モノのような繊細なアクセルコントロールが要求される。下手くそな私などは、アクセルを踏み抜くのを常時ためらい、高回転に入る前にギアを上げてしまい、果ては縁石がトラップに見えるほどである。この得体の知れない何物かを運転する感覚が非常に楽しいのだが、これではチャンピオンシップを戦い抜くことはできそうにない。アシスト機能やAI自動操縦モードなどの補助を得つつ、じっくり車の特性をマスターしていくしかなさそうだ。
Demoでは、ベルギーのサーキット「Spa-Francorchamps」を舞台に、自車のみでのテスト走行がプレイできる。ライバルカーが登場しないため、実際のチャンピオンシップ時のパフォーマンスがわからないのが残念だが、現状ではさほど重い印象はない。コースのモデリングも、ほとんどがシンプルなテクスチャによるパターンによって描かれており、「Colin Macrae Rally 04」が満足に動作する環境なら問題なく遊べそうだ。
グラフィックスに関しては、掲載画面を見てもらえればわかるように、さほど凝った作りではなく、2004年の作品としてはCodemastersの両作に大きく水を空けられている印象がある。ただ、初乗りの衝撃度は「GTR」のほうが断然上で、別の車、別のコースも試してみたいという誘惑に逆らえない。またこのレベルでF1モノを作ったら一体どうなるのかという興味もある。
このところ、PCプラットフォーム向けのレースゲームは大漁が続いているが、これもまたイチオシのひとつに数えられる。いずれもPlayable Demoがリリースされているので、じっくりプレイして自分好みのタイトルを探し出すといいだろう。
(c) Sim Bin Development Team AB
ダウンロードはこちら(3D Gamers)