★GCミニゲームレビュー★

「PSO」の世界がカードバトルに
「ファンタシースターオンライン エピソード3
カードレボリューション」
  • ジャンル:オンライン・タクティカルカードゲーム
  • 発売元:株式会社セガ
    開発:株式会社ソニックチーム
  • 価格:トライアル版:配布終了
    製品版:6,980円(予価)
  • プラットフォーム:ニンテンドーゲームキューブ
  • 発売日:トライアル版:配布終了(トライアル期間:9月16日まで)
    製品版:2003年秋発売予定

 これまでの「ネットワークRPG」というジャンルから、全く異なる「オンライン・タクティカルカードゲーム」となった「ファンタシースターオンライン エピソード3 カードエボリューション(以下EP3)」。「ファンタシースターオンライン(以下PSO)」の世界観を踏襲しているが、戦略性の高いトレーディングカードゲーム(TCG)の要素がシステムの中核となっている。

 一体どんな内容なのか不安と期待いっぱいで、トライアル版「トライアルエディション」をプレイしてみた。



■ ラグオルに降り立って、「C.A.R.D.」を使って対戦

 「EP3」の舞台は、惑星ラグオルで謎の爆発が起こって以来、21年が経過した世界。ここではカード状の記憶媒体にリアルデータを保存して、仮想的に復元できる技術「C.A.R.D.(以下カード)」を使い、フィールド上にモンスターや武器、防具などを呼び出して対戦を行なう。

 プレーヤーは指揮官となって、直接の対戦を下士官であるストーリーキャラに行なわせる。この際使用するのが、30枚のカードで構成されたデッキだ。扱うデッキの種類には、2つのタイプが存在する。それぞれ「ヒーローサイド」と「ダークサイド」と呼び、使用できるカードの内容が一部異なる。カードには「アイテム」、「エネミー」、「アクション」、「アシスト」の4種類があるが、1つのデッキに「アイテム」と「エネミー」両方は投入できない。

ヒーローサイド

ダークサイド

 そして、両タイプのデッキで共通して使用できるのは、「アクションカード」と「アシストカード」。

 「アクションカード」は、ストーリーキャラ及びエネミーが行なえるアクションを発動させるカード。一時的に能力をアップさせたり、敵からの攻撃値を軽減させるなど、様々な有用な効果を持つ。

 「アシストカード」は、個人、仲間、全員に効果を発揮するカード。有利になるカードを自分や仲間につけたり、邪魔をするカードを敵につけるといった使い方をする。しかし、特殊な効果が多く癖が強いため、最初の段階では持っていない。戦闘を重ねて、徐々に集めていくことになる。

 カード対戦は、両者がダイスを振って出た目(4人対戦ならチームの合計数)の大きい方が先攻となってスタートする。自分の手番は、5つのフェイズに分かれていて、戦闘は自分の手番と相手の手番を交互に繰り返して進む。自分の手番の大まかな流れは、以下の通り。

1)ダイスフェイズ

2)セットフェイズ

3)ムーブフェイズ

ダイスを振って、行動ポイントを決定する

アイテム装備やエネミーを召喚する

 フィールド上を移動する

4)アクションフェイズ

5)ドローフェイズ

装備武器やエネミーで攻撃する

必要ないカードを捨てる

戦闘が終了したら、カードパックをセレクト。何が入っているかは、開けてからのお楽しみ

 敵対するストーリーキャラ本体のHPをゼロにすると勝利となり、戦闘が終了すると、戦闘内容に応じてランクが決定する。これによって補充されるカードの枚数や種類が変化し、レアカードを獲得するには、ランク「S」を目指すことが重要となる。ちなみに敗北しても、カードは手に入る。



早速プレイ! のその前に……「チュートリアル」では、プレイの基礎をひと通り教えてくれる。ライセンス学校で、サリガン教官のもと、指揮官候補生として戦場での基礎知識を学習できる

■ 「シナリオ」や、オフラインでの「対戦」で「C.A.R.D.」に慣れてみる

 初めて遊ぶなら、タイトル画面でオンライン、オフラインを選ぶ前に、「チュートリアル」を見ておくのがお勧め。説明書に書かれている内容よりも詳しく、戦闘の流れやカードについて、ひと通りの説明が受けられる。

「ハンターズ」
パイオニア2内総督府より直接指令を受けている調査探索集団。ニューテクノロジーである「C.A.R.D.」技術を使いこなし、さまざまな事件を解決していく。使用するデッキはヒーローサイドとなる。

「アークズ」
現総督府に反旗を翻す武装集団。総督府の調査の先々に出現して、その裏にある真意を探っている。パイオニア2の人々に真の自由をもたらさんと決起した人たち。使用するデッキはダークサイド。

 「チュートリアル」を1回確認したら、早速ゲーム開始。「オフライン」を選ぶと、「シナリオ」と「対戦」2つの選択肢が現れる。

 「シナリオ」は、組織から依頼を受けたプレーヤーが、指揮官としてストーリーキャラを指示しながら任務を遂行して、シナリオを進めていくモード。ファイルセレクト画面で指揮官としての自分のキャラを作ったら、「ハンターズ」と「アークズ」どちらかのシナリオをセレクトする。

 プレーヤーが依頼を受ける組織は、この「ハンターズ」と「アークズ」という2つの勢力のどちらかとなり、選択したそれぞれの立場から、パイオニア2に起こる問題の解決に当たっていく。「ハンターズ」は「ヒーローサイド」、「アークズ」は「ダークサイド」と、使用できるデッキタイプが分けられている。

 「方や肉弾戦、方やモンスターを操作する」と言われてピンと来なくても、両サイドのシナリオをこなせば(トライアル版でプレイできるのは、最初のシナリオ2つのみ)、大まかに戦い方の違いがわかる。

 製品版では、更に依頼が増え、対戦相手のタイプもより幅が広がるはず。個人的にはPSOの美しい3D空間をみんなで歩き回るのも楽しかったので、より多くの戦闘フィールドが用意されていることにも期待が広がる。

 「対戦」を選べば、オフラインで1人~4人で対戦プレイができる。対戦方法は基本的にオンラインでの通常対戦と同じで、戦闘のルールを詳細に決めてプレイすることができる。「シナリオ」では選択できないが、「対戦」なら、例えばダイスの目や、カードの種類に制限をかける、といった設定を行なって戦うことができる。

 また、1人でCOM相手に戦うことで、新しいカードの効果を見たり、新しいデッキを試すのにもうってつけ。

「ハンターズ」と「アークズ」それぞれでスタートしたシナリオの緒戦。ストーリーは全く異なっている


21年後のビジュアルロビーの光景。帰って来た! という感じがする

■ オンラインの楽しみ方は人それぞれ

 「オンライン」では、「対戦」、「トーナメント」、「観戦」ができる。前シリーズのように、最初に「シップ」と「ブロック」を選択してビジュアルロビーに入り、ここで、チームを組む仲間と待ち合わせたり、まったりカード話に花を咲かせることができる。

カードをちまちま確認していると、あっという間に時間を浪費。要注意

 早速インフォメーションカウンターから「対戦」を選び、チームに所属してみた。

 オンラインで「対戦」を行なうと、当然のことながら行動に時間の制約が生じる。オフラインの「シナリオモード」では、自分の行動を何度も考え直して決定することができるが、オンラインではそうはいかず、これが最初の難関だった(今もそう)。

 最初のオンライン対戦(2対2)では、カードの効果を確認して行動を考えている間に、次のフェイズに移ってしまうという感じだった。また、急ぐということを意識しても、必死にカードとにらめっこしながら移動距離を測り、攻撃用にポイントを残すことなどを考えるため、キーボードで和やかに会話しながら、というわけにはなかなかいかない。

 しかしここでは、経験不足を認識すると共に、仲間と連係を取り合って4人で対戦する楽しみも知った。1人プレイのオフラインと大きく違う楽しみは、前作にも通じるところだが、チャットを交わしながら、仲間を助けたり助けられながら戦いを繰り広げるところ。終わった後には、どんなカードが手に入った、といった会話もまた楽しい。

 一緒にプレイした方たちは、「PSO」シリーズの熱烈なファンが多く、初心者にもかかわらずかなり親切に接して頂いた。しかし、いくら仲間が寛大でも、負けた場合はオフライン同様、対戦終了時に手に入るカードの枚数や内容に差が出る。それを考えると、やっぱり2対2でそうそう負けてばかりいるのも申し訳ない。ポカミスをしたり、決定に時間をかけすぎて本来バックアップできるはずが間に合わない、といったことを減らしていくのが、筆者の当面の課題。

「観戦」は、自分の操作に追われることなく人の戦法を観察できるので、とても有用

 「トーナメント」は、最大32人まで参加可能で、個人戦とチーム戦の2タイプがある。ひとまず「トーナメント」に参戦するのはまだ早い。と、「観戦」させてもらうことにした。「観戦」では、他プレーヤー同士が対戦する様子を、じっくり見ることができる。

 どんなデッキを使っているか、どのような場面でカードが使われているのか参考にできる。よくわかっていないうちでも、会話の雰囲気と戦況を楽しむ中で、おや? と思うカードの効果や、プレーヤーの行動を気に留めていくだけでも、観戦する価値ありだと思う。



 筆者はそもそもTCGにあまり慣れていないので、正直いうとルールに馴染めるか、ちょっと不安だった。しかし、武器や防具、エネミーなど、これまでPSOで登場した顔ぶれなので、見た目である程度判断できるところが有り難い。

 例えば、フィールド上に「ラグ・ラッピー」と「ブーマ」が居た場合、カードの数値を確認するまでもなく、どちらがHPや攻撃値が高いかなどは、簡単に想像がつくというもの。

 「ポイゾナスリリー」なら、相手をマヒさせるような特殊効果があるんじゃないか、飛び道具攻撃なわけだから、攻撃範囲も広いんじゃないのか……Rボタンでカードの詳細を確認して、ホラやっぱり、といった感じで、これまで「PSO」をプレイしたことのあるプレーヤーなら、カードの見た目でそれが強いのか弱いのか、どういった攻撃方法を持つのかなど、想像力が働く。TCGの経験がゼロでも、「EP3」の世界への第一歩目はすんなり踏み越えて入っていけるのではないかと思う。

 もちろん、対戦で勝っていくことを考えると、こんなノリでは全然ダメ。特にオンラインでは自分のターン内で取る行動に時間制限が伴うので、カードの詳細な数値や能力などについて、あらかじめある程度理解しておかないと、思い通りの行動が取れないままターン終了ということになる。さらに階段を上っていくには、カードに関するより深い考察と実践が必要だと感じる。

 しかし、「PSO」がカードゲームになって、プレイしてみようかどうしようか、と迷っている人に対しては、まずフィールドに降り立ってダイスを振ってみることをお勧めしたい。


【追加情報】トライアル期間延長と「セガカップ」開催決定!

 本稿最初の期間の項を見てもらえばわかるとおり、トライアル用サーバーの開放期間が9月16日まで延長された。これは、トライアル参加申し込み期間が延長されたことによる措置。トライアル版をプレイする人は、まだまだこのゲームを楽しむことができるようになった。

 また、8月25日の12時から、トーナメントのシステムを使用した「セガカップ」が開催されることも明らかになった。上位入賞者には、トライアル版で使用できるイベントカードがプレゼントされる。詳細はソニックチームのトライアルサポートHPを参照されたい。

(C) SONICTEAM / SEGA, 2000, 2003
※画面の写真はネットワークトライアルの画面です。
製品版とは異なる場合がございますので、ご了承ください

□セガのホームページ
http://www.sega.jp/
□ソニックチームのホームページ
http://www.sonicteam.com/
□「ファンタシースターオンライン エピソード3 カードレボリューション」公式ページ
http://www.sonicteam.com/pso3/index.html
□関連記事
【6月6日】セガ、GC「ファンタシースターオンライン エピソード3 カードレボリューション」
βトライアルを7月から開催。予約者から先着順に参加可能
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030606/pso.htm

(2003年8月21日)

[Reported by 河本真寿美]


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