発売元 Sierra Entertainment
'99年に発売されるやいなや新世代のスペースストラテジーとして北米で圧倒的な支持を受けた「Homeworld」の続編、「Homeworld 2」のPlayable Demo。開発元のRelicは、1から2の間に、ややオカルト寄りのSFRTS「Impossible Creatures」をリリースして世を騒がせたが、水面下で続編の開発は着々と進められていた模様だ。北米では9月中旬、日本でもサイバーフロントから9月26日の発売が予定されている。
同作は、E3でクローズド出展され、正統な進化を遂げたディテール抜群のビジュアル、初心者の参入を意識した丁寧なチュートリアルモード、アニメ的手法を駆使した印象的なプロローグムービーなど、しっかりとした内容に好印象を持ったが、実際にプレイしてみたところ、またひとまわりほど大きなタイトルに仕上がっていた。PCゲームファンなら押さえておくべき傑作だ。
Demoでは、チュートリアルモードの1部とプロローグシーンを含めた序盤のミッションが2ステージプレイできる。マルチプレイも可能だが、ユニットやシチュエーションに制限が多いため、それほど盛り上がっていない。
チュートリアルモードは、「Homeworld 2」のウリのひとつになっていて、北米のPCゲーム史でもっとも長い歴史と伝統を誇るスペースシューティングに免疫のない人でもゲーム内容を簡単に理解できることを目的としてつくられている。Demoでプレイできるのはそのうちの一部のインターフェイスまわりのチュートリアルのみだが、これをクリアすればとりあえず迷わず遊べるようにはなる。
圧巻なのはプロローグシーンだろう。全編プリレンダーだが、アニメタッチのCGを採用し、「ANIMATRIX」の1エピソードを彷彿とさせるような印象的な内容となっている。その後シームレスに本編に繋がっていくが、オリエンタルなサウンドをBGMに、絶妙なカメラワークで高ポリゴンのホームシップをなめるように見せるシーンなど、総じてクリエイターのセンスの良さを感じさせてくれる。
グラフィックエンジンはオリジナルのものが採用されている。ホームシップや戦闘機といったユニット群は、驚くほどの高ポリゴンモデルで描かれ、それらの影もしっかりリアルタイムシャドウで処理され、実にリアルな宇宙空間を現出させている。このため、ややヘビーなゲームになっているが、それでもRTSとしてのパフォーマンスを維持できているのは、宇宙空間を1枚のテクスチャで処理しているためだ。つまり、高ポリゴンモデル同士のド派手な戦闘は、現状「Homeworld 2」のみの専売特許といえそうだ。
キャンペーンは単純な物資の積み込みからスタートし、徐々に複雑になり、中盤以降は侵攻勢力との戦いも始まる。最初こそスペースRTS特有の多彩な視点切り替え操作に悩まされることだろうが、ユニットの扱いに慣れてくると、広大な宇宙空間が庭のような感覚になって俄然楽しくなる。宇宙空間での作戦任務を主体としたストイックなゲームデザインも好印象。ぜひ一度プレイしてみよう。
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