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Xbox Conference 2003 Summerレポート その2
期待の新作ソフトの最新情報が発表される

7月24日 開催

会場:品川インターシティホール

 Xbox Conference 2003 Summerでは、マイクロソフトゲームスタジオやサードパーティから投入される新作ソフトの中で、特に日本市場で高い期待が持たれている3タイトルについて詳しい説明が行われた。その3タイトルとは、Xbox初のMMORPGとして期待の高い「トゥルーファンタジーライブオンライン」と、Kudosシステムという独自の採点方法で人気を博したレースゲーム「Project Gotham Racing」の続編で、Xbox Live対応版となる「Project Gotham Racing 2」、そしてテクモから発売されるアクションゲーム「Ninja Gaiden」の3本だ。ここでは、それら3タイトルについて、発表された最新情報などについて紹介していこう。

マイクロソフトゲームスタジオでは、ファーストパーティメーカーと協力し、今後1年間で15タイトル以上の投入を計画している

マイクロソフトゲームスタジオブランドの注目ソフト。魔牙霊(まがたま)は日本のマイクロソフト内開発チームが開発中の注目ソフトで、かなり早い時期に登場する予定だそうだ

セカンド/サードパーティ製の注目ソフト。カプコン、ナムコ、セガ、テクモといった大手メーカーの名前が並ぶ


■「トゥルーファンタジーライブオンライン」

 Xbox Live対応ソフトの中で、特に日本市場で非常に高い期待を持たれているのが、Xbox初のMMORPGとなる「トゥルーファンタジーライブオンライン(TFLO)」だ。「ダーク~」シリーズや「ドラゴンクエストVIII」などを手がける株式会社レベルファイブが制作を担当しており、非常に質の高い仕上がりが期待されている。このTFLOの最新情報は、レベルファイブの社長である日野晃博氏によって紹介された。

 今回紹介されたのは、開発上のバージョンを利用して、実際にマルチプレイを行なっている状況を収録した最新映像だ。会場で実際にでもプレイが行なわれたわけではないが、開発自体は順調に進んでいるそうで、今後は情報がどんどんと提供されていくことになるようだ。

 さて、今回流された最新映像では、実際に6人のプレーヤーがパーティを組み、ボイスチャットを行ないながらとあるクエストを解くために新しい土地へ向かう、といった内容のもの。序盤であるプレーヤーが別のプレーヤーに、「ヴァンドリフって知ってる?」と声をかけ、そこに行くためにパーティを募ろうというチャットのやりとりから始まり、パーティメンバーで雑談している様子、馬に乗ってみんなで移動する様子、オークの一団との戦闘シーンなどが含まれていた。

 この映像を見て一番に感じたのは、「ボイスチャットのMMORPGは、思っていた以上に楽しそうだな」といったものだった。個人的には、MMORPGに限らず、日本人にとってボイスチャットでゲームを進行するのは厳しいんじゃないか、という印象があった。もちろん、Xbox Liveのゲームをプレイする上で、様々な会話が飛び交っている様子を体験するにつれ、そういった印象は薄らいでいたが、MMORPGではゲームプレイと同じぐらいにプレーヤー間のコミュニケーションが大きな要素を占めるため、プレイ時にそこそこの勇気が必要になる場合も予想される。しかし、実際に今回映像を見た限りでは、そのボイスチャットがあるおかげで、これまでのMMORPGのような文字だけでのコミュニケーションにはない楽しさが伝わってきたような気がしたのだ。

 例えば、オークの一団と戦っているシーンでは、「やばいっす、ヒールください」、「はいはーい」とか、「みなさん、ふたりひと組でやった方が効率いいみたいですよ」とかいったやりとりがあったり、別のシーンではクエストを解くのとは全く関係のない単なる雑談が行なわれたりと、見ているだけでも非常に楽しそうにプレイしている様子が伝わってきた。声を使うことによって、文字以上に細かなコミュニケーションが取れるだけでなく、文字だけのコミュニケーションではやや敬遠されそうな雑談などの行為もプレイを大きく妨げずにできる。それによって、パーティの雰囲気もよくなり、より楽しくプレイできるだろう。

 日野氏もこれに関して同様の意見をお持ちのようで、TFLO開発当初は、ボイスチャットによるコミュニケーションには否定的だったそうだが、実際にゲームに実装されてプレイしてみると、これが非常に楽しいと感じたそうだ。

 ボイスチャットを行なっている場合には、しゃべっているキャラクタの頭に波紋のような模様が表示され、誰がしゃべっているのかわかるようになっている。また、ムービーを見る限り、ボイスチャットが楽しめるのは、パーティ内や同一の部屋の中にいるプレーヤーとの間、または自分を中心とした限られた範囲内にいるプレーヤーとの間だけ、というように、閉じられた空間の中だけになっているように思われる。なぜなら、広場などの大人数が集うような場所のシーンで、ふき出しが出て文字でメッセージが出ているシーンがあったからだ。確かに、非常に大多数のプレーヤーがいる場所でのボイスチャットは不可能に近いので、そういったシステムが採用されている可能性は高い(これに関しては詳しい説明はなかったため、ふき出しが出ているキャラクタは単なるNPCであるという可能性もあるが)。

 今回公開された映像で、ボイスチャットを利用したMMORPGがどういった雰囲気で楽しめるのか、かなりわかったような気がする。その様子を文字だけでお伝えするのは不可能に近いので、今回公開した映像を一般の人たちにも公開してもらいたいと思う。今回の映像を見るだけでも、TFLOがこれまでのMMORPGとは全く異なる楽しみを体験できることがわかってもらえるはずなので、ぜひとも公開をお願いしたい。

レベルファイブの日野晃博氏。最新のデモムービーを紹介しつつ、TFLOに対する意気込みを語った このような酒場のような場所でボイスチャットによってパーティメンバーを募り、冒険に旅立つ アイテム操作メニュー。複数のタブが見えており、それなりに多数のアイテムを持ち歩けるようだ
パーティを編成したら、このように馬にまたがっていざ出発 戦闘中もボイスチャットでパーティメンバーと戦略や回復の要請などのコミュニケーションを取る
声を出している(しゃべっている)プレーヤーキャラには、頭のところに波紋のような模様が出て、しゃべっているのが誰かわかる仕組みになっている このようにふき出しでコミュニケーションを取る場合もあるようだ(NPCとの会話か?)


■「Project Gotham Racing 2」

 Xboxのレースゲームの中で、最も成功しているタイトルのひとつである「Project Gotham Racing」。その続編となる「Project Gotham Racing 2(PGR2)」は、2003年冬に発売が予定されている。すでにE3でもいくつか情報が公開されているが、今回それに追加する形で新しい情報が提供された。今回その情報を紹介したのは、開発元であるBizarre Creationsでリードサウンドデザイナーを務めているニック・ウィズウェル氏だ。

 PGR2では、グラフィックスエンジン、物理エンジン、サウンドエンジンなど、ゲームを構成するシステムが全て新しいものに作り替えられている。また、PGRの特徴でもある「Kudosシステム」も進化している。さらに、前作の2倍以上の車や都市が収録され、Xbox Liveにももちろん対応。とにかく、前作を大きく上回るスケールが実現されることになる。

 グラフィックスに関しては、セルフシャドウ(自らの陰が自らに落ちる)、ラジオシティ(直接光と反射光を考慮したシェーディング技法)、フルシーンアンチエイリアシング(境界線のジャギーを解消)、被写界深度などを駆使し、前作を大きく凌駕する品質を実現している。もちろん、Xbox Live対応ということで、シングルプレイモードだけでなく、Xbox Liveを通したマルチプレイをサポートし、ボイスチャットも当然実装されている。

 さて、今回発表された最新情報は、収録される新都市に関してだ。その気になる新コースは「横浜」だ。みなとみらい21地区を中心に、超高層ビルのランドマークタワー、大観覧車のコスモクロック21、ヨットの帆をイメージして建造されたヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルなどの特徴的な建造物がリアルに再現されており、完成度は非常に高い。また、この横浜地区をプレイする場合には、FM YOKOHAMAで活躍している実際のDJを起用し、日本の楽曲ももちろん収録されているそうだ。

 前作に引き続き、日本の都市が収録されていることが判明し、日本のユーザーにとってまた期待が高まったのではないだろうか。

Bizarre Creationsのリードサウンドデザイナー、ニック・ウィズウェル氏。サウンド面だけでなく、グラフィック面などの紹介も行なってくれた 新たに発表された新収録都市「横浜」。みなとみらい21地区周辺が忠実に再現されている グラフィックエンジンや物理エンジンは新たに作り直され、「Kudosシステム」もさらに進化しているそうだ
超高層ビル「ランドマークタワー」はもちろん、巨大観覧車「コスモクロック21」、曲線が美しい「ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル」などももちろん登場する
もちろんクラッシュ時のボディの変形も健在。ちなみに、この状態でも走行性能は変化しないそうだ このように、自らの陰が自らに落ちるセルフシャドウやラジオシティなどの描画技術を駆使し、大幅なクオリティアップを実現


■「Ninja Gaiden」

 3本目となるタイトルは、サードパーティ製の中でも期待の高い、テクモ株式会社の「Ninja Gaiden」だ。テクモの執行役員で、Team NINJAのリーダーでもある板垣伴信氏によって紹介が行なわれた。E3と同じく、E3向けの特別バージョンを板垣氏自らプレイしながら説明を行なう、という形で紹介が進められた。

 Ninja Gaidenの特徴は、非常にスピード感のあるスピーディなゲーム性と、Xboxの内蔵HDDを活用したシームレスなステージ展開にある。実際のデモプレイでも、一切ロードを感じさせることなくプレイが続いていた。

 主人公の武器は、メインとサブの2種類が用意され、ゲーム中に自由に変更しながらプレイ可能。カメラワークも秀逸で、スピーディなゲーム展開でも全く破綻することなくカメラがついて行く。また、一人称・三人称の視点切り替えは好きなときに行なえ、周囲を自由に見渡せるようになっているが、ステージ自体が謎に富んだ構造になっているため、こういったシステムを採用しているそうだ。

 ちなみに現在は北米版の完成に全精力を注いでいる段階だそうだが、日本版も北米版発売からそう遠くない時期(冬の間)に発売を予定しているそうだ。北米版の発売時期はクリスマス時期とされているため、日本では年明けぐらいの発売になると思われる。また、このソフトに併せて、「DEAD OR ALIVE ONLINE」の発売も予定されているので、ファンは双方のタイトルを楽しみにしていよう。

Team NINJAのリーダーである板垣伴信氏。プレイアブルデモを板垣氏自ら実際にプレイしながらの解説となった スピード感とシームレスなステージ展開が大きな特徴
武器はメインとサブの2種類が利用可能。もちろん随時切り替えながらプレイ可能 デモ版は、E3で利用された特別バージョンで、このようなシーンも収録されていた


(トゥルーファンタジーライブオンライン)(C)2003 Microsoft Corporation. All rights reserved.
(Project Gotham Racing 2)(C)2003 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.
(C)Bizarre Creations Limited 2003. All rights reserved.
(「Ninja Gaiden」)(C)TECMO,LTD.TeamNINJA 2002

□Xboxのページ
http://www.xbox.com/jp/
□テクモのホームページ
http://www.tecmo.co.jp/
□製品情報(トゥルーファンタジーライブオンライン)
http://www.xbox.com/jp/games/tflo/default.htm?cs_catalog=cat%2djp
□製品情報(Project Gotham Racing 2)
http://www.xbox.com/jp/games/gotham2/default.htm?cs_catalog=cat%2djp
□製品情報(Ninja Gaiden)
http://www.tecmo.co.jp/teamninja/product_ng.htm
□関連情報
【7月24日】「過去の過ちから教訓を得て今後に活かしたい」
Xbox Conference 2003 Summerレポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030724/xbox.htm

(2003年7月25日)

[Reported by 平澤寿康 / Photo by 矢作晃]


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