ゼロから始める「League of Legends」

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第7回:「LoL」最大の醍醐味! 対人戦に挑戦しよう

 今回は「League of Legends(以下LoL)」のメインの遊び方となる「対人戦」について説明する。

 対人戦には、勝数だけを表示する「ノーマル」と、勝敗数がレコードされ、勝敗によってブロンズやシルバーなどのランクが設定される「ランク戦」の2種類が存在する。このうちノーマルには「クラシック」と「ランダムミッド」の2モードが存在する。今回はノーマルで遊べる両モードについて解説したい。ランク戦については、後の回で改めて紹介する予定だ。

対人戦とAI戦の違い。対人戦の魅力とは?

 当然ながら、対人戦では参加者全員が人間のプレーヤーである。参加者は基本的に「勝つため」のプレイをしてくるので、ゲームの難易度はAI戦の比ではない。素直な動きをするAIと違って、相手はこちらを殺しにくる。動きが予測できないためスキルは当てにくくなるし、こちらの裏をかいた動きもする。そういった中で勝利するためには、相手の思考を先読みして、チームメンバーと意思の疎通を図り、チーム全員で一丸となって動かなければならない。AI戦が練習なら、対人戦はまさに実戦と言える。

 対人戦の難しさをイメージしやすくするために、1試合の流れを追った動画をいくつか用意した。筆者のロールはジャングルで、使用したチャンピオンはフィドル。対人戦ならではの流れを確認して欲しい。

【「LoL」対人戦編 開幕直後の展開】
試合開始50秒、ジャングルに入ったところでインヴェイド(ミニオンが沸くまでの間に敵ジャングルへと侵入し、赤・青バフを狙う行為)にきていた敵のブリッツに引っ張られ、倒されないようにフラッシュを使うハメになったところ。フラッシュは再使用まで数分必要になるので、ジャングラーにフラッシュを使わせたこと自体が相手チームにとって一定の成果となる。その代わり敵もイグゾーストを使っている
【「LoL」対人戦編 序盤の遭遇戦】
試合開始7分40秒、敵チームのジャングラーによるギャンクがボットレーンに刺さり、味方のADC(アッシュ)が犠牲になった。敵はサポート(ザイラ)をこちらのジャングルまで追跡しており、やや体力も減っていたので、フィドルのウルティメイト・アビリティ(以下ウルト)にフラッシュを重ねて飛び込み、ザイラを守った。飛び込んだ際にフィドルの体力も減らされており、敵のADC(エズリアル)はこちらに残って1人だけでも討ち取ることを選択したので、フィドルのドレイン(体力吸収)を使って体力をごまかし、エズリアルも片付けている。動画の最後をよく見ると、左端にミッドから駆けつけたモルガナが見切れている
【「LoL」対人戦編 ボットレーンへのギャンクに成功】
試合開始10分40秒、ボットレーン同士が当たっていたところに駆けつけたところ。自前のスキルに加えて、スマイトをチャンピオンに対して使える「ストーカーブレード」を使い、なんとか両方を討ち取った。敵のジャングラーがトップにいたため、こっそりドラゴンを狩っていたせいでボットへの救援が遅れ、ADCとサポートが犠牲になった
【「LoL」対人戦編 トップレーンへのギャンクに失敗】
試合開始16分25秒、トップレーンにギャンクを仕掛けたものの、火力が足りず敵を削りきれなかっただけでなく、カウンターギャンクを受けて逆にキルを取られてしまった
【「LoL」対人戦編 ミッドレーンへのギャンクにも失敗する】
開始22分25秒、ミッドに集まった敵を1人で襲撃して返り討ちに遭ったところ。敵のサポート(ブリッツ)のサイレンススキルを受けて、短時間無敵になるアイテム(ゾーニャの砂時計)を使えず、なすすべなくキルを取られている。この集団戦に関連して、味方のモルガナが1キルを取ったので、結果として戦果は1:1だが、フィドルがモルガナにフラッシュを使わせてしまった側面もあり、反省すべき点も多い
【「LoL」対人戦編 ワードの設置/除去合戦】
試合開始24分5秒、ミッドとリバーの間にあるブッシュ付近にて、ワードの設置/除去合戦。視界の確保は試合を有利に進める上で必須の作業なので、当然、設置されたことがわかっているワードは壊したい。動画では中立モンスター「クリムゾン・ラプター」のバフでステルスワードを看破したので壊しに行っているが、それだけでもブリッツのグラブに当たるリスクが伴う。もし引っ張られていたら敵に無意味にキルを与えかねない、あまりよくないプレイである
【「LoL」対人戦編 中盤の乱戦に敗北する】
試合開始31分25秒、ドラゴン付近にいた味方の気配を察知した敵を横から襲撃したところ。フィドルが潜んでいた草むらにはワードが置かれていることが多いのだが、動画のタイミングでは除去されていた。こちらが襲撃を成功させたタイミングで敵の増援が駆けつけているが、なし崩し的にキルを取られている。このようにきちんと視界を取っていないと、ろくなことにならない

 一連の動画を見てお気づきになったかもしれないが、集団戦に負けたり、キルを取られてしまう時は、敵にしろ味方にしろ、チームとして何らかの致命的なミスを犯している事が多い。それはたとえば、ギャンクの際に敵のワードを除去していなかったり、敵味方双方の残り体力を読み間違えていたり、味方と足並みが揃わずに先走ってしまったりと様々だが、ミスをするときは大抵の場合、周囲が見えていない。ミスを減らすには瞬間ごとの細かい判断を重ねられるようになることが必要だが、この辺りは試合を重ねて慣れるしかない。

 「LoL」は突き詰めればチーム全体としてミスの少なかった方が勝つゲームと言える。ミスをしないということは、基本がしっかりできているということなので、ゲームを始めてしばらくは、本連載の過去記事や有志のWiki、攻略ブログなどを読み、実践して、基本をしっかり身に付けることに集中したい。

 対人戦では、できるだけ同レベル帯のプレーヤーがマッチングされるようになっているようだが、プレイする時間帯によってはマッチングに時間がかかったり、レベルのかけ離れた相手とマッチングされることもある。早朝や昼間など、日本サーバーにおいてプレーヤー接続数の少ない時間帯のプレイでは特にそう感じることが多い。

 また、サモナー(プレーヤー)が使えるゲーム内マネーに相当する「IP」(Influence Points)は、AI戦やカスタムよりも対人戦の方が多くもらえるので、十分にゲームのルールを理解しているなら、「LoL」を始めてすぐ対人戦に挑戦してもいい。ただ、その場合はほぼ確実に自分よりも高いサモナーレベルのプレーヤーとマッチングされるので、勝つためには慎重なプレイが要求される。

対人戦で勝つのは大変だが、それだけに、勝利できたときの喜びもひとしおだ

サモナーレベル差による影響

 対人戦の妙味が理解できたところで、次に対人戦にあたって踏まえておくことをおさらいしておきたい。

 まず、サモナーレベルについて。サモナーレベルの差は、使用するチャンピオンの基礎性能に影響する。具体的には「ルーン」、「マスタリー」、「サモナースペル」の3つで差がつく。要はレベルが高いほどチャンピオンの性能を底上げできるのである。これをきちんと設定しているのかどうかでチャンピオンの性能がまったく変わってくるので、できればある程度サモナーレベルを上げてから対人戦に臨みたいところだ。

 なお、サモナーレベルとこの3項目については第1回で触れているので合わせて参照いただきたい。

 対人戦に挑戦するサモナーレベルについて、筆者としてはLV18以降をおすすめしたい。LV18では、マスタリーにおいて「闘争本能」(Ferocity)、「計略思想」(Cunning)、「不撓不屈」(Resolve)の各ツリーで、最も強力な効果が得られる最下段のマスタリーを取得できるためだ。

 また、LV20ではルーンの設定において2つ目の神髄(Quintessence)を装着可能になり、一部のチャンピオンがジャングルを回れるようになる。一部例外として、ワーウィックやシャコなど、これより低いサモナーレベルでもジャングルを回れるチャンピオンは存在するが、一応の目安として覚えておきたい。

 もちろん、先述の通りLoLを始めた直後からガンガン対人戦に参加しても構わない。IPがなければルーンを購入できないし、チャンピオンも増やしにくいからだ。

マスタリー設定画面。サモナーレベルが1上がるごとに割り振れるポイントが1ずつ増える
ルーン設定画面。こちらもレベルが上がるごとにルーンスロットが解放されるが、別途IPを消費してルーンを購入する必要がある

クラシックとランダムミッド

 次にゲームモードについて。ノーマルモードで遊べる「クラシック」は、「LoL」で最も遊ばれているゲームモードだ。マップはランクマッチやプロリーグの試合でも使われる「サモナーズリフト」。勝敗数は記録されるが、ランクのように公開の順位付けがあるわけでもなく、ソロでもフレンドと一緒でも気軽に遊べる。

 とはいえ、相手も人間、お互い勝つ気でゲームに臨んでいる以上、一筋縄では勝てない。勝利するために重要なことは、主に第2回から第5回までに説明してきた基本的な立ち回りである。特にマップの視界を取る「ワード」の設置(と除去)は、絶対に忘れてはいけない基礎の基礎として、体で覚えておいてほしい。

最も遊びやすい「クラシック」

 一方のランダムミッドは、10人全員がランダムで決められたチャンピオンで戦うゲームモード。マップの形状もサモナーズリフトとは大きく異なり、巨大な橋の上を舞台にした直線状のマップ「ハウリングアビス」で戦う。

 完全にランダムなチャンピオンがピックされるので、使い慣れたチャンピオンを使えないこともある。ここで第6回で解説した「チャンピオンプール」が大きければゲームを有利に展開できるだろうが、慣れないうちは初見のチャンピオンにあたり、大焦りすることだろう。逆に言えば、これまでなんとなく使ってこなかったチャンピオンを強制的に使える機会でもあるので、練習にはうってつけともいえる。

気負わず気軽に遊べる「ランダムミッド」

 ランダムミッドでは、「参加者全員が不慣れなチャンピオンを使っている可能性が高い」という特殊な背景もあって、勝敗にこだわる空気は薄いため、クラシック以上に気軽に遊べるモードである。ワンゲームにかかる所要時間もクラシックより短いので、空いた時間に軽くプレイする場合にもおすすめだ。

ランダムミッドでは、最初から全員が自動的にランダムなチャンピオンをピックされている。最大2回までピックし直すことができる
ちなみに、毎日15時から28時までの時間限定で、「LoL」プレーヤーにとって目標となるランク戦が解禁される

プロチームのプレイングを参考にする

 ある程度自分でプレイ経験を積んでくると、他人のプレイを見て、今何をしているのか、何が起きているのかが理解できるようになるはずだ。時には他人の試合を観戦して、戦術やビルドを参考にしてみてもいいだろう。

 「LoL」ではフレンドがプレイ中の試合を3分遅れで観戦できるが、より実践的に、お手本となるようなプレイを観たい場合は、プロ選手の試合を観戦してみよう。

 LoLのプロリーグは世界中に存在するが、日本でもプロリーグとして「League of Legends Japan League」(以下LJL)が開催されている。同リーグで実施された過去の試合の模様は公式のYoutubeチャンネルなどで見ることが可能。試合当時の実況・解説付きで見られる点も見逃せない。

【LJL 2016 Spring Split Final Game3 DFM vs RPG】
DFMが全勝優勝を飾ったLJL 2016 Spring Split Finalの最終戦

 プロチームの試合は非常にハイレベルなので、簡単に真似できるようなプレイングではないのだが、状況に応じたアイテムビルドや、視界の取り方、集団戦を始めるタイミングなど、参考になるポイントは非常に多いので、是非とも1度は見てみてほしい。

LJLのYoutubeチャンネル。過去にあった公式試合の録画が実況解説付きで見られる
シーズン中はTwitchで試合の生中継も行なわれる

メンタルコントロールも大事!

 ところで、「LoL」は心身ともに疲れるゲームだ。ゲームに対するスタンスは人それぞれだが、わざわざチームで対人戦に臨むシステムのタイトルで遊ぶ場合、普通は「勝つためにゲームをしている」はずである。それだけに、特に敗色濃厚な時や、負けてしまった時は精神的に「やられる」。

 なぜメンタルコントロールが必要なのか。それは「負けたらつまらない」からだ。

 試合に負けてしまうこと自体は仕方のないことだ。日によって調子の良し悪しもあるし、チームメイトと上手く噛み合わないこともある。長くプレイしていればそういうことも当然ありうる。よくないのは、チームメイトに当たり散らしたり、ゲームを途中で放棄してしまうことだ。

 「まさかそんな」と思うだろうが、残念ながらそういった行為に及ぶプレーヤーはそれなりに存在するし、その気持ちも解らないでもない。ともすれば自分が“そっち側の人”にもなりかねない。

 そうならないためには、"あえて心を折る"ことも時には必要だろう。具体的には「連敗したらその日はやめておく」とか「あまり長時間ぶっ続けでプレイしない」といった具合に、自分の中で基準を作って遊ぶようにすることだ。たった1度の操作ミスや、コンマ数秒のスキル発動の時間差で試合が決まってしまうこともあるシビアなゲーム性だけに、長時間のプレイは想像以上に疲れるものなのだ。

 さて、「LoL」ではサモナーレベルがLV30に到達した時点で、ランクマッチへの参加が可能になる。次回はランクマッチの解説を中心に、LV30以降の楽しみ方を解説したい。

(関根慎一)