イノのギターを追え! ~ESP学園潜入記~ 其の弐

 9月に開催された「東京ゲームショウ 2002」に、「ギルティギア イグゼクス」の登場キャラクタ「イノ」がゲーム中で使用しているギターが展示されたのをご存知だろうか。サミーのブースでケースに入れて展示してあったため、来場した多くの人が目にしたことと思う。

 しかし、このギターがどのような経緯で誕生し、誰が制作し、現在どんな状態にあるかはほとんど知られていない。そこでこのコーナーでは、この「イノのギター」を追ってみようと思う。

 今週は、ギター制作のフレット打ちから組み立てまでを紹介。さらに、制作をお願いしたESPミュージカルアカデミーの講師である松本氏へのインタビューも掲載する。


いよいよ公開1週間前! ついに形が見えてきた!!
 先週はギターのボディーやネックの制作を紹介したが、今回は組み立てまでを公開する。

(11) フレット打ち
フレット(音程を決める金属の棒)をハンマーで打ち込む


(12) ナット取り付け (13) ピックガード加工
ナット(弦を支える支点となる部分)の製作。今回の素材は牛の骨 ピックガード(演奏時にボディーを保護する板)の製作


(14) 仮組込み
塗装に入る前に、一度パーツを取り付け演奏できる状態に。不備がないかチェックを行い、微調整 仮組込み終了。このあとパーツをすべてはずし、塗装に入る


 「東京ゲームショウ2002」では、組み立てまで終わったものが展示されていた。この後は、塗装をし、調整をすれば完成となる。次に紹介するインタビューでは、塗装中の「イノのギター」を見せてもらうことができた。「第3回 ギルティギア ゼクス フェスティバル」では、さらに完成した姿を見ることができるだろう。



個人で買うならいくら? 気になる質問を直撃!!

 今回特別に、ESPミュージカルアカデミーにお邪魔してギター制作中の松本氏にお話しを伺うことができた。GGWガールズのアヤカが様々な質問をし、ギターに関する最新情報をゲット。さらには、塗装中のギターに実際に触らせてもらった。その時のインタビューの模様を紹介する。

--まず、現在(10月9日)の完成度を教えてください。
松本:はい。一通り組みあがっているので、後は塗装するだけの状態ですね。だから、完成度は80%から90%といったところです。これからクリア塗装をして、最後の磨き作業を行ない、パーツを付ければ完成です。それと、綺麗な音がでるように調整なども必要ですね。

--制作するうえで、大変だったことはありますか?
松本:大変だったといえば、原作との違いでしょうか。なるべく原作のイメージを崩さないように作りました。一番最初にイラストを見た時は、ギターが浮いていたのでどうしようか悩みましたよ。流石に、ギターを浮かせることはできませんから(笑)。

--ここまで作るのに期間はどのくらいかかりましたか?
松本:8月後半から話しをいただいたので、2ヵ月ですね。ただ、本業は講師だから昼間は授業をしているため作業ができないので、授業の後や土日に時間作ってやりました。ちなみに、ウチの学生だったら、2年生が作れば3、4ヵ月くらいで作れると思いますよ。

--今回作ったイノのギターと市販されているギターとの違いってありますか?
松本:デザインはスタンダードな作りなのですが、今回はボディの内部をくりぬいて作りました。このことにより、楽器本体の響きがより音に影響するようになり、独特な効果が得えられます。中にタグも貼ってあります。それと、ちょっと細工して暗いところで、ネックの脇が薄く光るようになっているんですよ。会場じゃわからないと思いますが(笑)。

--もし、一般の方が同じものを注文したら、いくらくらいになりますか?
松本:数十万円はします。木材やパーツにもよりますが、30万円台といったところでしょうか。1本限りの特注ですからね。「第3回 ギルティギア ゼクス フェスティバル」で展示されたものを見てこのギターを「欲しい!」という方がたくさんいれば、もしかしたら販売されるかもしれませんよ。

--ギタークラフト科ではどんなことを教えてますか?
松本:最初にギター制作に必要な道具を全部渡して、ストラートキャスターのコピーモデルを作るところから教えます。1本のギターを作れば、ほとんどの道具が使いこなせるようになりますね。2年生になるとクラフトコース、テクニシャンコース、リペアコースなどがあり、幅広い知識やスキルを身に付けることができます。

--ありがとうございました。完成を楽しみに待ってます。



【専門学校 ESPミュージカルアカデミー】
 ギターメーカーの「ESP」が母体となっており、ミュージシャンをはじめ、音響等のスタッフ、プロデューサー、イベンター、さらに楽器クラフトマンにいたるまで、音楽業界にかかわるすべての人材を育成する総合音楽学校。今回紹介する「ギタークラフト科」は、まったく原型のない木材からイメージ通りのオリジナルギターを制作することのできる学科で、メーカーで培われた技術指導のもと、将来ギター業界で活躍する多くの人材を輩出している。

専門学校 ESPミュージカルアカデミー
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[Reported by 田名網陽平]



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