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[Viva! GM]

 GM(GAME MUSIC)フリークによるGMフリークのためのGMコーナー「Viva! GM」。新譜情報、なつかしのGMなど、幅広くゲーム音楽に関して取り扱うコーナーです。ガイドはGM大好きお姉さん2人。今週はなんともはや味のある「Chulip」の新譜紹介と、「DDR」へのアツイ思いが語られています。


[ 今が旬! のオススメ作をタイムリーにピックアップするコーナーです ]


ジャケット写真01
Chulip オリジナルサウンドトラック

発売元:キングレコード
詳細情報はこちら

価格:2,500(税込)
発売日:2002年11月22日
品番:KICA-1280

■ Chulip オリジナルサウンドトラック

 プレイステーション 2で発売された「チュウリップ」のサウンドトラックです。シュールで懐かしくて胸キュンなゲーム内容を、見事に具現化した楽曲群。あ、その割合は、シュール8割ってとこでしょうか。

 10月3日に発売となったPS2「チュウリップ」。このゲーム、「大好きなあの子とチュウしたい」という純粋な目的を動機に、主人公の男の子が頑張るお話です。あの子とチュウができたら、死んでもかまわないという純真な主人公に、自分の甘酸っぱい思い出を重ねてセンチメンタルな気分に浸って……いや、素直に浸らせてくれるかというと、はなはだ疑問。主人公が引っ越してきた鶴亀町は、珍妙な住人や事件が目白押しで、プレーヤーをストンと奇妙な世界に落とし込みます。

 舞台となるのは、駄菓子屋さんや銭湯、空き地にドカンがあったりして、昭和40年代の下町の雰囲気を濃厚にみなぎらせる「鶴亀町」。そこに住む住人はというと、日々の生活に疲れていたり、悩みを持っていたり、何かしら問題を抱えた人たちばかり。その悩みを、主人公がチュウして解決していく、という「えっ?」というシュールな流れでゲームが進行します。

 楽曲群は、不思議な鶴亀町の雰囲気をこってりと作り上げています。遊び心溢れるスキャットがいっぱいで、歌謡曲の「悶えて地蔵峠」なんて、よく聞くと「ハラヒレハレホレ~」で全部歌っちゃってたりするんです。でも、真剣にそこまでやりきっちゃってるところがステキ。いろんな曲に頻繁に謎の「声」が出てきて、シュールさがビシビシ伝わってきますね。

 それだけじゃなく、匂い立つ昔っぽさがあります。例えばテーマ曲の「Happy Shabby Life」など、「レトロな感覚」を通り越し、「饐えた日常」みたいな雰囲気が満点です。曇りガラスごしに見える、色褪せた路地裏……まさに鶴亀町にぴったりというか。70年代時分に繁華街を1人で歩き回る年齢ではなかった自分が思い出すのは、時間の流れが止まったゲームセンターですな。不思議と、そういうところから、ほわんとした暖かさが滲み出してます。

 また全編を通して、1つのワールドを形成しているところが、面白いです。曲の合間に時々挟まれる、ジングルみたいな「いかんともしがたく」、「俺だけは知っている」など、とってもドッキリさせられて、趣向に富んでるなぁーと思います。このサントラを聴いてると、得体の知れない古びた店の奥からビックリ箱みたいに、変な婆さんがにょきっと出てくる感覚を味わいます。

 ボーナストラックも、楽しませてくれますよ。「Happy Shabby Parade」は未使用だけど集大成のような曲なので、聞いてみてください。人が、コトバに込める感情だけを抽出して塗りたくったような、声の洪水。「いやややや」は、思わず宮川大介・花子の、花子姉さんを彷彿します。にわかに何言ってんだかよくわかんなくて、よーく聞いてもよくわかんなくて、もっともっと、よーく聞くとジンワリ伝わってきて笑える……ほんとに可笑しいです、これは!

[Text:河本 真寿美]

♪今月の新譜♪

●ここでは、今月発売予定の新譜データを扱います。新着情報が入り次第、随時更新していきます。

■ 発売元:アンダーグラウンドリベレーションフォース/Sten Sten OchFlod
タイトル発売日/データ解説
segaGT 2002
オリジナルサウンドトラック
11月5日
2,500円(税抜)
STF-0009
 Xboxレースゲームの最高峰「segaGT2002」のサウンドトラック。それぞれの車が活躍した世代のテイストを取り入れた内容は聞き応え十分!
■ 発売元:キングレコード株式会社
タイトル発売日/データ解説
チュウリップ オリジナルサウンドトラック 11月22日
2,381円(税別)
KICA-1280
 10月3日に発売された、ゲーム世界のキャラクターと、チュウすることでストーリーが進展していく、異色のPS2タイトル「チュウリップ」のサウンドトラック。
■ 発売元:コナミミュージックエンタテインメント
タイトル発売日/データ解説
探偵 神宮寺三郎innocent Black - And For The Memory Of 15th Annivers 11月20日
3,059円(税込)
KOLA-003
 10月24日に発売された本格ハードボイルド推理アドベンチャー「神宮寺三郎 Innocent Black」のサウンドトラック。
■ 発売元:サイトロン・デジタルコンテンツ株式会社
販売元:株式会社ソニー・ミュージック ディストリビューション
タイトル発売日/データ解説
THE KING OF FIGHTERS 2002
オリジナル・サウンド・トラックス/プレイモア
11月20日
2,200円(税抜)
SCDC-221
シリーズ第9作目「KOF 2002」のサウンドトラック。「KOF」シリーズお馴染みのコンポーザーによるゲームオリジナルBGMを完全収録。ジャケットデータはヒロアキ氏による豪華描き下ろし

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[俺とGM]~ライターによる、GM思い出 暴れ語り~

●担当ライターが思い入れたっぷりにゲームとGMを語ります。


 [注目!] サイトロンウェブシティ内「GMステーション」にお姉さん1P & 2Pが登場! 
第1弾はお姉さん2Pの「セガゲームミュージック」徹底レビュー!!


■ Dance Dance Revolution 3rdMIX オリジナル・サウンドトラック Presented by Dancemania

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'99年12月に、東芝EMIから発売された「DDR3rdMIX」のオリジナルサウンドトラック。「Dancemania」などに収録されている版権曲に関しては、「それ、ゲームミュージックじゃないじゃん」という向きもあるかと思います。うーん、そうかもしれない。でも、ゲーム以外の音楽を聴く習慣があんまり無い(とりわけ洋楽)私には、「BUTTERFLY」などを聞くきっかけが、「DDRの筐体から聞こえてきた」というところで、ゲーム音楽と完全に分けて考えることは難しいんです。だって、ゲームやってなきゃ聞いてないもの。

  ついにシリーズ8作目が発売となる「Dance Dance Revolution(ダンスダンスレボリューション、以下DDR)」。こんなにシリーズが続くなんて、正直思っていませんでした。「DDR」以外もそうだけど、ゲーセンの音ゲーコーナーを見回すに、そのシリーズの多さに凄まじいなぁと思います。

 最初に「DDR」の台に1人で上がる勇気を与えてくれたのは、1つの曲、「BUTTERFLY」でした。「あいやいや……」の印象的なフレーズで始まる、可愛いボーカルがたまらん曲です。東芝EMIの「ダンスマニア」などにも収録されてるので、「DDR」をやったことがない人も聞いてほしいです。

 私は当初、この「BUTTERFLY」がやりたくて、「DDR」をやっていたようなもんです。矢印が少ない簡単モード「NORMAL」で踏めたら、次は難しい「ANOTHER」でやって、やっぱり面白い! そしたら今度はもっと矢印の多い「MANIAC」が登場したんで、次はそれで……、むむ? 矢印が多すぎて全然ダンスに見えないよ、でもまぁ「BUTTERFLY」だけはクリアしなくちゃねと。「MANIAC」=「バタバタしていて見た目が変」というラインを越えて以降は、雪崩のように矢印地獄にはまり込み、さらなる矢印を求めてやり続けました。矢印がぐちゃぐちゃあって、BPMが速く、譜面のパターンさえ面白ければ、後は何でも良いという感じで。足がすり減ってなくなってもいいよ、と思う感覚は今も変わりません。

 でも、矢印の種類は4つしかなく、2本の足で踏むことを考えれば、だんだん足運びのパターンも出尽くしてくるわけで(それでダブルプレイもかじるわけですが)。それでも結局シリーズを7作目までやり続けるモチベーションを、何が維持しているかと言えば、1つはコンボをつないだりパーフェクトを狙うという遊びの部分の面白さであり、1つはたくさんのノリのいい楽曲群です。

 「DDR」の曲はサイコーです!!

 毎度最新シリーズが出る度に、今度はどんな曲があるんだろう、って楽しみで仕方ないです。この「3rdMIX」に関して言えば、海外アーティストによるダンス楽曲のセレクションもツボにくるものばかりだし、コナミオリジナルの楽曲もまた「DDR」のゲーム性にマッチしつつ、ツボをぐさぐさ突く曲ばかりです。

 「3rdMIX」の「Dancemania」からのセレクトでは、まず「ぶーんぶーん」というボーカルがあまりに有名な「BOOM BOOM DOLLAR(K.O.G G3 MIX)」。これは、ダブル譜面の左右の激しい振りっぷりに、おなかがねじれそうになってキツ楽しい! また男性ボーカルが勇ましい「CAPTAIN JACK(Grandale Remix)」は、1人用のMANIAC譜面が「そんなリズムで踏ませるのね」っていう素直じゃないところがあり、「ちきしょうー、これ何なんだー」とか言いながら、楽しんでました。エンジン音がサーキットの緊張感をもたらす「RACE」は、ダブルをやり始めた当初に、練習曲としてお世話になりました。豪快な同時踏みに、楽しみながら1Pパネルと2Pパネルの位置を体に覚え込ませてもらいました。

 コナミオリジナルでは、「DEAD END」のサイレンに急き立てられる危機感がたまりません。交互に足が出る踏みやすい足譜なんだけど、すごく速いと感じてた当時は、つながった瞬間「よしっ!」と思ってニンマリしたもんです。サイレン音と言えば、6枚のパネルが楽しかった「DROP OUT」もいいよね、あの足譜さいっこーに好きだったなぁ! あ、すいません話を「3rdMIX」に戻して。女性ボーカルがパワフルで、男性のMCに叩きのめされる「DYNAMITE RAVE」。これはめったに繋がらない憎い部分が一カ所……つながらないと言えば、アフリカの民族音楽を意識した打楽器が野性味いっぱいにリズムを取る中、獣が「ガルー」って吠える「AFRONOVA」。最後に来る、ぎっしり詰まった同時踏みには、私が「ガルー」って吠えますよマジで。

 そして、コナミオリジナルと言えば、シリーズに当初ボス的存在として君臨していた「PARANOiA」!! かっくいぃー。「3rdMIX」では「PARANOiA Rebirth」の途中の八分ノンストップ部分や、後半が面白いですね。でもパラと言えば、BPM190の「PARANOiA MAX~DIRTY MIX~」が登場した時の衝撃が、心の中から消せません。オリジナルのパラと言えば、タイトル表示画像が水色だけど、選曲画面に姿を現した、見慣れない暗いトーンのタイトル表示。聞き慣れたオリジナルのパラが、DIRTYにMIXされて、邪悪で挑戦的なオーラをまとい、「クリアできんのかよ、やってみろよ」って言ってるように聞こえてきました。なので、毎度パラと名の付く新しい曲が出るたびに「やるぜー」って気分になるし、次はどんなパラかなーっていうのも、楽しみのひとつです。もうすぐ発売される新作「DDR」も、ロケテストで新パラを発見して、大興奮でした。ふふふー。

 「3rdMIX」が発売された時期は、丁度シリーズ2作目でシステムにも慣れ、最高難度のモードでも、怖じずにいろいろ選曲して遊べる程度には成長してました。なので発売当初は、ご近所に穴場を発見して、最初っから「MANIAC」限定で狂ったように順番に遊び倒したんです。たっぷり時間をかけて、いろんな曲で踏みまくり! 人生これ最高~、という感じでした。濃密な時間を過ごさせてくれた「3rdMIX」は、シリーズの中でも一番思い出深いのです。

[Text : 河本 真寿美]

♪ Writers PROFILE ♪

[1P]☆GMお姉さん[1P] ☆
遠藤 美幸(えんどう みゆき)
8月20日生まれ 獅子座 AB型

最近の私……本日、「疲れているからゆっくりおフロにつかろう」と思い、めずらしく湯ぶねに入ってあったまってたら、うっかり寝てしまってあやうく溺れそうになりました。危険すぎる! つかるの好きなんですが血圧が高いのですぐグラグラしてしまいます。まるでババァだわ、いやあね。ところで、先週のイチオシになっていた「神宮寺三郎」のサントラ、聴きまくっています。「神宮寺」と「PSO」でどんぶりゴハン50パイはいけるよ!

[2P] ☆GMお姉さん[2P]☆
河本 真寿美(かわもと ますみ)
12月28日生まれ 山羊座 B型

好きなゲーム/下手の横好きシューティング。
近況/ 踏みゲーで、しこたま汗をかいた後は、じーっと座って他のビデオゲームをやったり、汗を冷やしながら自転車で帰宅するため、ひと冬に5回風邪をひいたこともありました。さて、今年の冬は……? 最新作、早く発売になんないかなぁ。ロケテで見たとき、黄色(PERFECT)の上に、もうひとつ新しい判定が出来ていて仰天しました。異様~に楽しそうです。もうヤヴァイです、早っく、早っく!!


(2002年11月25日)

[Text by 遠藤 美幸 河本 真寿美 Produced by 佐伯 憲司]


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