発売元 メディアクエスト
メディアクエストが9月26日に発売を予定している正統派アドベンチャーゲーム「シベリア 日本語版」の体験版。2002年の6月27日版で、勢い余って初出のフランス語版を紹介してしまったほどの吸引力を持つ作品で、ピュアアドベンチャーとしては「Myst III」以来の大作だ。予想どおり、昨年度のアドベンチャー関連の賞もほぼ総なめにし、満を持してといった感じで日本語版が発売される。ぜひ一度体験しておこう。
「シベリア 日本語版」は、アドベンチャーゲーム大国であるフランス生まれの正統派アドベンチャーゲーム。背景は2D、キャラクタモデルのみ3Dを用い、プロローグを含むイベントシーンでは、プリレンダーCGを使ったアニメーションで処理するという珍しい手法が使われている。このため画質はどこまでもフォトリアルなクオリティで統一されており、ヨーロッパを旅行しているような感覚に浸ることができる。
プレーヤーは、現代のニューヨークで弁護士を務めるケイト・ウォーカーとなり、工場の買収契約のためにフランスの片田舎を訪れることになる。序盤の舞台となるパラディレーンは、古くからからくり人形作りで栄えてきた町で、ゲーム中、さまざまなからくり仕掛けのアイテムに出会うことになる。
このからくり人形の演出が非常に個性的で、「Myst」式のリアルタイムアニメーションによる稼働シーンが良くできている。このためゼンマイ仕掛けを見かけると、それをどうにかして動かそうと躍起になり、結果的にプレーヤーをゲーム世界に引き込む役割を果たしている。
同時にからくり人形そのものが謎解き要素にもなっており、たびたびゼンマイ回しやパーツを探し回ることになる。言い方を変えれば、パーツひとつでストーリーの進行が全ストップするわけで、主人公が仕掛けに無知なのはまだしも、何故その解法を直接人に尋ねられないのか、このあたりに若干のもどかしさがある。
ビジュアルは、先述したようにプリレンダーの高画質な静止画が使用されているが、質感たっぷりで、カメラアングルもよく、2Dベースであることに不便は感じさせない。物語は、ひとつ謎を解くと、また新たに大きな謎がひとつ浮上してくるような感じで、からくり人形関連の謎解きを除けば、テンポ良く進めていくことができる。PCゲームファンなら押さえておきたいアドベンチャーゲームだ。
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