開発/発売元 Sierra Entertainment
Sierra Entertainmentの隠し球タイトル「Hoyle Casino Empire」のPlayable Demo。フルプライス(39.9ドル)の作品としてはグラフィックは前時代的で、パッと見た目の印象も弱いため、あまり期待していなかったのだが、箱庭ゲームの傑作だけが持ちうる圧倒的な吸引力でぐいぐい遊ばせてくれた。やはりゲームのおもしろさは実際にプレイしてみるまでわからない。早くも10月イチオシ第2弾の登場だ。
「Hoyle Casino Empire」は、ラスベガスを彷彿とさせる楽園都市を舞台に、できたてほやほやのカジノホテルのオーナーとなって、街一番のカジノを造り上げることを目的としたカジノ経営シミュレータだ。プレーヤーは文字どおりハコ状態のホテルを与えられ、広大なカジノエリアにスロットマシーンを置くところから始めなければならない。
Demoでは、ゴージャスなホテルThe Poseidonの経営を1年間限定でプレイできる。プレーヤーに課せられた使命は、5万ドルを元手にカジノレベルを2から4にして、400人のカジノ利用者を集めること。詳しくは後述するが、これらを1年で達成するのはかなり難しい。なお、途中のセーブ、ロードもできない。
「The Poseidon」ステージは、チュートリアルも兼ねていて、ひととおりプレイすればカジノ経営のノウハウを学ぶことができる。ただし、このチュートリアルは、ワナでもあり、言われたとおりにまじめに取り組んでいると、目的達成に間に合わなかったりする。とりあえず1回目のプレイではクリアは諦めて、2度目からはチュートリアルはキャンセルして、自分の思い通りにカジノ経営を行なっていくといいだろう。
基本的なゲームの進め方は、箱庭型の経営シミュレータと似たような感じで、スロットマシーンやブラックジャック、ビデオポーカーなど無数のゲーム機を設置していくことで、徐々に来場者が増えていき、上がった収益でさらにゲーム機を設置していくというもの。その一方で、来場者が快適に安全にプレイできるように、カフェ、バー、両替所やトイレ、セキュリティルーム、監視カメラといった施設も整えていき、来場者が増えるようにホテルそのものに装飾を付けたり、ホテルの客室を増やしたりと、やるべきことは無数にある。
同作にはゲーム性を高めるためのいくつかの工夫が凝らされており、ひとつは先述したカジノレベルが上げられること。たとえば2から3に上げるための条件は、来場者225人以上と現金5万ドル。3にアップグレードすることで、ポーカーをはじめとしたよりエキサイティングなゲーム機を設置することができるようになる。具体的な目標を与えられることで、マンネリに陥りがちな箱庭プレイに張りが生まれる。うまいシステムだ。
もうひとつは、「アピール」の要素。カジノフロアには樹木やブロンズ像、噴水など、さまざまなオブジェクトを設置できる。これらオブジェクトは、扱いとしては遊園地経営シミュレータにおけるお花やイルカの置物といった装飾品に近いが、同作のそれには具体的な効果が付与されている。同作のオブジェを設置すると、置かれた場所を中心に円形のアピールエリアが構築される。このエリア内に設置されたゲーム機は、ほかのゲーム機よりアピールポイントが高くなり、人が集まりやすくなる。結果、より効率的に収益が上げられるというわけだ(もちろん、ハイローラーに数万ドル持って行かれる可能性も倍増する)。
このアピール要素は非常に重要で、2重3重に重ねて影響を及ぼすことができるため、オブジェの設置は、ゲーム機の設置以上に気を配る必要がある。オブジェによって、アピール度の高さ、その範囲の広さが異なり、かなり戦術性が高い。「新しいエリアにポーカーエリアを設置しよう」と決めたら、一度ゲームをポーズして、もっとも効果の高いオブジェの置き方を考える。この過程がたまらなくおもしろい。ぜひプレイしてもらいたい傑作だ。
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