発売元 Buka Entertainment
ロシアのデベロッパーG5 Softwareが開発したヘリシューティング「Fair Strike」のPlayable Demo。最近、技術の進化が目覚ましいロシア勢だが、同作に限っては完全にNovalogicの「Commanche 4」以前のクオリティ。ただし、アクション性およびゲーム性は高く、ファイルサイズからも推測できるようにボリュームもたっぷりだ。フル3Dのヘリシューティングとしてはそこそこ楽しめるだろう。
「Fair Strike」は、現代戦をモチーフにしたヘリシューティングで、プレーヤーはKA-50 HokumあるいはAH-64A Apacheに乗り込み、テロリストの掃討を中心とした空対地ミッションに携わっていくことになる。といっても単機で遂行していくわけではなく、必ず1機以上の僚機が付き、複数機での共同ミッションとなる。
インターフェイスは、コンソールライクで、カーソルキーで移動操作を行ない、マウスでウェポンのターゲットおよび機体の向き操作、そして右ShiftとCtrlで機体の垂直上昇および下降を行なう。カーソルキーで真横にスライド移動できるあたりは、もはやシミュレーションとしては認められないレベルだが、どんなに無理な操作をしても浮力を失って墜落することはないため、初心者には遊びやすい。ヘリシミュレータとヘリシューティングのちょうど中間ぐらいに位置するタイトルといえる。
Demoでは、海上戦をモチーフとしたCovert Operationを1ステージ、ジャングル戦をモチーフとしたStage Jungleを2ステージプレイできる。Covert Operationのステージはいわばチュートリアルで、海上で機銃を乱射してくる艦船を対地ミサイルで沈めていけばいい。オブジェクトを見ればわかるように、メイン以外にもサブのオブジェクトがいくつか設定されているため、あえてクリアを急がずに、コンプリートを狙う遊び方も楽しいだろう。
Stage Jungleではいきなり難易度が上がり、侵入高度を誤ると一方的にやられてしまったり、気づいたら弾数が不足してくるほどの激戦になる。ヘリポートに戻ると弾数を初期状態に戻せるだけでなく、被ダメージも完全に回復できるため、こまめに戻ることをお勧めしておきたい。
最後にグラフィックスについて触れておくと、全般的に「おやおや」といった感じで、艦船や兵器のディテールをすべて1枚のテクスチャで表現しているしているのはまだしも、肝心のテクスチャの解像度が低いため、世界にリアリティが感じられない。爆発のエフェクトなどは比較的凝っているため、この点ややもったいない。
ただ、海防艦の動きもモーターボートのような軽々しいモーションで、僚機もときおり空中で怪しい動きを見せることがあり、全般的にシミュレーションのレベルが低いのは問題外。さらにバンプマッピング、リアルタイムシャドウは完全カットされているなど、DirectX 9への世代交代を目前に控えた2003年にあって、この内容は「作り込みが甘い」と思わざるを得ない。
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