Windows 10 ゲームマラソン

「METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES」 国産ハイエンドゲームの決定版

「MGSV: TPP」に向けての準備はいいか!? 本作でばっちり予習だ!

【METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES】

2014年12月18日発売

2,551円(Steam)

 本作は、9月2日に発売を予定している「METAL GEAR」シリーズ最新作「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」の序章となる作品だ。本作のために作り上げた最新ゲームエンジン「Fox Engine」は前世代機(PS3/Xbox 360)および今世代機(PS4/Xbox One)への縦マルチだけでなく、Windows PCへの完全対応も実現。制作チームの完璧主義により、スネークの活躍を、PCならではのリッチさと快適さで楽しめる。

 Windows 10への対応も万全で、Windows 10最新ビルド(Service Release 1)および最新のGPUドライバ上で全く快適に動作。メーカー公式ではWindows 10対応を謳っていないものの、むしろWindows 8.1以前よりも高パフォーマンスで動作してくれるのだ。

 本篇となる「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」はめでたくPC版の9月2日発売が確定し、Steamユーザーならずともゲーマーなら必携の1本になることは間違いない。いまのうちに本作「GROUND ZEROES」をプレイして、動作状況の確認とゲーム内容の予習をしておこう。

Windows 10への対応状況(8月10日現在)
動作状況★★★★(快適に動作)
メーカー対応未対応
Windows 10独自機能Game Bar(ボーダレスフルスクリーンおよびウィンドウ表示時のみ)
不具合報告特になし
サポート情報Steamストアページ

Windows 10で若干ながらもパフォーマンス向上。本編への期待がさらに高まる

柔軟な設定が可能なグラフィックスオプション。高FPSを確保するため画面モードは「Fullscreen」がオススメ
遠景まで細かく書き込まれたハイエンドグラフィックス。PC版ならではの高品質を楽しめる
スネークの活躍を描く各種カットシーンも高画質で

 本作のWindows版では、PS4やXbox Oneでは性能的に制限されているグラフィックスオプションを自在に調整し、最高の品質と快適性でプレイできる。特にハイエンドPCで違いが出るのは、より高い解像度やフレームレートの安定性、遠距離の光源の再現性や濡れた地面に反射する周囲の風景などが醸し出す、トータルな空気感だ。

 これをフルに楽しむには、ゲーム内のグラフィックスオプションで全項目を「Extra High」に設定しよう。フルHD(1,920×1,080)程度の解像度であれば、NVIDIA GeFore GTX 970/AMD Radeon 290以上のミドルハイクラスのビデオカードなら、60fpsで滑らかに動作してくれるはずだ。もっと性能の高いビデオカードを持っていたら、2,560×1,440、3,840×2,160といった超高解像度でのプレイも可能。

 筆者環境ではWindows 10でのパフォーマンスアップも確認できた。以前のバージョンのWindows(Windows 8.1 Pro)での動作パフォーマンスについては拙著記事にて取り上げているが、そこで紹介した動作条件のうち、筆者が実際のプレイに使っている2,560×1,440&Extra High設定におけるフレームレートが、Windows 8.1では56.017であったところ、Windows 10にて57.517にアップした。わずか1.5fps程度の違いだが、OSを変えただけでちょっぴりでも実質性能が上がったというのはとても嬉しい。少なくとも遅くなるよりは100倍いい。

 本作のゲームプレイは「METAL GEAR」シリーズの伝統そのままに、敵基地に潜入し、敵の目を欺きつつ2人のターゲットを助け出すというもの。PC版ならではの高解像度グラフィックスなら、遠くの敵の様子も詳しく確認でき、攻略への道筋にプラスアルファを与えてくれることも間違いない。制作チームが完璧な調整を加えて贈る本作なればこそ、ぜひみなさんも良い環境でプレイして、フルにその面白さを体験してほしい。

潜入、暗殺、あるいは激しいバトル。本作だけでも非常に幅広いゲーム性を楽しめる

多彩なサイドオプスで何時間も遊べてしまう

全く違ったアプローチで楽しめるサイドオプス
ド派手に暴れたり
さらなるゴリ押しで攻略したり

 9月2日発売予定の本編「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」の序章となる本作では、国家に属さない軍隊を率いていたスネークが仲間を助けるためにある軍事基地に侵入するところから物語は始まり、「MGSV: TPP」へと繋がる惨禍の発端を描く。ゲーム性としても本篇に繋がる内容で、1つの基地に対してどう潜入し、攻略していくか、そこに各プレーヤーに委ねられた大きな自由度があるのが良い所だ。

 ひたすら隠密行動を磨いて、1度も戦うことなくクリアしても良いし(かなり難しい!)、重武装で戦いに望んで、押し寄せる敵兵を蹴散らしながら強引に進めてもいい。本作で収録された基地内には、通常の攻略法では全く関係のないオブジェクト(たとえばトラックや戦車、各地で見つかる追加武装など)もふんだんに用意されていて、プレイするたびに新たな工夫を試す幅の広さがあるのだ。

 操作スキームもかなり洗練されたものになり、マウス&キーボードなら他のPC用のFPSやTPSライクに遊べるし、コントローラー(Xbox 360/Oneコントローラーが最適)なら、コンソール版と全く同じ感覚でプレイできる。このあたりが自由に選択できるのもPC版ならではの良さだ。

 さらには、メインミッションクリア後、6つのサイドオプスに挑戦できる。舞台は同じ基地内となるが、敵兵やカメラの配置がほとんどのミッションで異なるため潜入ルートを新しく考える必要があるほか、ミッションの目的が「秘密文書の奪取」だったり「対空砲の破壊」だったり「特定人物の捜索と暗殺」など多岐にわたり、そのクリア模様も様々。最後には武装ヘリや戦車と大死闘を演じて血まみれのクリアとなるミッションから、音ひとつ立てず、誰からも気づかれずにクリアできるミッションもある。

 そんな幅広い遊びを通じて本作をきっちりやりこんでおけば、巨大なオープンワールドでさらなる自由度を備えて展開する「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」を初日から100%楽しめることまちがいなし。今年大注目となる「METAL GEAR」シリーズ最新作を、Windows 10という最新のプレイ環境で楽しんでほしい。

(佐藤カフジ)