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【連載第14回】 気になる海外ゲームをピックアップ


西尾ゆきの海外ゲームレポート

ナノテクノロジーで人体改造もしてしまう
未来の惑星を舞台にしたSF MMORPG
「Anarchy Online」

 クライアントをダウンロードするだけで、もれなく7日間の無料プレイが可能になった「Anarchy Online」。SF世界を題材にした巨大MMORPGは、先日のバージョンアップで日本語フォントでの会話も可能になった。敵対勢力がしのぎを削る未来の惑星での冒険は、これまでのファンタジーRPGにはない雰囲気。昨年6月の発売当時のプレイに乗り遅れた人は、今が絶好のプレイチャンスだ。なお、MMORPG初心者のために、ゲーム序盤の進め方を別稿にまとめたのでそちらもぜひご一読いただきたい。

遠い未来の惑星を舞台にしたSF MMORPG

 「Anarchy Online(以下AO)」は、惑星Rubi-Kaで資源を占有する巨大企業Omni-Tek社とそれに対抗する勢力Clanとの争いをテーマにした、SF世界のMMORPGだ。プレーヤーはペットロボットを引き連れたり、仲間を治療したり、超能力でモンスターを攻撃したりなど各種職業につきながら、さまざまなスキルを自由に育成していき、惑星Rubi-Kaでの冒険を楽しむ。

 個人個人が自由にプレイできる自動生成クエストや、広大なフィールドと大規模な都市、平和なゾーンとPvPエリアがガスの濃度の段階で示されるユニークなPvPシステムなどが魅力のMMORPGである。いかにも未来宇宙といった感じの設定や豊富なアイテム、キャラクタ技能などが、ファンタジーRPG一色だった中でとても新鮮に感じられる一本だ。

 先日のパッチではついにゲーム中で日本語フォントが使用できるようになり、SFチックな背景を舞台に日本語でチャットできるようになった。また、現在、7日間分のプレイが無料となるキャンペーン中で、クライアント本体(649MB)がダウンロードできるようになっている。ただし、申し込みにはクレジットカードが必要なので注意してほしい。通常の課金は$12.95/1カ月、$33.95/3カ月、$59.95/6カ月となっている。では、AOの世界観やゲームシステムを見ていこう。

広々とした未来世界での冒険 戦闘はEverQuestやDark Age of Camelotなどと同様に、一度始めると自動的に継続する ちょっと他のゲームでは見られない珍妙な格好のプレーヤーが通りにあふれている

互いに敵視し合う2つの勢力

 ゲームの舞台となる惑星Rubi-Kaでは二つの勢力が争っているというストーリーで、ゾーンや都市ごとの特徴、そしてPvPに関連した部分もその勢力争いを元に設定されている。プレーヤーはRubi-Kaから採掘される資源を独占して利益をあげているOmni-Tek社と、それに対抗するRubi-KaのClan連合、もしくは中立のNeutral勢力を選び、惑星での生活を営むことになる。

 3つの勢力はそれぞれに影響圏を持っていて、Omni-Tek社が支配する都市、Clanの支配下にある都市などがある。それ以外の場所は無法地帯となっていて、精神安定ガスの濃度が低い場所では敵対勢力同士のプレーヤーキャラクタやNPCを攻撃でき、ガス濃度が著しく低い場所では同じ勢力同士のプレーヤーさえ殺しあえてしまうという、危険な世界なのだ。

 通常、都市部は精神安定のガス濃度が100%と平和なのだが、隣接するエリアでは濃度はやや低く75%となってモンスターが人に襲い掛かり、辺境や危険地帯ではガス濃度0~25%となって、人が人を攻撃できるようになっている。また、敵対勢力のNPCはプレーヤーキャラクタを無条件に攻撃してくるなど、敵地近くに乗り込むのは非常に危険という設定が生かされている。

Omni-Tek側の都市
いかにも未来社会という感じの大きな大きな建物が多いOmni-Tek側の都市風景。消費文化にまみれてそれなりに幸せを感じてしまう

Clan側の都市
ちょっと古代風な建物が味のあるClan側の都市。住宅街のようなところは細い道と建物が建て込んでいて初心者は迷いやすい

新ダンジョンのあるAvalon
13.6パッチで導入されたCamelot Dungeonは、その名の通りAvalonにあるお城の地下に存在しており、ガス濃度25%の危険地帯だ

自由に組み合わせられる4つの種族と12の職業

 プレーヤーキャラクタが選べるBreed(種族)はステータス的にそれぞれ特徴のある4種類。これはOmni-Tek、Clan関係なしに共通のものとなっている。

ソリタス(Solitus)
平均的な心身を持った一番人間に近い種族
オピフェクス(Opifex)
やや体力的に劣るが素早さに秀でた種族
ナノ(Nano)
精神的なステータスに秀でた種族。そのぶん身体能力は低い
エイトロクス(Atrox)
肉弾戦にすぐれた巨躯の持ち主。直接的な戦闘を好むのだったらこの種族

レベルが上がればこんなロボットを連れ歩けるようになる
 キャラクタには12のProfession(職業)が用意されていて、それぞれにスキル育成に対する得手不得手がある。つまり、こちらの職業ならそれほどボーナスポイントを使わずに伸ばせるスキルでも、別の職業では大量のポイントを必要とするといった具合だ。また、職業固有のアクションやナノプログラム(ファンタジーRPGの魔法のようなもの)を使用することもできる。

 どの種族を選んでも好きな職業に就けるのだが、その職業に合ったスキルを伸ばそうとする時にキャラクタの基本ステータスもかかわってくるため、あまり方向が違う種族と職業の組み合わせは苦労してしまう。オーソドックスに組み合わせていけば、体力のあるエイトロクスであれば、攻撃力に秀でた肉弾戦向きのEnforcerを選ぶといった風になり、この辺は、他のファンタジー系MMORPGと同様だ。ただし、AOは自分が作りたいようにキャラクタが作れるので、苦労はするかもしれないが、自ら棘の道を歩むこともできる。

 ・冒険家(Adventurer)……銃や武器をなんでも扱えてしまう。クリーチャーに変身できる
 ・捜査官(Agent)……ライフルやスパイ系スキルが得意。他の職業に身をやつしてナノプログラムまで操ってしまう
 ・官僚(Bureaucrat)……攻撃やチャームの各種ナノプログラムを操り、ロボットを召喚できる
 ・医者(Doctor)……治療系のナノプログラムに秀でた職業
 ・用心棒(Enforcer)……攻撃力のあるスキルが得意な肉弾戦タイプの職業
 ・エンジニア(Engineer)……生産スキルと召喚系のナノプログラムが操れる。ゲーム開始時からペットロボットを扱える
 ・仲介者(Fixer)……それほど腕力はないものの、移動に関する特殊能力が高い
 ・武道家(Martial Artist)……素手での攻撃が得意な職業。直接戦闘にも適している
 ・刑而上学者(Meta-Physicist)……ペットクリーチャーを複数召喚できる
 ・ナノテクニシャン(Nano Technician)……攻撃的なナノプログラムが得意だが、直接戦闘は苦手
 ・兵士(Soldier)……銃火器を扱いたい人にぴったりの職業。ナノプログラムは苦手
 ・商人(Trader)……生産系のスキル以外にも特殊系スキルもそこそこ得意

自由に育成できるスキルシステム

好きなときにIPを割り振ることができる。あれもこれもと欲張るとポイントがすぐ足りなくなってしまう
 スキルは系統ごとに数多く用意されている。アクティブスキルというよりパッシブスキルがほとんど。何らかのアイテムやナノプログラムを使うのにステータスやスキルの一定数値が必要となっていき、スキルに関連した行動を行なうために日々能力を磨かなくてはならない。

 種類は武器・銃火器系といった武器を扱うものから、攻撃の回避率を高めるもの、マップを読み込む力をあげるもの、乗り物を運転する技術などなど実にバラエティに富んでいる。

 スキルは、キャラのレベルアップ時にもらえるImprovement-Point(IP)と呼ばれるボーナスポイントを自由に割り振って高めていく。ひとつのレベルの間に高められる上限があったり、ステータスなどによっても上限がでてくる。どのスキルも自由にレベルアップさせていけるのだが、職業によってスキルアップのIPコストが増減するというシステムだ。しかし、ある程度の道筋はつけられているものの、スキル習得自体には可不可がなく、努力すればかなり自由なキャラクタ育成が可能となっている。

ユニークなクエストシステム“Mission”

好きな時に好きなだけプレイできるシステムは、パーティプレイ前提のMMORPGが多い中で珍しい
ミッション装置のまわりには常に人でいっぱい。皆、無言で装置をいじっている
 AOでもっとも特徴的といえるのが、プレーヤーが自由自在に作成できる自動生成クエスト「ミッション(Mission)」だ。これは自販機のような装置にアクセスすると、いろいろな条件(お金がいっぱいがいいとか、Goodな内容がいいとか)を選ぶだけで、その都度クエストが自動生成されるのである。

 ミッションを一度受けると、都市の中のランダムな建物がミッション用ダンジョンの入り口となり、そこにプレーヤーが入ると、自分だけのダンジョンが生成されているといった具合である。ミッションの目的はアイテム運びやアイテム奪還、暗殺など5種類あるが、いずれもダンジョンの中に入り込んで敵と戦いながら、目的を果たすものになっている。

 ミッションをクリアすると、プレーヤーは経験値とお金、そしてご褒美のアイテムをもらえる。褒美アイテムは、ミッションをリクエストした時点でわかるので、次から次へとミッションをリクエストして、自分がほしいアイテムがもらえるミッションを見つけるまで、スロットのようにお金をつぎ込んで、ミッション装置でミッションを作成してしまうのだ。

 このミッションシステムのいいところは一人で気兼ねなくプレイできるところで、MMORPGは好きだけど、その中で一人でいるのが好きという個性派プレーヤーにぴったりだし、ソロでも精神的にも経験値的にも十分に満足できるというのはMMORPGの中では貴重だ。

 ただし、その一方でチームミッション(パーティ専用ミッション)システムの方はまだ稼動していない。パーティプレイしたくてもできないというのが現状で、シングルミッションのミッションキーをコピーしてパーティに持たせれば複数で遊べるものの、なんとも遠回りな方法のため、もっぱらソロでミッションを楽しむ人が多いようである。

自分で作って自分自身に埋め込む“Implant”

 宇宙人に誘拐された話に良く出てくるImplant(インプラント。宇宙人が誘拐した人間によく埋め込む)だが、AOの中ではキャラクタの能力を伸ばすための重要なアイテム。Surgery Clinicという装置を使って体に埋め込み能力アップのアクセサリとなるのだ。

 しかも、ベースとなるインプラントに各種効果をもった追加のNano Clusterをはめ込めば、さらに様々な効果を身に付けられることになる。SFという舞台設定ならではの装備品だ。

 MMORPGで何が嫌かというと、他にも自分に似たキャラクタを見た時の幻滅感。たかがゲームといえど、ネットゲームでのアバターには自分なり、もしくはキャラクタなりの個性を持たせたいものだ。その点AOはかなりキャラクタの個性を演出できる。

 まず、服の種類が多い。体の各パーツが細かく分かれている上に、それぞれに何十種類もの男女別の洋服が用意されているのだ。ギャングのようなトレンチコートから、'60年代風のサイケデリックファッション、近未来な水着から、わけのわからない宇宙服まで、実に様々だ。

 そのため、キャラクタの髪型と顔のセットのバリエーションはそれほどではないのに、誰一人として同じ格好のキャラクタが歩いているようには見えない。また、アパートの部屋を飾る植木鉢から装飾品のサングラスはともかくとして、プレーヤー用の乗り物として飛行機(大きさはやや小さい)まで用意されている。

 そして、AOにはネットワークゲームならではなキャラクタ動作も豊富に用意されている。その数62種類。中には、あまりに失礼な動作なのでカットされてしまったものもあるが、飲み食いにダンスに感情表現と、会話をつければどんなシチュエーションも演出できそうな動作ばかりなのだ。

この装置で体にImplantを埋め込む。携帯用の手術道具も売られている 思わず吹きだしてしまうような動作もあり 乗り物は非常に高価な上、操るにはスキルのレベルも要求される

服装に気を使っているプレーヤーが実に多い

まさに今が遊び時のビッグなMMORPG

 βテスト時や発売直後にはずいぶんバグフィックスの甘さを言われたAOだが、今回のプレイではこれといったバグには遭遇しなかったし、なにがしかの不具合や未実装システムがあってもMMORPGの範疇内といった印象だった。

 私が実際にゲーム内で出会った腹立たしいことは、ミッションダンジョンの中で突然コネクションロストして、入りなおしたらモンスターが全復活していて、手に入れたはずのアイテムが失われていたといった程度(軽い巻き戻り)。また、Omni Tek側、Clan側に限らず、大都市中心部ではかなりのラグに遭遇したが、ミッションダンジョンやフィールド上ではそれほどプレイに支障をきたすことはなかった。

 唯一不満があるとすれば、製品発売から4年間で大きなストーリーが完結し、その間のプレーヤーたちの行動によって結末も変わっていくとのことだが、ミッションにこもりがちなライトプレイではあまりメインストーリーに関心を持ちづらいことだ。

 だが、ゲーム内容はこなれてきているし、何より日本語フォントが通るようになったということで、日本人プレーヤーには今がプレイの絶好のチャンスに思える。SF的な世界設定にあわせた職業、ペットロボットや無限大に組み合わせが広がるインプラント、自分で選んで自分で育てられるキャラクタ能力、改良できる武器などなど、これでもかというボリュームは魅力だ。初期の不評だけで判断してこれだけの広がりのあるMMORPGをプレイしないのはもったいない。ブロードバンド環境のある人ならば、まずはクライアントをダウンロードして、さっそく惑星Rubi-kaに降り立ってみてほしい。

アイテムはNPC販売員と自販機の両方から買える。こちらは洋服の自販機 街中をユラユラと不思議な乗り物が動いていたり、顔の見えないヘルメットの人が多かったり、SF風味がたっぷり 袖のかわりに刺青をつけるなんてこともできる

(C) Funcom 2001, 2002

【Anarchy Online】
  • ジャンル:MMORPG
  • 開発/発売元:funcom
  • 価格::無料(月額利用料金: $12.95)
  • 対応OS:Windows 95/98/Me/2000
  • CPU:Pentium II 300MHz以上(Pentium II 450MHz以上推奨)
  • メモリ:64MB以上(128MB以上を推奨)
  • HDD:700MB以上(1GB以上を推奨)
  • ビデオメモリ:8MB以上(32MB以上を推奨))


□「Anarchy Online」公式ホームページ
http://www.anarchy-online.com/


今週の気になる直輸入ソフト

 今回の秋葉原めぐりではあれこれとソフトを発見。すでに日本語化されているが「SimGolf」(6,800円)と「B&W Creature's Isle」(4,600円)の英語版がOverTopに。先週も見かけた「Tropico」拡張版のUK版(3,980~4,310円)とUS版(3,800円)始めとして、他にもストラテジーの「Europa Universalis 2」(6,800円~6,972円)、「Panzer Elite Special Edition」(4,500円~6,480円)、「StarWars Starfighter」(6,330円~7,200円)、「Disciples 2: Dark Prophecy」 (6,981円)などなども店頭で見かけられた。代理店版であるがT-ZONEの平台をP&A代理店版の「Serious Sam The Second Encounter」と「ブラック&ホワイト クリーチャー島 拡張キット」とが埋め尽くしていたり、この前までの新作に飢えていた雰囲気から一転、金欠を心配してしまうような状態だった。

SALT LAKE 2002
実売価格:4,750円 ジャンル:スポーツ

 モーグルの銅メダルでもりあがっているソルトレークシティ冬季オリンピック。スポーツゲーム市場を狙ってEidosから今回の冬季オリンピックを題材にしたスポーツゲームが登場している。オリンピック公式ビデオゲームと銘打たれており、体験できる種目は男子スノーボード大回転、女子アルペン回転、女子フリールスタイル・エアリアル、男子120mジャンプ、男子2人乗りボブスレー、男子アルペン滑降となっている。

 グラフィック自体はちょっと古臭いものの操作は簡単で、ジャンプ競技などは高所から一気に下ったりと気分爽快。ややバカゲーっぽい雰囲気もあるのだが、選んだ国のユニフォームや国旗がきちんと選手に反映されたりと細かいところにはこだわっている。たまにはお気楽にこんなゲームもいいかも。

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(2001年2月13日)

[Reported by 西尾ゆき]


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