開発/発売元 カプコン
カプコンが11月14日に発売を予定しているアクションアドベンチャー「カオスレギオン インターナショナル」の体験版。プロローグシーンなどは省かれているが、「聖都ロタール」ステージをまるまる収録しており、遊びごたえ抜群。表示解像度やキャラクタのモデリングなどいくつかPC向けのチューニングを施しつつ、価格はPS2版と同等レベルの5,800円は驚異的といえる。多少必要スペックが高いものの、気軽にざくざく遊べそうなアクションゲームだ。
「カオスレギオン インターナショナル」は、重厚な中世ゴシック風の世界観をモチーフにしたアクションアドベンチャー。オフィシャルでの呼称は「ファンタジーオペラ」。モノトーン調の世界観で、ただひたすら大量の敵を全滅させていくというストイックなゲーム性に魅力がある。
主人公が肩に掛けるマントのクロスシミュレーションや、手の影が体に映り込むセルフシャドウ表現は、いずれもリアルタイム処理されたものではないが、実に丁寧な処理で彼の存在感を浮き彫りにさせるのに一役買っている。BGMはシンプル目に押さえ、そのかわりに魔獣の奇声や、主人公やレギオンの攻撃シーンのサウンドエフェクトを際だたせ、カオティックな雰囲気を盛り上げる。こうした作りの丁寧さは、やはり国産ならではの味わいといえる。
ゲーム性はもはや国産お馴染みといえる多勢に無勢なシチュエーションで多勢を一方的に撃ち破るという、ヒロイックなデザインを採用している。毎回「おいおい、こんなの無理だろ」と思わせつつ、なぜか一方的に勝ってしまうという理由は、召喚獣「レギオン」の圧倒的強さにある。極端な話、主人公は何もしなくても勝ってしまうほど。一対多の戦闘は、同作の最大の魅力であると同時に、ウィークポイントとも感じられた。
同作はフル3Dのグラフィックと、フルインタラクティブのインターフェイスを採用している。PS2版のアナログスティックによる視点操作は、PC版ではWキーで代替するようになっている。Wキーを押しながら、移動キーであるカーソルキーを押すとその方向に視点がずれるといった具合。最初はずいぶんとまどって「使いにくい」と感じたが、数回のプレイで、コンボアタック終了後のわずかな硬直時間に視点を調節するという効率的な動きもとれるようになった。実は意外と使いやすいかもしれない。
逆におやおやと感じたのはチュートリアル機能。体験版でプレイできる1ステージ目はチュートリアルも兼ねているのだが、画面をメッセージボードに切り替える形式で行なわれる。移動の途中で出てくるのならまだしも、戦闘の真っ最中に、それもたびたび、数秒おかずして切り替わったりするため、興が冷める。
初心者への配慮というのはわかるが、リアルタイムバトル中に強制的に画面を切り替える必然性がどこにあるのか、最後までよくわからなかった。「うるさい」と感じたら、オプション機能でチュートリアルを「オフ」にするといいだろう。これさえなかったら、「最初からラストまで一気に遊ばせる吸引力抜群のアクションアドベンチャー」と書けたのだが。
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