発売元 Eidos Interactive
「Commandos」シリーズの開発元として知られるPyro Studiosが放つ新感覚RTS「Pretorians」のDemo。今年の年末商戦は、「Age of Mythology」、「Warcraft III: Reign of Chaos」を筆頭に大作RTS目白押しといった感じで、新参タイトルの付けいる隙すらない状況だが、輸入版ながらこれも選択肢のひとつに加えておきたいところ。新鮮さという点でクリティカルな魅力を秘めたRTSだ。
今も昔もRTSが世に登場してこのかた主流を占め続けているのは、「Age of Empires」タイプのスピード最重視のパワーゲームタイプだ。その一方で、勢力的には常に弱小ながらリアル系と呼ばれるRTSも存在する。比較的知られているタイトルではPyro Studiosの「Commandos」シリーズ、SSIの「Close Combat」シリーズなどがあるが、これらの特徴は、タクティクスという意味での用兵戦術が堪能できるところにある。
具体的には、主役であるユニットの性能に豊富なバリエーションを持たせ、その場の機転と作戦次第により、寡兵で大軍を覆滅できるところに最大の妙味がある。用兵や戦術そのものに興味がなければおもしろくもなんともないところが弱点だが、結果ではなく、その過程にカタルシスを求めるタイプのゲーマーにはたまらないおもしろさがある。個人的にもRTSの真の主流はこちらだと断言したいぐらいに愛着のあるゲームタイプだ。
「Praetorians」は、そうした“リアル系”久々の新作にして、初のフル3D化タイトルと考えると内容を掴みやすいだろう。時代設定はローマ帝国勃興時期のヨーロッパで、ローマ重装歩兵を初めとした古代兵の密集戦法の醍醐味が堪能できる。
Demoでプレイできるのはわずか1ステージだが、魅力を掴むには十分の内容。基本的には与えられた戦力で、フィールド上の敵戦力を駆逐していくことになる。フィールドには合流を待つ、騎兵部隊と街が2つある。占拠した街では、その人口内でユニットを生産することができ、戦力増強や街防衛に利用することができる。
フィールドは森と歩道のみで構成されており、プレイしてみるとわかるが、歩兵は森をガンガン踏破していくことができる。森に入ることで敵から身を隠すことができ、弓兵なら見つからずに一方的に攻撃することも可能だ。ただし、森を行軍するとその周辺で羽を休めていた鳥たちが一斉に飛び立ち、その存在がバレてしまうこともある。ただし、ユニットそのものは見えないため、逆に陽動作戦にも使える。
そうした会戦前の戦術性を飛躍的に高めているのが、斥候の存在。Demoで確認できた限りでは、タカを操る斥候と狼を操る斥候の2種類がいて、タカは森の向こうの敵の存在を察知し、狼は森に隠れる敵の存在を察知することができる。ユニットそのものは戦闘能力をまったく持たないので、その使用には細心の注意が必要とされる。ふたり1セットで使うのがもっとも効果的なようだ。
なお、部隊は30人1単位で構成されており、常に隊列を崩さずに行動していこうとするため、向きの変更にも時間が掛かるようになっている。また、重装歩兵なら亀甲状態になって弓矢を跳ね返しながら進んだり、弓兵ならしゃがみ込んで命中率を高めたりといったアビリティが用意されている。こうした手段をフルに駆使していかに敵を効率よく撃破するか。作戦が後手後手に回って、2部隊程度の騎兵に全軍が引っかき回されることもあれば、森で待ち伏せした弓兵部隊で敵を到達前に撃破できることもある。用兵戦術の読みあいの妙を堪能しながらじわじわと進んでいくRTS、それが「Praetorians」だ。
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