REGZA(レグザ)でゲームこそサイキョーだ! プロゲーマーももち VS 大画面マニア 西川善司 ストリートファイターVでガチバトルも!!

今年10周年を迎える東芝レグザは、今ではすっかりと「ゲームファン御用達」のテレビブランドとなった。

これは、「ゲームをプレイする際にうれしい機能の数々」を東芝レグザが積極的に盛り込み、それら機能の数々がゲームファン達に受け入れられ、「ゲームをプレイするならばレグザにしておけ」という認知が草の根的に進んだことに起因している。

そうしたゲーム機能の数々は、最新フラッグシップの4Kモデル(3840×2160ピクセル)「レグザ Z20Xシリーズ」でさらに進化を遂げ、カプコンの話題作「ストリートファイターV」の公式テレビにもなっている。

今回は、そうしたレグザのゲームモードについておさらいしつつ、ストリートファイターVのプロデューサーやプロゲーマーも交え、その意義について検討してみたい。

レグザの歴史は「遅延」との戦いの歴史!

格闘ゲーム、シューティングゲーム、音楽/リズムアクションゲームなど、リアルタイム性の高いゲームをプレイする際に問題となるのが「表示遅延」の問題だ。

よくある誤解のひとつで「液晶だから遅延するんでしょ」というのがあるが、これは大きな間違い。液晶の応答速度はいまや毎秒60コマ(1コマあたり約16.67msec)、毎秒120コマ(1コマあたり約8.33msec)を表示するのには必要十分な応答速度があり、早いものでは1msec以下のものもある。

※msec=1000分の1秒

実は液晶テレビでの「遅延」は、液晶パネル側の問題よりは、むしろ高画質処理をつかさどる映像エンジンに起因する。

筆者が映像エンジン側の遅延問題を強く認識したのはおよそ2007年頃のこと。この頃の液晶テレビは、各社が映像エンジンの画質強化に励んだ反面、遅延の大きさが省みられなかった時代である。それこそ、60Hz(60fps)表示時で10フレーム以上遅延の製品もあった。筆者はこの頃からテレビメーカー担当者に「映像エンジンの遅延が大きすぎてゲームユーザーは困っています」と提言し、いわばロビー活動を各メーカーに対して行い始めたのである。この活動はメーカー全社に対して行っていたのだが、一番反応と動きが早かったのが東芝レグザだった。それこそ、話をした直後に映像エンジン開発チームからヒアリングを受けることが多々あったほど。

レグザのゲーム性能進化の歴史

そして最初の低遅延レグザとして登場したのが、2009年に登場した「レグザ Z9000」シリーズであり、同シリーズでは、1080Pで約18msecの低遅延を実現し、タイミングが重要なゲームもより快適にプレイできるようになった。今でこそ映像エンジンプロセッサーは低遅延に配慮した設計となっているが、当時のプロセッサーはそうではなかった。にもかかわらず、Z9000シリーズは当時の液晶テレビとしては最速レベルの60Hz時約1フレーム+α程度の低遅延を実現した。ゲーム映像はテレビ放送や映像ソフトとは異なり、MPEGノイズ無しのベースバンド映像であることから、各種映像処理をバイパスしても画質的に問題ないことに着目。既存の映像エンジンの仕様範囲内で、「涙ぐましい努力による低遅延」を実現していたのであった。余談にはなるが、筆者も要望していた「PSPのテレビ出力映像を全画面サイズで表示する機能」(ポータブルゲーム機対応機能)もさりげなく搭載されていたりする。

その後、2010年の「レグザ Z1」シリーズでは、映像エンジンプロセッサーを開発初期段階から低遅延に配慮して設計することで、必要最低限な映像処理(例えば解像度変換のスケーラー処理)を入れても同等の低遅延を達成した。

そして、現状に満足せずさらに低遅延進化を推し進めた開発部隊は、これまで別プロセッサーだった倍速駆動の補間フレーム生成エンジンを、主要映像エンジン側に統合した「レグザ Z2」シリーズを2011年に発売。入力されてくる映像データをバッファにためてから処理するのではなく、バケツリレー的に映像データがくるそばから逐次処理していく仕組みを実践することで、補間フレーム生成なし時で0.7フレーム(11.9msec)遅延を実現した。さらに同年発売された「レグザ ZP2」の32v型モデルでは、補間フレーム生成ありでも1.3フレーム(約21msec)遅延を達成。当時の他メーカーのテレビ製品は補間フレーム生成あり時にはまだまだ数フレームの遅延があったので、この値はまさに脅威のスペックであった。

ちなみに、補間フレーム生成/倍速駆動機能を持つテレビは、60fpsの映像を解析して補間フレーム生成処理を行って120fpsに変換するので、現在伝送されてきた60fps映像フレームが半分やってきたタイミングで、前フレームと現在フレームとの間を埋める補間フレーム映像の表示を開始しないと間に合わない。したがって補間フレーム生成/倍速駆動機能を持つテレビの理論遅延値は0.5フレーム(約8.3msec)なのである。つまり「レグザ Z2」の0.7フレーム遅延(約11.9msec)は倍速駆動テレビとしては理論値にかなり近い値といえる。

なお、補間フレーム生成/倍速駆動機能を持たない60fps表示モデルであれば、この理論遅延は0フレームにできる。これを追求・実践したのが「レグザ ZP2」の26型モデルである26ZP2であり、当時業界最速の0.2フレーム(約3msec)遅延を実現した。今でも、この26ZP2が「神機」などと言われているのはそのためだ。

2014年発売の「レグザ Z10X」シリーズでは、レグザ Z2からさらに遅延を短縮し、補間フレーム生成/倍速駆動機能を利用しない時で0.6フレーム(約19.2msec)遅延を達成。なお、補間フレーム生成/倍速駆動機能を利用し、超解像処理までを加えても1.1フレーム(約18.3msec)遅延となっている。つまり、「レグザ Z2」の時からさらに0.1フレーム分遅延を短縮し、理論値限界にさらに迫ったわけである。

この高性能な映像エンジンは、最新モデルの「レグザ Z20X」だけでなく、「レグザ G20X」「レグザ J20X」「レグザ J10」「レグザ V30」にも搭載されている。

さらに補足すると、これら最新のレグザでは、液晶パネルの表示レートと同じフレームレートの映像を入れて、補間フレーム生成/倍速駆動機能なし時は0.05フレーム遅延を達成する。例えば現行のフラッグシップ機「レグザ Z20X」は、120fpsの映像を入力したときには0.05フレーム(約0.83msec)遅延となる。これは業界最速である(ちなみに倍速駆動パネルを採用したモデルでは120fps映像入力時に限って0.05フレーム遅延となる点には注意したい。倍速駆動パネルを採用したモデルでの60fps映像入力時には、上で解説したような、補間フレーム映像生成パイプラインに映像データが載る関係から理論値限界0.5フレーム遅延に近い0.6フレーム(約10msec)遅延となる)。※2016年2月12日現在、国内の液晶テレビにおいて。東芝ライフスタイル株式会社調べ

もし1080p/60fps入力に特化した用途であれば、1080p/60fps入力時に0.05フレーム遅延が達成されるモデルがお勧めである。具体的には、4Kモデル(3840×2160ピクセル)では「レグザ G20X」「レグザ J20X」、フルHDモデルでは「レグザ J10」「レグザV30」がこれに該当する。

レグザ現行ラインアップのゲーム性能比較表

格闘ゲーム制作者&プロゲーマーもお墨付き

そんな「ゲームといえば」のレグザと公式パートナーシップを結んでいるのが、格闘ゲームの代名詞的存在である「ストリートファイター」シリーズ、その最新作「ストリートファイターV」だ。コンマ数秒の攻防が勝敗を決する格闘ゲームにおいては、もちろんモニターの遅延は死活問題。そんな格闘ゲームの代表ともいえるストVが、レグザをいわば「公式」認定したのには、どのような背景があったのだろうか。

格闘ゲームファンが待ち望んだ「ストリートファイターV」がいよいよ登場。その公式パートナーに認定されたのがレグザだ
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今回の記事作成にあたっては、カプコン東京支社にお邪魔し、「ストリートファイターV」のプロデューサーを務める杉山晃一氏(カプコン、第二開発部、第二プロジェクト推進室、プロデューサー)と、アシスタントプロデューサーを務める綾野智章氏(カプコン、第二開発部、第二大阪プロジェクト推進部、プロデューサー)、そして毎年、ラスベガスで開催される世界最大級の格闘ゲーム大会「EVO」の2015年大会の「ウルトラストリートファイターIV」部門で優勝を果たしたももち選手とお話しする機会が得られたので、「格闘ゲームと低遅延のレグザ」についての所感を伺った。

カプコン杉山氏。ストリートファイターVのプロデューサーを務める

杉山:「ストリートファイターV」で東芝レグザを公式テレビとして選定させて頂いた背景には、3つの理由があります。1つ目はビジネス的なサポートをしていただけること、2つ目は我々開発側のアートディレクター初めアーティスト陣からお墨付きがあったこと、そして3つ目は弊社内外のテストプレイヤー達からの評価結果が良好だったことですね。

カプコン綾野氏。同じくストリートファイターVのアシスタントプロデューサーを務める

綾野:開発時には各社のテレビを検証しました。実際に「どれがいいか」の評価を行うと「画質面の好き好き」などの主観要素で多少のばらつきも出るには出ました。ただ、レグザは格闘ゲームでは最重要視される低遅延性能が突出していること、画質面の評価も良好で、「トータル性能では一番」と言うことになったんです。なので、ストリートファイターVの公式戦ではレグザを使うことになっています。

開発者とプレイヤーの両方から支持されているレグザ。ストリートファイターシリーズのトッププレイヤーであるプロゲーマーのももち選手は、プレイヤー、ユーザーの視点から見てレグザの低遅延性能をどう捉えているのだろうか。

ももち選手。世界最大級の北米プロゲーム団体 EvilGeniuses所属プロゲーマー。2014年ウルトラストリートファイターⅣ公式世界大会で優勝、世界王者の称号を獲得

ももち:ボクらは海外の大会にも出場する機会が多いわけですが、それこそ、大会ごとにモニター(テレビ)の種類はまちまちなんです。実際、過去の大会には「これはきつい」というモニターもありましたよ(笑)。なにがきついかと言えばやはり「遅延」です。文句を言っても始まらないので、プレイヤーは競技前にボタンを押してキャラクターの動きを確認して、そのモニターの遅延を体感で把握してプレイに臨みます。なので、明確に低遅延性能がうたわれているレグザは安心です。

格闘ゲームにおいては、相手の行動を「見て」、それに素早く「反応」し、適切な対応を瞬時に「判断」、コントローラーへ「入力」し最終的にゲーム画面に「反映」させる必要がある。モニターの遅延はすなわち「入力」から「反映」までのタイムラグだ。このラグが大きくなるほど、せっかく下した「判断」が「反映」されたときにはすでに手遅れ、という事態になりやすい
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では、モニターの「遅延」は実際どの程度プレイに影響を及ぼすのだろうか。発売前の「ストリートファイターV」を用いて、実験を行なうことにした。遅延の大きいモニターと遅延が最小限のモニター、その2台をそれぞれ用いて対戦するのだ。対戦するのは、筆者とももち選手である。

用いたテレビは2台のレグザ65Z20Xで、ゲーム機はPS4。筆者側の65Z20Xの方だけ画調モードを「ゲーム」モードに設定した公称遅延0.6フレーム(60Hz)でプレイ。一方の、ももち選手側の65Z20Xの方は、「標準」モードで補間フレーム挿入ありの倍速駆動モードとなる「クリアスムーズ」に設定。こちらはレグザ Z20Xがもつ高度な映像処理の全部入り状態になるが約12フレーム(60Hz)の遅延を伴う。

ももち選手は「ストリートファイターV」はテストプレイに参加している関係で既にウデマエは文字通りプロ級。片や、筆者はほぼ初プレイ。前作「ウルトラストリートファイターIV」はゲーセンの乱入台でプレイするほどやりこんではいたが、「ストリートファイターV」は操作方法をこの日、初めて教えてもらったという初心者レベル。

当日ぶっつけで操作レクチャー&本番試合となった筆者

勝負のポイントはももち選手に課せられた約12フレーム遅延がどうバトルに影響するか、だ。この、空前絶後の「超ハンデあり戦」のプレイの様子が以下の動画である。

ももち選手が左側で使用キャラクターは「ネカリ」、筆者は右側で使用キャラクターは「バルログ」だ。

バルログの操作系は従来の「ため系」操作が全廃されてコマンド入力系操作に一新。戸惑いながらも主力技のバルセロナアタックをかますがあっけなく迎撃されてしまう。バルセロナアタックは壁を蹴ってから攻撃に行く技なので攻撃アクションに行くまで多少時間が掛かる。つまり、せっかくもらった遅延のハンデがあまり活かされない。そこで間合い調整とジャンプ攻撃を織り交ぜる攻めにしたら意外と善戦。覚えたてのクリティカルアーツの一か八かの「ぶっ放し」も決まったりして辛勝。

この後、両者、同条件の遅延なしの「ゲームモード」で再戦。

もう、これは見るべきところが全くない試合でボコボコ。Vリバーサル、Vスキル、Vトリガーの新システムを活用する事なく、一方的に負けてしまった。

しかし、遅延が12フレームもあると、ここまでプロとの実力差が縮まるという事実には驚かされた。ももち選手はモニターの遅延のせいで「見てから反応」ではとても対応が間に合わないのがつらかっただろう。これを覆すには、相手の行動を「予想」し、相手が行動する12フレーム前に「あらかじめ対応行動を入力しておく」という、半ば未来予測的なプレイが必要となってしまう。

プレイ中の筆者。画面を見てもらえばわかる通り、左右のモニターのあいだでかなりのタイムラグがあった

裏を返せば、低遅延のテレビを活用することは、オンライン対戦などではライバルに対してハードウェア的に優位に立てると言うことでもある。ストリートファイターVは、少なくとも当初はPS4とPCのみでのリリースであり、低遅延の家庭用モニターは必須といえるだろう。

重要なのは「低遅延」だけではない!? 「高画質」と「見やすさ」もゲーマーにとっての武器

最新の東芝レグザ Z20Xシリーズには、低遅延だけでなく、「ゲーマーも活用したい高画質機能」がある。

1つは、「超解像処理」だ。

東芝レグザの4Kモデル(3840×2160ピクセル)は、フルHD映像を超解像処理して4K(3840×2160ピクセル)化して表示させることができる。

いまや、テレビメーカー各社が平然と使っている「超解像」というキーワード。実は、この「超解像」処理を民生向けテレビに早い時期から搭載したのは東芝レグザである。2008年のレグザ Z7000シリーズから始まった超解像の歴史はいまや成熟を極めており、レグザ Z20Xには「再構成型超解像処理」「自己合同性型超解像処理」「色超解像処理」の3つが搭載され同時に機能する。

まず再構成型超解像処理は陰影解像度を向上させるもの。自己合同性型超解像処理は斜め線のジャギーを低減させるものだ。3つ目の色超解像処理は、色の強弱で表現させる色ディテールを鮮鋭化するもの。

ももち:自分が格闘ゲームをやり始めた時は、とにかくブラウン管のテレビが最高、という認識でした。低遅延であることはもちろん、画質面でも最上級…と思っていました。ところが最近は、こうした大型画面サイズの液晶テレビでプレイする機会も増えたんですが、その映像の美しさには驚かされますね。

フルHDのゲーム映像も超解像により4K化! ※画像はイメージです
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綾野:いまこのテレビにつながっているのはPS4なので入力はフルHDなわけですが、超解像で4Kにアップスケールして映し出された画面を見ると、これぞ我々が考えていた通りの画作り、という気すらしてくるキレイさですね。ゲームのためにテレビを買い替える…というと色々と家族の説得が必要になりますが、「4K」「画面大きい」「映像がきれい」というのは理解が得やすい。「ゲームに向いている」というのは後付けで話せば家族のりん議も通しやすいのではないでしょうか(笑)。

超解像処理による映像の鮮鋭化とスムーズ化は大半のユーザーには受け入れてもらえるだろうが、超マニアックなユーザーは「フルHDの映像は、4KでもフルHD解像度で見たい」という要望もあるかと思う。そんなレアなマニアの要望にも応えるのがレグザである。

実は、「画面サイズ」設定で「ネイティブ」を選択すると、超解像処理が完全キャンセルされてフルHD映像の1ピクセルを縦横2×2の4ピクセルで描いてくれるのである。当然、「ドットドットした見映え」になるが、フルHDの映像ソースをそのまんま描き出した、いわばHi-Fi表示となる(Hi-Fi=High Fidelity、高忠実度、高再現性の意)。

杉山:「ストリートファイターV」には体力ゲージの他、VゲージEXゲージという2種類のゲージがあるのですが、これらのゲージが見やすいですね。斜め線のなめらかさは超解像の方がきれいですが、こちらのモードもありかも知れません。ドット画主体のレトロゲームとかにも相性が良さそうです。

そして、もう一つ、格闘ゲーマーにお勧めとなるかもしれない「東芝レグザ」特有の機能が「ゲームインパルス」モードだ。

普通、レグザを含む倍速駆動対応の液晶テレビでは、入力映像のフレームのあいだに動きを補うような補間フレーム挿入を行って120fps化している。が、ゲームインパルスモードでは、毎秒60コマ(60Hz)映像の実体フレームを1/120秒単位で二度描きすることが基本方針となり、最初の描き込みを行った直後の最初の1/120秒期間はLEDバックライトを全消灯し、次の1/120秒期間にLEDバックライトを点灯して表示を行う。2回目の描き込み後にも消灯期間があるが、2回目の消灯期間は、「1/120秒-その映像フレームの輝度に依存した時間」となっている。この駆動法により、液晶画素の書き換わり(応答)を隠蔽する効果と前フレームからのホールドボケ(残像ボケ)を低減する効果を実現しているのである。



描画フレームの間に黒画面を挟み込むことで残像感を低減するインパルス駆動

ももち:見やすい!! 正直PS4の映像美だけでも驚いたのですが・・・。液晶というよりブラウン管に近い視認性、キャラクターの動きが把握しやすいです。こんな機能が液晶テレビに搭載されていたとは…。文字通り、目からうろこが取れた気分ですよ。このモードは使えますね!

実は取材日、ももち選手は、筆者と対戦したとき以上に声を張り上げたのがこのゲームインパルスモードを体験したときだった(笑)。

ちなみに、ゲームインパルスモードは、補間フレーム生成・挿入は行わないものの、処理メカニズム的には補間フレーム生成・挿入ありの時と同じであるため遅延は1.1フレーム(60Hz)となり、ゲームダイレクトモードに比べれば遅延は大きい。

ももち選手は、このゲームインパルスモードに対してかなり好感触を抱いていたので、映像の見やすさが圧倒的に優秀であれば、逆に約1フレーム遅延程度は気にならないものなのかも知れない。いわば、映像の見やすさが知覚(≒視覚)上の遅延を短縮することで、物理量としての約1フレーム遅延を隠蔽してしまった…とも換言できる。

このゲームインパルスモードに関しては、レグザ開発チームは改良を続けていくようなので、今後のその進化ぶりにも期待したい。

ゲームモードのここがイイ! by ももち選手

ゲームダイレクトモードは、こんなに綺麗な画質で遅延などのストレスがなくプレイできることにビックリしました。近年では大型サイズのテレビが普及してきておりますが、大型サイズのテレビの場合、大なり小なりラグがあることが当たり前だと思っていたので、その点もうれしいですね。

ゲームインパルスモードは、個人的にですが、プレイした感覚が視覚的にブラウン菅テレビやアーケードの感覚と似ており昔を思い出せました。昔からのゲームファンの方には馴染みやすいと思います。

ゲーミングモニターの機能がレグザに搭載!?~PCゲーマーはレグザを選べ

PS4版「ストリートファイターV」には関係がないかもしれないが、もしかしたらWindows PC版の「ストリートファイターV」をプレイするには役立つかもしれない……レグザ Z20Xに搭載された、そんな機能を最後に2つ紹介したい。

1つ目は1080p 120Hz入力機能だ。これはレグザに毎秒120コマ(120fps)の映像をHDMI入力「できてしまう」機能になる。

昨今、ちまたのPC用ゲーミングモニターの中には、120Hz駆動/120fps入力に対応した製品がラインアップされ、人気を呼んでいる。PCゲームでは、ハイスペックなビデオカードを用いることで60fpsを超えるフレームレートを描画することが可能だが、そんなハイフレームレートの入力に対応したモニターを用いれば段違いのなめらかな映像を実現できるのが人気の秘密だ。

レグザはそんなハイフレームレート入力を、テレビ製品としてははじめて実現させたのだ。

もともと倍速駆動対応の液晶テレビの液晶パネルは性能的に120fps駆動に対応しているので、インターフェース側の対応でネイティブ120fps(120Hz)入力を可能にして欲しいと筆者が各メーカーに提言していたのだが、今回もまた、東芝レグザが対応してきてしまったというわけである。ちなみに、120fps入力時の遅延も0.05フレームである。爆速だ。

2つ目は、2560×1440ピクセル解像度への対応

いくら性能が高いPCでも、4K(3840×2160ピクセル)の60fpsの描画がコンスタントにできるのは、ハイエンドクラスのGPUを搭載した一部のマシンに限られている。

しかし、アスペクト比16:9で4Kよりも「負荷が大分低く」、それでいて解像度的にはフルHDよりもかなり高い2560×1440ピクセル(WQHD)であれば、60fpsをコンスタントに描画できるPCはけっこう存在する。というわけで、レグザ Z20Xは液晶テレビでありながらこのWQHDの入力に対応してきたのだ。Z20Xのほか、G20XとJ20Xも対応する。

もちろん、WQHD映像入力時にも、再構成型超解像処理は適用されて4K(3840×2160ピクセル)表示となる。WQHD映像は、元の映像解像度がフルHD映像よりも大分高いので、同じ4K(3840×2160ピクセル)化した映像でもより上質なものになる。もちろん低遅延性能はフルHD入力時と変わらず。

前作「ストリートファイターIV」のPC版はWQHDとハイフレームレート(PC版特有の「スムーズ」設定)に対応していたので「ストリートファイターV」にも対応への期待は持てる。

もちろん、このセクションに挙げた2つの機能は、一般的なPCゲームに広く応用が利く機能なので、レグザユーザーとなった暁には、PCゲームをプレイする際に積極的に使って頂きたいと思う。

レグザで充実したストリートファイターVライフを!