Microsoft Gamestock 2001開幕
Xboxの同時発売タイトルなどを発表

会場は各国の報道陣でごった返した
3月13日 発表 (現地時間)

Microsoftのゲーム部門を統轄するEd Fries Vice President。気さくに質問に答えてくれた
 米Microsoftは現地時間の13日、今年1年間に同社が発売する予定のゲームを一堂に会した発表会「Microsoft Gamestock 2001」を開催した。毎年行なわれている発表会だが、例年はPC用ゲームだけだったのに対し、今年はこの秋の発売を控えたXboxのゲームソフトも発表された。

 米Microsoftのゲーム部門を統轄するEd Fries Vice Presidentは開幕にあたり「私がむかしATARI用のゲームを制作していた当時に比べ比べものにならないほど進化している。当時はすべて私一人で制作していたが、現在では何百人という人数で制作されているほど規模が大きくなった。だが、その進化は一般の人には認められていないと思う。私としては『ゲームはこんなモノだ』と思われることが怖い」と現状のゲーム市場の閉塞感にたいする不安感を語った。この不安に対する答えとして「現状の少年を中心とした市場以外にも大きな市場があるはずで、そこにも売っていけると思う」と今後の抱負を語った。

 また、市場を広げるための今後のゲームのあり方について、「3Dゲームを数多く作ってきて我々はカメラワークなどについては十分経験を積んできている。今後は感情移入できるキャラクタ性が重要」としている。また、老舗のメーカーに我々 (Microsoftが) 立ち向かっていくことで、競争が生まれ、業界がより活性化していくと語った。

 最後に同氏は「映画でも音楽でもそうだが、素晴らしいものはただ単に余暇を過ごすだけでなく、きちんとメッセージが伝わってくる。我々にとっては“どんなゲーム”かではなく“どんなメッセージが伝わるのか?”が重要になってくる。今後ゲームはアートの領域に入らなければならず、それこそがエンターテイメントの将来だと思う」と同社が目指すゲームについて熱く語った。

 今回、Xboxのソフトが公開されたが、SDKが製品版にまでバージョンアップしていないため、半分の性能としており、今後数カ月で約2倍の性能になるという。


■ 米国では同時発売タイトル一番の注目作! Bungie Software「Halo」

 発表会では一番最後にもったいをつけて発表された「Halo」。同作品は2年前から制作されておりこれまでにもMacworldやE3で発表されており、完成が待たれていた作品。基本的には1人称視点のシューティングアクションだが、バリバリと敵を撃ち殺していくだけでなく、敵に見つからずに近づき殴り倒すなど、スパイアクション的な要素を含んでいる点などは、コナミの「メタルギアソリッド」などにも通ずるものがある。また、飛行機やジープのようなビークル (乗り物) が登場し乗り回すことができるほか、敵をひき殺したりもできるという。

 「Halo」は、宇宙人に攻められ数少なくなった人類の切り札として誕生したサイボーグとなり、宇宙人の殲滅を行なうのが目的。強化服を着ているため、敵に撃たれても、少々の高さから飛び降りても平気。武器なども多数用意されており、銃のほか光線銃のようなモノや、ライトサーベルのような剣も用意されているという。

 完成までにあと7カ月程度の工程を残すところまで完成しており、今後は完成度を上げるためのクオリティアップの作業に入るという。プレイした感覚ではバリバリとハデに銃を乱射する爽快感と、敵の背後からソロソロと近づき銃で殴ってまわりに気づかれないようにプレイしなければならない細やかさがうまく組み合わさっているように感じた。一方左手のアナログキーで前後左右への進行、右手のアナログキーで視点をグリグリと動かす操作システムは、PCではおなじみだが、日本のコンシューマ層に受け入れられるかは疑問だろう。
 Bungie Softwareの担当者によれば米国、日本においてはXboxと同時の発売を予定しているという。また、通信対戦に関しては「Microsoftが通信対戦に関して発表していない現在、こちらからコメントできることは何もない」とし、「ただし、画面を4分割してのプレイには対応している」という。

 ちなみに「Halo」の意味は“後光”。惑星のまわりを取り囲んでいるバリアがストーリーに関係してきており、このバリアを後光に見立ててこのようなタイトルとなったという。

宇宙人と生存をかけて死闘を繰り広げる。主人公の強化服がそれらしくてカッコイイ 飛行機やジープ系の乗り物 (ビークル) も登場。もちろん乗りこなすことも可能。こちらは3人称視点となっていた 主人公は強化された人間 (サイボーグ) なので、ある程度までの高さから飛び降りても全然平気。といっても、限界はあるらしい



■ グラフィックは綺麗だが、まだまだこれから……レーシングゲーム「Project Gotham」

 今回発表されたXboxのゲームとしては唯一のレースゲームとなるのが、Bizarre Creationsの「Codename:Project Gotham」だ。環境マッピングなどの技術を駆使し、高度なグラフィックを実現しているが、車の挙動関係のプログラムはこれから制作されるということで、まだまだ制作途中という印象を受けた。

 ゲームはこれまでの“時間”に縛られたゲームではなく、ポイント制となっている。このポイントは“美しい走り”を魅せた時に加算される。例えばドリフトがうまくいったり、敵車を抜くにしてもダラダラと抜くのではなくきびきびと抜いていくといった戦略が必要となる。

 ステージはロンドンをはじめとした4都市3地区の合計12地区を収録。その地区にはいくつかのコースが設置されているため、かなりの数となるという。日本からは新宿、渋谷、浅草の3地区を収録。国土地理院のデータを元に地形の高低やビルの高さなどもできる限り再現していくという。また、リプレイデータの保存も可能で、そのリプレイデータとの対戦も可能となっている。

車体に周囲の風景が映り込む環境マッピングなど各種テクスチャ技術が盛り込まれている 雨上がりのように、道路に車のライトが反射している 背景の建造物のリアリティもなかなかのもの。ちなみにここはロンドン



■ 個性的なキャラクタは日本では受け入れられるか微妙? 「Oddworld:Munch's Oddysee」

 これまで2度ゲーム化され米国ではかなりの人気を博したアクションゲーム「Oddworld」シリーズの最新作「Munch's Oddysee」がXboxに登場した。相変わらずとぼけたアクションがなかなか笑えるのだが、外見が個性的で、これまで日本ではあまり受け入れられなかった。今回はフィールドが完全3D化され、主人公も2人になるなどかなりの進歩を遂げている。

 登場するプレーヤーキャラはこれまでのシリーズにも登場してきた“Abe”と、今回初登場となるチビキャラ“Munch”。それぞれのキャラクタは得手不得手があり、状況に応じて切り替え、助け合っていかなければならない。具体的に“Abe”は陸上での行動が得意で、“Munch”は水の中での行動が主となる。また、“Munch”は小さいので、少し高いフィールドを飛び越えることができない。こういったところでは“Abe”が手助けするなどの工夫が必要となる。
 このほかにもフィールドで瞑想しているキャラクタ達に声をかけいろいろな作業を手伝ってもらわなければならない。

 登場は2001年の秋で、プレイできた感触としては制作もかなり進んでいるようだった。

相変わらず個性的なキャラクター達。目がギョロギョロしています この2人が主人公。状況に応じて切り替えることでステージをクリアしていく 完全な3Dとなったステージで、これまで以上の謎がユーザーを待ちかまえている



■ このほかにも数々のゲームを出展

 このほかにもいくつかのゲームが公開された。

 ひとつめは、自由な滑りを実現したスノーボードゲーム「Amped:Freestyle Snowboarding」。コースだけでなく山の約30%を再現したことで、コースを外れ林の中を抜けて滑ることも可能となったという。世界各国の有名な7つの山々をモデリングしているという。ゲームの目的は単純に有名になること。滑ることで雑誌の記事やテレビの出演を勝ち取り、それらの行為によりお金を獲得。ウェアやボードなどの強化を進めていく。

 米国ではかなり重要な要素となるスポーツゲームだが、特に重要なのがフットボールゲームだ。Microsoftのスポーツゲーム部門が今回発表したのは「NFL Fever 2002」。グラフィックも進化しているが、それだけでなくユーザーのフィードバックを元に、“戦略性”を重要視したという。CPUキャラクタがおかしな動きをしないように気を配ったという。

 “火”、“水”、“地”、“空”の4大元素を自由に操る主人公となり、ファンタジックな世界を旅するアクションが「AZURIK - Rise of Perathia」細かなモデリング技術ももちろんだが、テクスチャの使い方が効果的で、大瀑布と溶岩が流れ込むステージはかなりの迫力だった。敵には対応した元素を持っており、それに合った方法で攻撃しないと効果は現われないと言う。主人公のアクションはダイナミックでなかなか面白い。ただし、なぜか主人公は青色で、そう言った点では日本人ウケは難しいかもしれない。同作品の開発者は「XboxのHDDを使用することでステージ間をシームレスに行き来することができる」と語っており、HDDをテンポラリファイルのように使用して工夫することでこれまでは実現できなかったことを可能としているようだ。

 このほかにも「Nightcaster」やBlitz Gamesの「Fuzion Frenzy」などが展示されていた。

有名な山々を再現している「Amped:Freestyle Snowboarding」 「米国ではファーストラウンチにスポーツゲームは欠かせない」とEd Fries。「NFL Fever 2002」 上半身ムキムキな屈強な若者が主人公。デモを見た限りではテクスチャの使い方がなかなか雰囲気をだしていた「AZURIK - Rise of Perathia」
先日発表されたファーストパーティのひとつBlitz Gamesのタイトル「Fuzion Frenzy」 見た感じは日本っぽいアクションRPG「Nightcaster」


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□米Microsoftのホームページ
http://www.microsoft.com/
□Gamestockのページ
http://www.microsoft.com/games/gamestock/
□Xboxのホームページ
http://www.xbox.co.jp/
□Xbox関連のソフトの情報ページ
http://www.microsoft.com/games/home/gameslist.asp?platform=XBOX
□関連情報
【1月7日】Xbox、エンターテインメントの本場ラスベガスで初公開!
http://game.watch.impress.co.jp/20010107/xbox1.htm

(2001年3月14日)

[Reported by 船津稔]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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