発売元 UbiSoft Entertainmentt
Ubiの「Warlord」シリーズ最新作「Warlords IV: Heroes of Etheria」のPlayable Demo。といっても日本ではほとんど知名度のないシリーズの最新作なので、「Warlords Battlecry」のターンベースストラテジー版といったほうが理解が早いかも知れない。最先端のグラフィックテクノロジーやゲームデザインには期待できないが、ゲームとしてはおもしろい。ターンベースストラテジーのお手本的な作品だ。
「Warlords IV」は、昨年のE3で出展され、向かいが「Splinter Cell」だったものだから、そのあまりの地味さに「なぜ、今頃ターンベースを」と思ったものだ。しかし、実際にプレイしてみると、その雰囲気の良さと、シンプルながら戦略性の要求されるゲームデザインに感心させられた。遊ぶほどに確かな手応えが感じられる作品だ。
ゲームシステムは、ユニットの移動操作に多少の自由度を持たせたターンベースとなっており、複数のユニットで構成された軍団を1単位として操作し、敵ヒーローの撃破および敵城の制圧がゲームの目的だ。基本的なプレイスタイルは「Heroes: Might & Magic」シリーズに近い。大きく違うのはアップキープの概念で、複数の城を確保して収入を増やさなければ、軍団の維持費が支払えなくなる。守りは徹底的に不利なデザインだ。
グラフィックは2Dベースに3Dエフェクトを用いる2D/3Dコンパチエンジンが採用されている。戦闘処理は、2D格闘ゲームで互いに静止したユニットが交互に殴り合うような感じで、アニメーションも簡略化され、かなり地味。ビジュアル的な面での魅力は薄い。一応、DirectX 9が採用されているが、特に重い処理は行なっていないので、Pentium II程度のCPUがあれば問題なく動きそうだ。
同作の魅力の源泉となっているのは、戦術性の高い戦闘シーン。双方の部隊から1ユニットずつ出して、いずれかが全滅するまで勝ち抜き戦を繰り返すというものだが、与えるダメージにばらつきが多く、毎回予想の付かない展開になる。楽勝と思っていたら、ヒーローを残して後全滅という展開になってしまったり、苦戦必至の展開でも、予備部隊の援護射撃がタイミング良く出て死傷者ゼロで勝利したりなど、先の読めない展開がおもしろい。
このゲームでは撤退というものが存在しないので、負け戦の損害は絶大で、いかに負け戦を避けるかが決定的勝利を収めるためのポイントとなる。負け戦イコールヒーローの死亡でもあり、ヒーローの生産には4ターンかかり、あまり連敗が続くと軍団編成すら覚束なくなる。また、いくらレベルを上げても決して超人的な領域には到達せず、あっさり死んでしまうこともある。このあたりの不条理感がゲームデザインとしてユニークだ。おそらくこのあたりは好みのわかれるところだろう。
基本的なゲームの展開は、まさしく「Warlords Battlecry」のターンベース版(時系列でいえば逆になる)といった感じで、マップクリア型のオーソドックスなストラテジーゲームながら、クエストが発生したり、在野のヒーローやレベルの高いユニットがいきなり仕官を求めてきたりする。ターンベースだけにAIの動きも優秀で、思考にやや時間がかかるのが玉に瑕ながら、満足度の高い激闘が堪能できる。
Demoではスカミッシュモードがプレイできる。ポップアップヘルプがチュートリアルも兼ねているので、それを丹念に目を通していけば自然のゲームの進め方が理解できるだろう。基本的に敵は無駄のない動きをしてくるので、初回のプレイは出来るだけ低い難易度で試してみるといいだろう。
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