開発/発売元 Limitless Horizons Entertainment
ルーマニアのブカレストに本拠を置くゲームデベロッパーLimitless Horizons Entertainmentが2003年春発売を目標に現在開発を進めているMMORPG「Realms of Torment」のTechnical Demo。クライアントはαバージョンと記されているが、完全なスタンドアロン環境で、同作が採用予定のグラフィックエンジン「Abyssal Engine Version.2.0」の出来映えを確認するといった内容だ。
「Realms of Torment」は、中世世界をベースに剣と魔法の物語を描いたオーソドックスなMMORPG。Demoでは、30分程度で1周出来るエリアを自由に探索できる。といっても、モンスターやNPCなどは一切登場せず、まったく無人の荒野をただ歩き回れるだけといった内容。時間の進みも異様に早く、感覚的には10分程度で1日が経過する。朝は朝日がまばゆくフィールドを照らし、その後太陽がぐんぐん中空へ登っていく。と思ったらだんだん薄暗くなり、ふと後ろを振り返ると大きな月が出ているといった具合。Technical Demoとはいえ、実にせわしないゲーム展開だ。
フィールドには平野のほか、森林地帯、山岳地帯、そして城塞がひとつあり、フィールドの境界の先にはブルーのテクスチャがどこまでも続いているといった具合で、現時点ではゲームとしてまったく成立していない。「Abyssal Engine Version.2.0」の出来もいまひとつで、特筆できるのは朝日のライティングエフェクトぐらいのもの。「Ever Quest II」や「Ashelon's Call II」はいうに及ばず、現行の「Ever Quest」、「Dark Age of Camelot」にも追いついていない。
キャラメイクから行なえるのが唯一の救いといってもいいが、振り分けたパラメータを実際に試すことができないのは残念なところ。これまでネットワークゲームには消極的だったヨーロッパ市場にも、Codemastersの「Dragon Empires」や、CDV Softwareの「Neocron」などなど、MMORPGの大きな波が押し寄せてきている。「Realms of Torment」の今後の練り込みに期待したいところだ。
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