★GCゲームレビュー★

アトラクションめぐりに飽きが来ない
「ミスタードリラー ドリルランド」
  • ジャンル:穴掘りアクション
  • 発売元:株式会社ナムコ
  • 価格:6,800円
  • プラットフォーム:ニンテンドーゲームキューブ
  • 発売日:発売中(12月20日発売)

ススムくんをはじめ、ドリラーたちが勢ぞろい!
  アーケード、プレイステーションなど多機種で展開中の「掘り」が基本のアクションパズルシリーズ最新作。今回は地下500mに建造された「ドリラー協会」と「地底王国」が共同開発した「ドリルランド」というテーマパークの中でストーリーが展開し、「ドルアーガの穴」、「ドリンディアドベンチャー」といった5つのアトラクションごとにゲームのルールが多少異なるという味付けになっている。



5つのアトラクションが用意されている「ドリルランド」全景

■ 基本ルールをうまくアレンジしてより遊びの幅を広げるアトラクション群

 「ミスタードリラー」シリーズは、地底に詰まっているブロックをドリルで1つずつ掘り進む、という基本ルールはシリーズ共通。ほかにも、穴が開けば当然、上のブロックが降ってきて、これにつぶされるとミス。同じ色のブロックはくっつくし、なかにはすぐに壊せないブロックもあったり。地底を掘り進むためにはエアが必要で、これがゼロになってもミス、といったお約束が設定されている。


アトラクションのスタート前にはブリーフィングでルールが表示される

 今回、テーマパーク「ドリルランド」のアトラクションでは、この基本ルールをベースに、テーマに合わせたアレンジルールでのプレイが可能。各テーマパークに入ると「ブリーフィング」でルール説明やお助けアイテムの設定画面が表示されるので、確認しておきたい。

 また、アトラクションはクリアするごとに上のレベルが選択可能となっている。レベル1から始まり、レベル3をクリアするとスペシャルゲームが遊べるようになることも覚えておこう。また、難しいと感じる人は「ドリルタウン(後述)」でお助けアイテムを購入して、テーマパーク内で使用すれば楽になる(最大3つまで設定可)。


  • ワールドドリルツアー
     今までのシリーズで最も多いルールで遊ぶスタンダードなテーマパーク。6人(?)のプレーヤーキャタクタの誰でもプレイできる。エアは時間で減っていき、エアカプセルで20回復。同じ色のブロックが4つ以上くっつくと消え、×印ブロックを消すとエアが20減少。
     レベル1が500m、2が1,000m、3が2,000mでゴールとなる。基本的にシリーズをプレイしてきた人にはすんなり遊べるステージだろう。

  • ドルアーガの穴
     「ドルアーガの塔」をイメージしたアトラクション。ここはアンナのみがプレーヤーキャラとなる。特徴的なルールとしては、ひと掘りでHP(ほかでいうエアの代わり)が1減少するということ。逆に、ポーションを取ればHPが20回復する。ストック制ではないので、HPがゼロにならなければゲームオーバーにはならない。
     また、ゴールは下へ下へ掘っていけばよいというわけではなく、各フロアに設けられた通路や、アイテムを使ってフロアを移動することになる。最終的には、カギを見つけてボスの部屋に入り、「ドルアーガ」を倒さねばクリアにはならない。また、道中にはモンスターがうろついており、ドリルでつついて攻撃して退治していかねばならない。
     そこでプレーヤーを助けてくれるのが「ドリストーン」。イエロー、グリーン、レッド、ブルーの4色のドリストーンがあり、それぞれ、ステータスアップ、HP回復、ブロック破壊、ブロックの色や種類を変化させたり、ワープといった効果がある。ドリストーンは最大30個までストックできるので、モンスターを倒したり、フロアをくまなく探して集めてからボス戦に臨もう。ボスのドルアーガはレッドドリストーンの「デストロイ」でのみダメージを受ける。ドルアーガの色と同じ「デストロイ」のアイテムを使えばOKだが、ブルードリストーンの「チェンジ」でドルアーガの色を変えることもできる。
  • ドリンディアドベンチャー
     「黄金の地底人像」を規定個数集めてゴールを目指すというルール。「ホリ・タイゾウ」氏がプレーヤーキャラとして参加できる。このアトラクションは、同じ色のブロックが4つ以上くっついても消えないし、エアの概念がなく、ブロックにつぶされたり、ワナにかかってダメージを受けるとライフが1減ってしまうというストック制となっているのがポイント。
     ワナには、横へ転がり低いところに落ちていく岩(ブロックや障害物に5回ぶつかると壊れる。とまっているときはドリルで掘ってもOK)と、トゲ(顔の形をしており、近づくと飛び出すものと、あらかじめ出ているものがある)、炎の口(一定感覚で炎を噴き出す)というものがある。また、黄金の地底人像を取ると崩れる呪いのブロックもある。
  • スタードリラー
      ホリ・ススムくんでプレイできるアトラクション。基本ルールは「ワールドドリルツアー」に準拠している。このアトラクションでは、「?アイテム」による特殊効果と、「皆既日食」、「白色彗星」の2つのイベントがキモとなっている。
     アイテムの特殊効果は、大きく分けてエア関連(完全回復、上限上昇)、スピード関連(プレーヤーの移動と落下スピード上昇、プレーヤーの場所がランダムに移動)、ブロック関連(ブロックの落下速度上昇、ブロックが隕石に変わる、クリスタルブロックに変化など)といった、プレーヤーを救ってくれるものだけではなく、逆にピンチに陥ってしまうものも含まれている。
     イベントの内容としては、「皆既日食」は巨大な影が画面上を横切り、ブロックの色が見えにくくなるというもの。「白色彗星」は当たったブロックが壊れ、プレーヤーに当たるとエアが20減少するというものだ。
  • ホラーナイトハウス
     暗闇(実際にブロックの色がわかりにくい)の中を、ゴーストを倒しながら規定数の「ドリスタル」を集めてゴールを目指すアトラクション。コウモリに攻撃されると5、ゴーストに攻撃されると50、ブロックにつぶされると10のHP減少となる。ここもHP制なので、HPがゼロになるまではゲームオーバーとはならない。また、同色のブロックが4つ以上つながっても消えない。
     ゴーストはフロアの各所にある「聖水」をブロックに注入、ゴーストが引っかかったらブロックごと破壊すれば「ドリスタル」を落とす。ゴーストが通り抜けられない「ホーリーブロック」に囲まれたところに聖水やHPを回復してくれるハートカプセルがあるので、これをバリア代わりに使い、うまくブロックにゴーストをおびき寄せて仕留める、という流れになる。

  さて、なぜこのようにルールをこと細かく列挙したのか? という理由だが、このルールをうまく使うことで、今までのルールにはなかった、じっくり考えるプレイが可能だったり、フロアを横に進むという行動が必要になったりと、今作は遊びの幅が広がっているからだ。

 個人的に特に気に入ったのは、「ドルアーガの穴」と、「ドリンディアドベンチャー」。「ドルアーガの穴」は、アイテムを取りたいがためにモンスターと戦うか、それとも回避して次のフロアにいくかの悩みどころが楽しかったし、「ドリンディアドベンチャー」では最初、転がる岩ブロックにかなり悩まされた。通常の「ドリラー」では起こらないハプニングが起こる、というのがこのゲームの最も面白いポイントではないだろうか。



■ ドリルタウンでアイテムを購入!
「ドリルタウン」

 「ドリルランド」の入口付近には、アイテムなどを購入できる「ドリルタウン」がある。そこでは、カードを買ったり、「ドリラー」関連グッズなどを購入できる。

 購入には、「ドリルランド」の通貨「ボリ」を使用する。「ボリ」は、各アトラクションに挑戦することで手に入るほか、GBA版「ミスタードリラーエース」で貯めた「マイレージ」を変換することでも手に入る。GBAケーブルを利用することで実現される機能のひとつだ。


「ドリルランド」の限定グッズなども販売されている。少々高価

 この「ドリルタウン」では、アイテムショップにてお助けアイテムが購入できる。使いたいアトラクション、アトラクションレベル、アイテムと選択して購入。アトラクションを始める前に使用するか設定すれば効果を発揮する。つぶされても1回は耐えられるバリアや、ドリストーンのセットを持ってスタートできるなど、使い方によってはかなり楽にプレイできるようになるので、レベルが高いアトラクションでどうしても先に進めないときなどに活用してみるといい。

 「ドリルランド限定グッズ」や、カードパックのコレクションもコンプリートするにはなかなか時間がかかる。個人的には、アトラクションを楽しむ合間に息抜きとしてカードを買うのがオススメ。たまに景品が当たることもあるのがほんのりうれしい。

 おまけ的要素としては、「ドリーミンパレード」も一度は見てもらいたい。パクテリアや地底人がパレード車と一緒に行進するというイベントで、GBAを接続して、GBA版「ミスタードリラーエース」からパクテリアを転送することで、パレードの編成をゴージャスにすることが可能なのだ。また、パレード中はスティックを回す度合いに応じて音楽のスピードが変わり、Aボタンを押せばパクテリアがジャンプしたり、地底人が手を振るなど、インタラクティブな要素も仕込まれている。



 「ミスタードリラー」シリーズは、代を重ねるごとにシンプルなゲーム性を生かしてどう発展させるか、というところに開発陣が苦労したであろうことが推測できる。そんな中発売された今作は、「アトラクション」という姿を借りて、うまくルールをアレンジし、ギミックを織り込むことで、共通のルールをうまく生かしたベクトルの異なる「ドリラー」を展開することに成功していると思う。「ドルアーガの穴」をプレイしたあとに「ワールドドリルツアー」をプレイするとルールの違いでこけてみたり、考え方を微妙に変えてプレイできるので、飽きがあまりこないというのは大きい。

 また、コントローラを複数用意しての「バトル」や「レース」といった対戦要素もしっかり抑えてあることも、長く遊べる重要なポイントとなるだろう。

 ビジュアル面もゲームキューブになったおかげでシリーズ随一といえるハイクオリティ(プログレッシブモードにも対応)なものだし、サウンドも生音をふんだんに使ったゴージャスなものになっているのは私的に大きなチャームポイント。BGMはデフォルトでも「ドリルタウン」の「ドリルランド音楽館」で思う存分聴けるのもありがたい。

(C) NAMCO LTD

□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□「ススムの家」のページ
http://www.horisusumu.com/
□製品情報
http://www.horisusumu.com/infopd.html
□関連記事
【12月18日】ナムコ、テーマパーク「ドリルランド」がいよいよ開園 GC「ミスタードリラー ドリルランド」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20021218/drill.htm

(2002年12月27日)

[Reported by 佐伯憲司]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 Impress Corporation All rights reserved.