ひさしぶりに、全国大会のレポートをお届けしましょう。今回行ってきたのは千葉の市原市五井にある、チャリオット五井店です。五井は東京経由で千葉市よりさらに先にあるため、私の最寄り駅からは100キロ以上あります。いわゆる自販機で切符が買えない距離というやつで、ちょっとした小旅行になりました。
都心とはやや異なる地方のゲームセンター
なぜこのような遠くの店に行ったかというと、それには理由があります。実は私の昔のゲーム仲間がここに勤めているので、旧交を暖めに行ったというわけです。また都心から少し離れた場所にあり、地域密着型のゲームセンターだということも興味を引く理由でした。
五井はさほど大きな街ではありませんが、小湊線とJR内房線が通っていてターミナル駅となっています。チャリオットは、地元の学生を中心としてゲーマーが集まる店になっているのです。昨年訪れたときも、都心のゲームセンターに負けない盛り上がりを見せており、その人の多さにびっくりしたものでした。プリクラ、メダルゲーム、音楽ゲームのような筐体もの、汎用筐体のビデオゲームと、すべてがバランスよく設置されており、それぞれの客層がクロスオーバーしているのが印象深く感じられました。
大会前には近くの喫茶店でその友人と話しをしました。彼もかってはハイスコアや「ストII」の対戦名人としてならしたゲーマーです。お互いアーケードゲームに関わっているので、「トゥエルブズスタッグ」に左右にレバーを振るシンクロ連射装置をつけたらどうかとか、「WCCF」(セリエAのカードを使うサッカーゲームです)の筐体の内部構造についてなど、妙にマニアックな話題で盛り上がりました。ちなみに「ギルティギア イグゼクス」は格闘ゲームでは一番人気だとのこと。学生が多いせいか、チャリオット五井店では「バーチャファイター4 エボリューション」よりも対戦がさかんに行なわれているようです。
元祖からの古株キャラクタが猛威を振るう
さて、本題の大会についてレポートしていきましょう。大会は定員のマックスである64人で行なわれました。最初は48人を予定していたらしいのですが参加人数が増え、64人になったそうです。全国各地の予選会場でも遠征組が増え、参加枠を増やしたという話をよく聞きます。店の中には仲間連れの遠征組と思われる人たちもおり、激しい戦いが繰り広げられることが予感されました。
大会が始まる前は、対戦台で前哨戦が行なわれていました。この野試合ではテスタメントとアクセルが20連勝以上勝ち抜き、居合わせたプレーヤーを恐れさせていました。強いと言われながらも予選ではあまり活躍していない2キャラですが、果たして彼らは勝ち抜くことができたのでしょうか。
予選はまず4つのブロックに分けられ、トーナメントでブロック代表を決めることになりました。参加キャラクタで気づいたのは、新キャラやテクニカル系のエディやヴェノムといったタイプがかなり少ないということです。そのかわりにカイやソルといった旧キャラクタの多さが目立ちました。都心の強豪プレーヤーの中ではエディ、ディズィー、梅喧の比率が高いことを考えると、やはり人気キャラクタは地域によって違う、といったことを感じます。都心では強いキャラクタ、戦法はいち早く知れ渡り、多くのプレーヤーがすぐにマスターするものです。それが複雑でわかりにくい戦法でも、強いと認められれば関係ありません。一方、地方では最初に選んだ好きなキャラクタをそのまま遊び続ける傾向があり、それがこのキャラ差になっているような気がします。
激闘の結果、ブロック代表となったキャラクタはソル、カイ、ミリア、チップの4キャラとなりました。この4キャラクタは初代PS版の「ギルティギア」から登場するキャラクタで、ギルティの原点ともいえるキャラクタです。アクセル、テスタメントの2キャラは予選であっさり敗退。間違いなく実力はあったのですが……。普通に対戦台で戦うのと、大会で戦うのでは心理的なプレッシャーが違います。大会で勝ち抜くにはプラスアルファが足りなかったようです。
決勝は4人の総当たりリーグ戦で雌雄を決します。リーグ戦で全勝したのは「マツ」さんのミリア。間合いの取り方が絶妙で、抜群の安定感で優勝を決めました。新技のサイレントフォースを連携や連続技で使いこなしており、研究で一歩抜きんでていた感があります。準優勝は「MIU」さんのソル。街でよく見かけるタイプのソルと明らかに違うのは、ジャンプPの対空技を駆使していたことです。それも先読み気味に出すことによって、立ち回りの動きに変化をつけていました。また、相手の動きを読んでのヴォルカニックヴァイパーはさすが。ふたりはそのほかにもさまざまな崩しのテクニックを駆使していましたが、それは大会でのお楽しみとしましょう。
予選を勝ち抜いたキャラクタの種類を振り返ってみると、思ったよりばらけた結果となっています。まだ予選を勝ち抜いていない残りのキャラは、メイ、スレイヤーなど数キャラのはず。果たして決勝大会には全種類のキャラクタが出そろうのでしょうか。これからも見守っていきたいと思います。
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