Ubi Soft、本格派の新作タイトルを一挙出展
Pool of Radiance、Battle Realms、Tom Crancy's Ghost Reconほか

会期:9月2~4日(現地時間)

会場:ExCeL London

 PCゲームの出展が大半を占める今年のECTSだが、開催時期の微妙さからEidos InteractiveやInfogramsといったヨーロッパを代表する大手ゲームブランドが出展を見合わせており、結果的に中小メーカーの奮闘が目立つ内容となっている。そういった状況下で、E3と変わらぬ勢いで新作タイトルをバンバン出展しているのが、フランスに本拠を置くヨーロッパ最大のゲームメーカーUbi Soft Entertainmentだ。

「Pool of Radiance:Ruins of Myth Drannor」
 今回Ubiは、全出展社中最大のブースを確保し、PC(Windows)、プレイステーション 2、ゲームボーイアドバンス、プレイステーション、Macintosh向けの新作、計35タイトルを発表した。実際には商談スペースがブースの約半分を占めるため、出展されたタイトル数はその半分ほど。本稿では出展されたPCゲームにフォーカスしてレポートをお届けする。なお、発売時期の記載はいずれも欧米でのスケジュールとなる。

 まず1本目は「Pool of Radiance:Ruins of Myth Drannor」。本来は、ベースにしているコアルール「Dungeons & Dragons 3rd Edition」と同時発売予定で開発されていたタイトルだが、度重なる仕様の変更から開発が遅れに遅れ、今年の11月にようやく発売される運びとなった。3Dグラフィックを採用したファンタジーRPGである本作は、ゲームプレイ的にInterplayの「Neverwinter Night」やMicrosoftの「Dungeon Siege」と一部かぶるところがあり、開発が長引いている点ではやや不利かとも思ったのだが、マスターアップ直前のゲーム映像を見て、そのわずかな不安は綺麗に雲散霧消した。

 本作の最大のウリは、3rd Editionルールを採用した史上初のコンピュータRPGであることと、フィールドでの移動からシームレスにターンベースの戦闘に移行する、D&Dの特徴をうまく活かしたゲームシステムにある。通常は全員移動モードで、ラクにフィールドを移動でき、敵が現れると移動を停止し、デクスタリティの順に戦闘行動を取っていく。敵はフィールドでは移動先に出現することが多かったが、ダンジョンでは前に現れたと思ったら、横から後ろからと取り囲まれるシーンも多く、最大4人のパーティーをどう操っていくのか、相当に奥深い戦闘が楽しめそうだ。「Baldur's Gate」シリーズをプレイしたユーザーなら間違いなく楽しめる大作RPGである。

【Pool of Radiance:Ruins of Myth Drannor】
キャラの移動は左クリックで行なう、右クリックを押すとプルダウンメニューがポップアップ表示され、SpellやItemなどを使用することができる。これが非常に使いやすい

「Battle Realms」
 「Battle Realms」は、新規デベロッパーLiquid Entertainmentが開発中のオリエンタルな世界観のファンタジーリアルタイムストラテジー。リリースを見るとkabuki、geisyaなど、怪しげなユニット名が散見されるが、グラフィックはフル3Dで構築され、質感も良好で、プレイした印象では、アジア一帯の要素をごたまぜにした、極めて真面目なタイトルだ。プロデューサーが「Command & Conquer」を開発したEd Del Castilloという点でもゲーム性は安心できる。

 ゲーム内における勢力は“Clan(一族)”で表わされ、いずれも人型をしており、Dragon Clan、Serpent Clan、Wolf Clan、Lotus Clanの4Clanが用意されている。ユニットは農民や侍、修道士、魔法使い、オオカミ人間、ドルイド僧などがおり、一族によって使用できるユニットが異なっている。ゲームの進め方はリアルタイムストラテジーそのもので、フル3Dゆえのエフェクトの華やかさがウリといえる。また、菅笠のようなほっかむりをした農民たちの仕事ぶりも楽しく、カゴやタルを抱えて木の実をちぎりにいったり、水をくみにいったりする。このRTSにおける「内政作業」の最底辺を丁寧にゲームに盛り込んだ点も特徴のひとつといえそうだ。発売は11月の予定。

【Battle Realms】
3Dグラフィックを採用したRTSの中ではとびきり美しい地表グラフィックに注目したい

 続いてはRed Storm Entertainmentのトムクランシーシリーズ最新作「Tom Clancy's Ghost Recon」。「Rogue Spear」シリーズ同様オリジナルストーリーで、“Ghost Recon”と呼ばれる最新兵器で身を固めた米陸軍の特殊部隊を率いてさまざまなミッションに挑戦していく。最大の特徴は、新しくなった3Dグラフィックと、現実世界の最新鋭の歩兵装備が登場するところ。加えて、経験値システムが導入され、戦功に応じて隊員たちのスキルを上げていくことができる。マルチプレイは最大12人まで対応。発売は12月の予定。

【Tom Clancy's Ghost Recon】
あいかわらず隊員の動き、構えには独自のこだわりが感じられる。実際の画面は真ん中のイメージに近く、かなり実写に近づいてきた印象だ

【EverQuest:Shadows of Luclin】
3Dグラフィック採用のオンラインRPGとしては最大の成功を収めた「EverQuest」の最新アドオン。Lucinと呼ばれる新しい大陸(衛星)が追加されるほか、虎と人間のハーフの新種族Kerrans、シャーマンと人間の両方の特性を備えた新クラスBeastlordなども用意される。発売は12月の予定

【Il-2 Sturmovik】
「本日到着DEMO&PATCH」のコーナーでも紹介した、超期待のコンバットフライトシム「Il-2 Sturmovik」。どうしたわけかデモムービーの出展のみだった。発売は12月の予定

【Conquest:Frontier Wars】
これも「本日到着DEMO&PATCH」で紹介したスペースオペラ全開のリアルタイムストラテジー「Conquest:Frontier Wars」。残念ながら会場では未出展だった。発売は10月の予定。

【Myst III:Exile】
ヨーロッパでは9月7日にようやく発売となるアドベンチャー「Myst III:Exile」。発売直前と言うこともあって、プロモーションに力の入っていたタイトルのひとつだ

□ECTSのホームページ
http://www.ects.com/
□Ubi Soft Entertainmentのホームページ
http://www.ubi.co.uk/

(2001年9月3日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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