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GUNGRAVE O.S.T.
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発売元:ビクターエンタテインメント
製品情報:こちら
価格:〔初回版〕3,500円(税抜)/〔通常版〕2,900円(税抜)
発売日:2002年7月24日
品番:〔初回版〕VIZL-65/〔通常版〕VICL-60845 |
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■ 「GUNGRAVE O.S.T.」
「GUNGRAVE(ガングレイヴ)」は銃で敵をなぎ倒していくアクションゲームなのだが、アクションゲームの一言に当てはめるにはあまりに勿体ない。いぶし銀の世界を、とことんこだわった独自の世界観で、ディープに表現しているのだ。
始まりは、幻想的な巨大なビル街。重そうなアタッシュケースを引きずった少女が現れ、歩みの後には赤い血の跡が続く。このシーンも、本当に美しい。この破壊に満ちた、美しく哀しい世界観を作り上げるのに大きな役割を果たす曲の数々が、アルバムとなって登場した。インナーもオシャレで、作りが細かく、こだわりが感じられる。
私が最も気に入っているのは、全曲の中でも異質な1曲目「Here comes thr rain」。殺伐とした戦闘のさなかに、ふと空に虹を発見したような気分を感じさせてくれる。思わず目を細めてキレイだなぁと思うロマンに、ぎゅっと胸を締めつけられる。
組織を相手に単身戦いを挑む主人公、死神「ビヨンド・ザ・グレイヴ」の姿は、実に格好いい。二丁の巨大な銃「ケルベロス」を操って、ひたすら敵を撃ちまくれば、ケルベロスの咆吼がコントローラーからドスドス響いて死のRAVEを刻む。しかし戦いを終えれば、そんな彼にも束の間の休息が訪れる。Dr.Tと少女がグレイヴを待つ、簡素なコンピュータールームに戻ってくるのだ。物語を理解するため会話を交わしたり、セーブを行なえる、いわゆる幕間の場面。ここで、控えめにバックに流れているのが「Here comes thr rain」だ。
ノスタルジックな男性ボーカルの優しい歌声は、子供の頃にどこかで聞いたことがあって、でも外国語だから意味はわからなかった、それでもずっと聞いていたかった、そんな思い出の曲の記憶を呼び起こす。ラジオから流れているような雰囲気にしてあるのも、シブい。まるで戦闘から切り取られたこのシーンを、絵に仕上げるための額縁みたいだ。
2曲目以後に続くサウンドも、粒ぞろいと言っていい内容。1曲目以外は、ジャズのテイストに民族音楽が被さったような独特の楽曲となっている。オープニングの曲「gunlock」など、グレイヴ同様、シブくてパンチが効いた、大好きな曲のひとつだ。
曲を作っているのは、アニメ「トライガン」の音楽を手がけた今堀恒雄氏で、デザインを手がけた内藤泰弘氏とは、「トライガン」以来の最高のコラボレーションを見せたコンビだ。このCDを聞けば、私と同じく、今堀氏の手がけた他の曲も聞いてみたいと思うのではないだろうか。
[Text : 河本 真寿美]
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GUILTY GEAR XX オリジナルサウンドトラック/サミー
発売元:サイトロン・デジタルコンテンツ株式会社
製品情報:こちら
価格:3,300円(税抜)
発売日:2002年7月24日
品番:SCDC-OO191-192
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■ 「GUILTY GEAR XX オリジナルサウンドトラック/サミー」
大人気対戦格闘ゲーム、「ギルティギア イグゼクス(以下GGXX)」のオリジナルサウンドトラックがついに発売された。オープニングからエンディングまで、ゲーム中のサウンドを余すところなく収録。さらにボーナストラックとして、「MEET AGAIN(ジャスティスのテーマ)」などプレイステーション 2版「ギルティギア ゼクス プラス」のみに使用されている楽曲を5曲追加。もりだくさんな2枚組となっている。
「GGXX」のサウンドレコーディングは2カ月間スタジオにこもって行なわれた。「今回一番こだわった各ミュージシャンたちの“グルーブ感”、そして楽器が奏でる“へヴィーな音”を重視したかった」というサウンドプロデューサー鈴木高雄氏の弁にその意図が明確に表現されている。じっくり時間をかけて作り上げた今回のサウンドは「ヘヴィー」で「ハード」な「GGXX」の世界をたっぷり味わえる。
各キャラクタのテーマ曲は前作のリミックスではあるが、よりいっそうドライブ感が増す仕上がりになっている。もちろん新キャラクタの4人のテーマ曲は新作だ。印象的だったのは、「ギルティ」サウンドのほとんどがメロディはギターで構成されていることが多かったが、「GGXX」のスレイヤーのテーマ「HAVEN'T YOU GOT EYES IN YOUR HEAD?」はサックスがメインだったこと。シブくてダンディなスレイヤーにはお似合いだ。続くザッパのテーマ「GOOD MANNERS AND CUSTOMS」もキーボードが幅をきかせているので、新キャラのテーマはなんとなく作風が違って聞こえたのかもしれない。もちろんしっかり「ギルティ」らしいのだが。
今回新しく起こされた新曲は、新キャラのほかには「NOONTIDE(ソルvsカイのテーマ)」、「NOTHING OUT OF THE ORDINARY(同キャラ対戦のテーマ)」など条件限定で聞くことができる3曲だ。どの曲も前作と比較するとさらにハードなイメージ。前作がどちらかというと「スピード感」を感じさせたのに対して今作は「ヘヴィー」という言葉がよく似合う。
しっかり世界を持っているこのシリーズのサウンドが、これからどのような方向性を目指して、どのように変化していくのかが楽しみになるような今回の「ギルティギア イグゼクス オリジナルサウンドトラック」。初回プレス盤はパッケージのイノのステッカー付きなので、早めの入手が吉。
ちなみに、サウンドプロデューサー鈴木氏がバンドを組んだそうなので、ぜひとも「ギルティギア」のライブを実現させてほしいと思う今日この頃である。
[Text :遠藤 美幸]
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