【連載第16回】あなたとわたしのPCゲーミングライフ!!


佐藤カフジの「PCゲーミング道場」


最新最強のゲーミングOS「Windows 7」がやってくる!
ゲーマー視点で新OSの魅力を徹底解剖する!!


色々な意味で業界の「最先端」を走る、PCゲーミングの世界。当連載では、「PCゲームをもっと楽しく!」をコンセプ トに、古今東西のPCゲームシーンを盛り上げてくれるデバイスや各種ソフトウェアに注目。単なる製品の紹介にとどまらず、競合製品との比較や、新たな活用法、果ては改造まで、 様々なアプローチでゲーマーの皆さんに有益な情報をご提供していきたい。



 ■ 最新OS Windows 7がまもなくデビュー! ゲーマー的にはどうだろうか?

Windows 7のデスクトップ

 いよいよ、マイクロソフトの最新OS「Windows 7」がやってくる。10月22日に発売されるWindows 7は、PCゲーマーにとって「ゲーミングOS」としての標準になる可能性が高い。

 数々の改良が施されたことで注目されるWindows 7だが、話題をゲーム関連の機能に限定しても、なかなか面白いOSになっている。標準でゲーム向けAPIの最新バージョンDirectX 11を搭載し、メニイコアCPUに対応可能なカーネル設計を持ち、新たなゲームの可能性を開きそうなマルチタッチ機能「Windows Touch」を搭載する。そのいくつかは、今後のゲームシーンが形作られる上で重要なインフラになるだろう。

 もともとWindowsというOSのシリーズは、PCゲームの世界ではデファクトスタンダードだ。ほとんど全てのPCゲームが、Wndowsプラットフォーム向けに供給されている。だから、Windowsはゲーマーにとって「ゲーミングOS」と言える。ただ過去を振り返ると、新しいOSが出たから一斉に乗り換えたかというとそうでもない。

 ゲーミングOSとして評価の高いのはWindows 98SE、Windows 2000、そしてWindows XPだ。直近のWindows Vistaは言うまでもなくゲーミングOSとしては大失敗作で、PCゲーミング市場はプラットフォーマーであるマイクロソフトを筆頭に壊滅的な打撃を受けた。ゲーマーはその再来を恐れ、新OSに対して猜疑のまなざしを送っている。大なり小なりそういう状況ではないだろうか。

 Windows 7そのものについては、僚誌のPC Watchを始め、PC系メディアにて伝えられているので、本稿ではWindows 7のごく基礎的な知識をおさらいした上で、ゲーマー向けのトピックを限定して取り上げてみよう。それを通じ、「Windows 7は、ゲーミングOSの標準になるか否か」を考えてみたい。



■ ゲーマーのためのOSは、いよいよ世代交代の時期にきている?

【Microsoft Windows 7】
ジャンル:オペレーションシステム
開発元:マイクロソフト
発売日:2009年10月22日
価格:13,228円より(Home Premium Edition、Microsoft Store価格より)
備考:「Home Premium」、「Professional」、「Ultimate」の3 Editionが一般発売

Windows Vistaをベースに様々な改良が施された。Windows Aeroによる爽やかなUIも更に機敏に動作する

 Windows 7は、2007年に発売されたWindows Vistaの発展版だ。ベースとなったWindows Vistaは、OS標準のユーザーインターフェイスにGPU機能を活用する「Windows Aero」を筆頭に、厳密なユーザーアカウント制御(UAC)、そしてもちろんDirectX 10など数々の新規要素が導入されており、それまでスタンダードだったWindows XPとはかなり異なる内容のOSとなっていた。

 だがWindows Vistaは、ゲーマーにとっての標準的なOSにはならなかった。これについても各所でよく議論されていることなので、詳細に踏み入ることはしないが、とにかくWindows Visaは、パフォーマンス、安定性、信頼性何ひとつとしてPCゲーマーの期待に十分に答えるものではなかった。Vista最大の強みであるDirectX 10についても、上記の理由から対応タイトルがほとんどリリースされず、多くのゲーマーは軽快に動作するWindows XPを使い続けた。

 だが、ゲーマーが長年好んできたXPも、かつてのWindows 2000のように、徐々に時代の要求を満たせなくなりつつある。ゲームに代表されるPC向けのリッチアプリケーションはマルチコア〜メニーコアCPU、大容量のメモリーといった新世代の動作環境に向かっているが、XP(主流の32ビット版)はそれらの要素をOSレベルでサポートしていないためだ。

 したがって、最新技術を駆使したゲームに関心のあるハードコアなPCゲーマーであればこそ、新世代のハードウェアを完全サポートしたOSへの乗換えを検討せざるを得ない時期が来る。Windows 7が登場する今が、まさにその時期かもしれない。

 Windows 7では、当のマイクロソフトがWindows Vistaの欠点を認めた上で、様々な「的を射た改良」が施されている。筆者はここしばらく、Windows 7の製品候補版を使用しているが、Vistaでぶつかった種類のトラブル、扱いにくさといった不満点を、Windows 7では全く感じることがなかった。むしろ、慣れ親しんだXPよりも使いやすいと感じている。もちろん、ゲームのパフォーマンスも含めてだ。

 次の章ではWindows 7で何が変わり、変わらないのか、ゲームユーザーの視点でそのポイントを整理してみよう。なお、今回の検証にあたり筆者はWindows 7 RC(製品候補版)の64bitバージョンを使用した。32bitバージョンはメモリ領域が4GBまでに制限されるため、ゲーマーが移行の対象として考えるにはあまりにも旨みが少ないためである。したがって、以下の記述は全て64bit版を前提としたものになることをあらかじめお断りしておく。


■ PCゲーマーによるWindows 7ファーストインプレッション

・起動が速く、動作が機敏

ちなみにインストールは30分ほどでアッサリ完了した

 ことさらゲームに密着した話ではないが、OSの軽快さは万人にとって重要だ。この点、Windows 7はVistaをベースにしつつも多数の改良が施されており、同じPC上で動作させた場合、Vistaとは明らかな違いを感じられる。

 まず、起動の速さだ。Windows 7ではバックグラウンドのサービスを必要に応じて逐次読み込んでいく仕組みを強化している。その効果は体感可能なもので、特に、XPやVistaでOSのデスクトップが現われた後もガリガリとHDDにアクセスしてほとんど操作できない時間帯が続く状態は、筆者が使用した範囲で全く現われなかった。

 OSを使用している最中にも違いが感じられる。特に大きいのが、Windows 7で行なわれたディスクI/Oの最適化による、ファイルアクセスの違いだ。これは特に大きなサイズのファイルや、大量のファイルを一括操作する場合に体感速度の違いとして現われる。

 このほか、Windows 7では従来のVistaに比べ、ウィンドウあたりの消費メモリが半分程度に削減されているなど、様々な面でシェルのパフォーマンス向上が図られている。これを具体的に検証するためのテストは、ゲームに直接関係しないため今回は実施していないが、少なくとも筆者の環境では、Vistaと異なるレベルの手ごたえを、様々な面で感じることができている。

・UIが扱いやすくなった

うまく機能が構成され、エクスプローラーが使い良い
タスク切り替えのUIが新タイプに。目的のウィンドウへ素早くアクセスできる

 ウィンドウ描画にGPUを活用する「Windows Aero」。Vistaで導入されたオシャレなユーザーインターフェイスは、Windows 7で様々な改良や再構成が行なわれ、ぐっと使いやすくなった。

 まずエクスプローラー。ファイルやフォルダを閲覧・操作する、基本中の基本ツールであるだけに、これが軽快かつ便利だという事はきわめて重要だ。基本的にVistaと同じくウィンドウ左側にショートカットリンクが並ぶペーン、左にフォルダ内のファイルリストという構成だが、微妙に機能構成が変更されており、例えば「コンピュータ(システムルート)」へのアクセスが常に1クリックででき、別ウィンドウで開くことも2クリックでできるなど、細かい部分でぐっと使いやすくなっている。ユーザーの使用実態に即したメニュー構成になったおかげで、XPより快適に感じるくらいだ。

 タスクバーの新機能も使い勝手の向上に寄与している。Windows 7のタスクバーには、各ウィンドウがアプリケーションの種類ごとにまとめて管理される仕組みが実装されており、タスクバー上のアイコンをクリックすれば、対象のウィンドウの「ライブサムネイル」を見て即座に目的のものを見つけることができる。エクスプローラーを大量に開いて作業するときなど、従来は混乱に陥っていたケースで力を発揮する。何よりわかりやすいのがいい。

 付け加えるならば、Windows Vistaで導入されたユーザーアカウント制御(UAC)に加えられた変更は、パワーユーザーにとって本当にありがたいものだ。コンピューターに変更を加えるプログラムを実行する際、ユーザーの許可を求めるウィンドウが開く点は同じだが、その際の挙動をいつでも4段階から設定できる。緩めの設定では、VistaでのUACの挙動ほどは煩わしくない形で、セキュリティ上の警告を受けることができる。VistaではOFFにするか、ONにするかの2択だったので、Windows 7でその中間くらいを選べるというのは地味にうれしい。

・XPやVista対応のゲームデバイスは、ほぼ全てそのまま使える

コントロールパネル
標準の設定画面はXPあたりから変わっていない

 気になるゲームデバイスの対応は、全く心配のないレベルに収まっている。基本的に、USB接続のジョイスティック、ゲームパッド、ハンドルコントローラー、その他のゲームデバイスは、Windows XP/Vistaに対応しているものであれば、問題なく使えると考えていい。

 コントロールパネル内の「ゲームコントローラー」アイコンをクリックすると、Windows XP時代から代わり映えのしない、ゲームデバイスの管理ウィンドウが現われ、USBコントローラー等をつなげば、即座に認識される。このあたりは従来のOSと全く同じだ。

 標準的な構成のゲームパッド等なら、まずそのまま使えるのでこれでも問題はない。だが、例えば、Xbox 360コントローラーをいきなり接続すると標準のヒューマンインターフェイスドライバが適用されるが、このままでは各アナログ軸の設定などが細かくできないので、スペシャルな機能をきちんと使おうと思うなら、対応ドライバをインストールする必要がある。

 ドライバは、Windows Vista向けのものがおおむね利用できる。このとき注意しなければならないのは、Windows 7が64bit版であるなら、64bit版のドライバを使用し、32bit版であれば、やはり32bit版のドライバを使用すること、くらいである。(筆者の知る限り)それなりのメーカーのゲームデバイスであれば、Vista 64bitへの対応はすでに万全であることがほとんどなので、よほど古い製品でなければ、Windows 7での使用に問題はなさそうだ。

 例えば、筆者がフライトシミュレーターやレースゲームをプレイするときに愛用しているヘッドトラッキングセンサー「Track IR」には、Windows Vista 64bit版に対応したドライバが既に提供されており、これをインストールすることによって、Windows 7 64bit版でも全く問題なく使用することができた。また、Logicool、Saitekなど有名メーカーのジョイスティック、ハンドルコントローラー系も特に障害無く利用することができている。

・XPやVista対応のゲームは、ほぼ全部そのまま動く

 Windows 7をゲーミングOSと見なすためには、従来のOSで動いていたゲームもプレイできなければならない。この点について、Windows 7に搭載されているDirectX 11は、以前のバージョンのDirect X向けに作られたゲームへの後方互換性を維持しているため、よほど古いゲームでなければ問題なく動作する。

 筆者が調査した範囲では、Windows 7ではファイルI/Oなどカーネルの挙動が従来のOSと異なるため、OSの動作に半ば食い込む挙動を行なうアンチウィルス系のアプリケーションは、Windows 7を前提にデザインされていなければ動かないケースがある。そこで気になるのが、アンチハック・チート機構を備えたオンラインゲームの動作だ。

 現時点の状況としては、多数のゲームに採用されているアンラボの「HackShield」は問題なく動作するようだ。また、同じく多数のゲームで採用されていうるnProtectの「GameGuard」も、9月に公開された最新のホットフィックスによってWindows 7で動作するようになった。ただし、オンラインゲームには無数のタイトルがあり、ものによってはゲーム自体の実装により現時点では正常に動かないケースもあるようだ。

 筆者が今回行なった範囲のテストでは多くを確かめることはできなかったが、本稿の執筆段階までに「サドンアタック」ほか、数タイトルのオンラインFPSの正常動作を確認している。なにぶん、Windows 7は一般発売前の段階。発売後、今後各社のサポート状況は充実していくだろうから、運営がきちんとしているゲームならばさほど心配する必要はないだろう。いずれにしても、各オンラインゲームタイトルの対応状況は、公式サイトで確認してみて欲しい。


OSのシェル部分については、スタートボタン周りから、エクスプローラー、タスクバー周り、その他ウィンドウの挙動まで、細かな調整・改変がVistaをベースに行なわれている。ユーザーフィードバックに基づいて開発が進められたというのが納得の出来だ



■ ゲーム向け機能「Games Explorer 2.0」と「Games for Windows - LIVE 3.0」はどんな感じ?

・「Games Explorer 2.0」

「Games Explorer 2.0」
「Games for Windows - LIVE 3.0」をインストールすると、「ゲームプロバイダー」に追加される

 Windows 7には、Vistaで導入された「Games Explorer」がバージョンアップして搭載されている。これは従来の「スタートメニュー」のプログラム項目のうち、ゲームだけを一元管理するために用意された、スペシャルなシェル機能だ。Windows 7では、スタートメニューの中、「ゲーム」という固定項目をクリックすれば「Games Explorer 2.0」にアクセスできる。

 「Games Explorer 2.0」を実際に見てみると、各ゲームの説明を表示する機能、レーティングに応じてペアレンタルコントロールをかけることのできる機能などをVistaから引き継いでいることがわかる。細かい部分では、ゲームの戦績が記録されるなど地味に進化しているが、見た目上の大きな違いはない。劇的に変わったのは中身のほうだ。本格的にオンライン対応を果たし、従来とは少し異質なものになったのである。

 例えば、「Games Explorer 2.0」下に表示される各ゲームにはオンラインアップデート機能が付与されており、最新版がリリースされるとOS側から通知されるほか、自動でアップデートをかけるようにシェル側で設定することもできる。また、新たなカテゴリとして「ゲームプロバイダー」というものが追加されている。

 ゲームプロバイダーは、新たなゲームタイトルや、既存タイトルのアップデート、追加コンテンツを発信するメーカーやポータルサイトのことを指しており、それらがオンラインを通じて配信するサービスをOSサイドで一元管理するというものだ。「Xbox LIVE」や「Steam」といったサービスと同様のものと考えてもらえれば、1番近いと思う。執筆時点で利用できる「Games Explorer 2.0」下のゲームプロバイダーはゲームポータルサイトの「MSN」と「Games for Windows - LIVE」の2種類だ。

・「Games for Windows - LIVE 3.0」

「Games for Windows - LIVE 3.0」標準では搭載されておらず、マイクロソフトのサイトから入手し、インストールする。「Games Explorer 2.0」との相性は?
公開されているアイテムはまだわずか。試験運転中という雰囲気
「ストリートファイター IV」では、デモ版や追加コンテンツなどが配信されている

 一方の「Games for Windows - LIVE 3.0(GfW3.0)」は、Windows XPやVistaでも利用できるプログラムモジュールだ。「Xbox LIVE」と基盤を同じくするゲームコンテンツ配信サービスを提供しようとするものになっており、Windows 7の製品候補版には同梱されていないものの、マイクロソフトのサイトからモジュールをダウンロードすることで「Games Explorer 2.0」下に配置され、利用可能になる。

 「GfW3.0」は、まるでXbox 360のダッシュボードの一部機能を、Windows的なUIデザインで再構成したかのようなものになっている。そのメインは「マーケットプレース」で、ゲームの本体、ビデオ、追加コンテンツといったものを検索し、ダウンロードできる。アカウントは「Xbox LIVE」と同じLIVE IDを使用するので、ゲーマーアイコンやゲーマースコアにはXbox 360ダッシュボードと共通のものが表示され、また、有料コンテンツの購入に使用するマイクロソフトポイントも、そのまま持ち込むことができる。

 現時点で配信されているコンテンツは、カプコンの「ストリートファイターIV」関連のものが追加コンテンツ、デモ版を含む8アイテムで最多、それに続いて「Dawn of War II」が6アイテム、ほか4タイトルが1、2アイテムずつ。ほとんどゲームのビデオや体験版で、フルバージョンのゲームは配信されていない。この状況を見るに、まだテスト運用中という感じだ。

 将来的にはXbox 360の「ゲームオンデマンド」と同じように、フルバージョンのゲームを購入することもできるようになる見込みだが、Windows 7ローンチ直後でこの状況というのは寂しい限りだ。今のところマイクロソフトから「GfW3.0」の展開に関する式なリリースは聞こえていないので、先行き不透明である。

 また、「GfWL 3.0」のUI上には、フレンドやパーティなどコミュニティに関する機能を一切見つけることができない。「バイオハザード5」PC版のような対応ゲームであれば、ゲーム中にアクセスできる「GfWL」のダッシュボードからフレンド機能を利用することはできるものの、「Games Explorer」から起動するこちらのスタンドアロン版でできるのは、ゲームコンテンツをダウンロードすることだけだ。

 現時点においては、この先、この「GfWL 3.0」がどのような展開を見せるのか、良い方向の想像をめぐらすことができない。OSのシェル機能の一部である「Games Explorer」との統合で利用しやすくなったのは事実だが、少なくともコミュニティ機能の充実がなければ、オンラインゲーム配信システムとして遥か先行する「Steam」の対抗馬になることは、ちょっとありそうにない。

 このあたりは、Windows7の発売後、マイクロソフトがどのように「GfWL」関連サービスを展開していくのか、具体的な情報が出てくることに期待したい。


ためしに「ストリートファイターIV」のデモ版をダウンロードしてみたところ。「Games for Windows - LIVE 3.0」のソフト側でダウンロードが管理されるが、ダウンロード後に押せるボタンはインストールと消去だけ。インストールした後は、デスクトップやスタートメニューから普通にゲームを起動する。また、「Game Explorer 2.0」のシェル側にアイコンは追加されなかったので、まだ完全には統合されていないようだ



■ XP、Vista、7でゲームのパフォーマンスを計測。一番速いのは……

3DMark 06
3DMark Vantage

 続いて、ゲームの動作パフォーマンス面を見てみよう。

 Windows 7ではDirectX 11を標準搭載しており、それによってサポートされるDirectX Compute機能や、新しいレンダリングパイプラインによる実行効率の向上が期待されている。とはいえ今のところ、DirectX 11に完全対応したゲームが存在しないため、今回はDirectX 9、DirectX 10という現行世代のゲームがどの程度動くのか、というテスト内容となる。

 今回テストを行なったのは、DirectX 9世代のパフォーマンステストとしておなじみのFutureMark「3DMark06」と、DirectX 10世代のパフォーマンステストアプリケーションである「3DMark Vantage」。それに加え、国産ゲームの代表として「バイオハザード 5」PC版を、ヘビー級ゲームの代表として「Crysis」をピックアップした。

 それぞれのタイトルについて、Windows XP SP3(32bit)、Windows Vista Home Premium(64bit)、Windows 7 Ultimate 製品候補版(64bit)にてベンチーマークを行なった。OSのパフォーマンス変化を測るため、GPUに対する負荷は控えめとし、各ゲームの解像度は1,280×720ドット程度を標準とした。

 今回の評価に使用したWindows 7は製品版とは異なるバージョンであり、また、対応するデバイスドライバー類が各社からリリースされるようになって日が浅いため、発売後の状況とは異なる可能性がある。したがって、ここではベンチマークの具体的な数字は示さず、XP、Vista、7の「順位」で結果を示す。このためやや抽象的なデータになることをご了承願いたい。

 なお、ベンチマークに使用したPCの主なスペックは以下のとおり。

CPU: Intel Core 2 Duo E8500 (3.16GHz)
GPU: NVIDIA GeForce GTX 285
メモリー: DDR2-800 4GB

 各ゲームの設定は、「3DMark 06」では解像度・各設定共にデフォルト、「3DMark Vantage」は「PERFORMANCE」プリセット設定、「バイオハザード5」は解像度1,280×720ドットで他は全てデフォルト、また「Crysis」も解像度1,280×720ドットで、設定はプリセット「HIGH」にてテストを実施した。


 おおむね、各OSにおけるベンチマーク結果は僅かな差に留まった。ひとつ極端だったのは、Vistaにおける「3DMark 06」の結果で、SM2.0 のスコア項目が、他のOSに比べて1割弱ほど低い数字となっていた点。また、「3DMark 06」および「3DMark Vantage」の双方で、Windows 7はVistaに比べ、CPUスコアにおいてやや高い値を示していた。

 各ゲームタイトルのDirectX 9モードに関しては、XPの健闘が目立った。この点はドライバの成熟度を反映していそうだが、まだ発展途上にあるWindows 7との差は無視できる程度という点も併せて記しておこう。また、同じくDirectX 9モードにおいてWindows 7とVistaの差は、ほとんど誤差の範囲で、計測を繰り返せば結果がひっくり返ることもあるほどの僅かな違いである。

 DirectX 10モードについて言うならば、Windows VistaとDirectX 10によく最適化された「バイオハザード5」は、やはりVistaでよい結果を残した。そこに僅差でWindows 7が続く。「Crysis」に関しては、やはり僅差だが有意の違いを見せてWindows 7が上回った。「3DMark Vantage」にてWindows 7のCPUスコアがやや高かったことと、「Crysis」がきわめてCPU負荷の高いゲームであることを考えると、納得できる結果といえる。

 全体的に見ると、今回のテストの範囲では、Windows 7におけるDirectX 10、DirectX 9ゲームの動作は、特に劇的なパフォーマンス向上は見られないものの、Vistaを上回るケースが目立った。XPと比べても、乱暴に言って「ほとんど同じ」である。あっても数パーセントにもならない差だ。

 ドライバーの成熟度が増してくれば、Windows 7はさらに良い結果を出す可能性が残っている。少なくとも、XPやVistaのユーザーが既存のゲームと共にWindows 7に移行する際、パフォーマンス面で犠牲になるものはほとんどなさそうだ。


テストに使用したタイトルの中で最新のものが「バイオハザード5」。パフォーマンステストA、パフォーマンステストBの2種類が存在するので、両方のテストを実施し、その合計値を各プラットフォームで比較した



■ Windows 7への乗り換え、いつにしよう? 

 上記までに見たように、Windows 7では、既存のゲームのパフォーマンスが犠牲になることはなく、むしろ、軽快なOSの動作によって全体としては快適なPCライフを享受できそうだ。Vistaで見られたようなユーザーインターフェイスの使いにくさは徹底的に改善されており、抜群に使いやすくなったことも大きい。

 まあ、今現在Windows XPで満足しているユーザーは、何か劇的なきっかけが無い限りWindows 7に移行する気持ちになれないかもしれない。OSの移行は大変だし、新しいUIに慣れるのにも時間がかかるからだ。個人的には、筆者もその1人だ。

 だが、やがては移行すべき時期がやってくる。各種デバイスのドライバがXPに対応しなくなるなど、XPが決定的に時代遅れになるとき。あるいは、マルチコアCPUやDirectX Computeが必須の、決定的なアプリケーションが出て来たり、DirectX 11専用のぜひプレイしたくなるようなゲームがリリースされるときが、その時期になるだろう。

 そんなとき、新環境への移行の対象としてWindows 7が存在するということは、本当に良いことだ。今回試用した範囲に限るにしても、シェルは使いやすく、機敏で快適、ゲームデバイスもきちんと使えるし、ゲームのパフォーマンスロスもない。将来的には更なるパフォーマンスアップが期待できるなど、いい事尽くめ。Vistaへの移行は躊躇した人でも、Windows 7になら問題なく移行できるはずだ。


(2009年 10月 16日)

[Reported by 佐藤カフジ ]



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