【連載第208回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


ブラックファルコンを付けたPSPを持ち運べるスタイリッシュなケース登場!
PS3で360のコントローラーを使う! PSPをPCモニターに出力! など変わり種グッズを試す


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


【今週のおしながき】
PSP MSY「nest case for PSP」
PS3 Farmer「XCM Cross Battle Adapter Plus」
PSP SIRO「VGA Kit Video Output Adapter for PSP 2000 and 3000」

 

● グリップを装着したPSPを収納できるスタイリッシュなケースが発売!

「nest case for PSP」

    メーカー:MSY
    価格:2,480円
    発売日:8月28日
    カラーバリエーション:ブラック、オレンジ、グリーン


一枚の布地素材をクルッと丸めたような形状の独特なケース。ケースという名称ではあるがバッグと呼ぶほうがしっくりくる
ファスナーを開いて目一杯広げたところ。このほぼ40度までしか開かないところが扱いやすさの工夫だ

 PSP用グリップグッズ「ブラックファルコン」などでお馴染みのMSYから、ちょっと変わったケースが発売される。こちらの「nest case for PSP」は8月28日からの発売で、今回はサンプルを貸し出し頂いた。カラーバリエーションはブラック、グリーン、オレンジの3種類がある。今回はブラックを試してみた。

 この「nest case for PSP」は手さげカバンのようにも使えるし、クリップで腰に装着することもできるコンパクトなバッグのようなケースだ。内部には携帯ゲーム機やデジカメ等のポータブルガジェットを収納可能。「ブラックファルコン」を装着したPSPもそのまますっぽりと収納できるところが大きなポイントになっている。

 一枚の布をぐるっと丸くしたような形をしていて、外側にこれといった飾りはなくシンプルなデザインになっている。表面側の手触りは布地感の強い厚手のポリエステル。ザラザラとした感触になっている。裏地にPVC処理をした生地を使っているということで、しっかりとした堅さがある。

 上と左右にかけてチャックがあってダブルファスナーで開閉する作り。ダブルファスナーなのでファスナーとファスナーの間からイヤフォンを外に出すような使い方もできるのが嬉しいところ。ファスナーにはシンプルな棒状の取っ手がついていて、開閉の感触も堅すぎることもなく無難に扱える。

 ファスナーを全開にしてもこのバッグは口が開きすぎないところがポイントだ。がま口の小銭入れのように、いっぱいにまで開いても45度までしか開口しないようになっている。180度にべろんと開いてしまっては手でバッグを持ったまま開けないし、不意に中身が落下してしまうためだ。扱いやすさを考慮した作りになっている。

 内部は厚手のインナークッションに覆われている。厚みもかなりあって、PSPを中に収納するというよりもスポンジ状のインナーで挟み込むという状態に近くなる。衝撃等には非常に強そうだ。中にはポケットが4個設けてあり、UMDを入れたりイヤフォン等の小物を収納できる。ワンセグチューナー等のUSBユニットやACアダプタについてはちょっと苦しいところはあるが、PSP本体脇に潜り込ませるようにすれば収納できる。


背面に大型のクリップがあって、ベルトにくっつけることができる。取っ手の部分はそのまま指を通す開口があるだけなので、少し型くずれなどが心配だ
内部にはブラックファルコン系のグリップをつけたPSPをそのまま収納できる。そのほかUMDディスク4枚、ワンセグチューナー、イヤフォンを収納してみた
腰の後ろに付けてみたところ。クリップがしっかりとベルトとズボンを挟み込んでいて、ちょっとやそっとでは外れない。けっこう安心感のあるスタイルだ。イヤフォンをファスナーの間から出せるのも嬉しい

 実際にPSPを収納して活用してみる。当初は別のトートバッグなどと組み合わせようかと思ったが、実際に試してみると、ファスナーの上だけを開いても収納口があまり開かないので中身を取り出しにくかった。結果、バッグからケースを取り出してファスナーを左右まで全開に開けることになる。インナーとして活用するにはちょっと使いづらく感じた。

 このケース単体が手下げのバッグとして自然な形をしているところもあるので、手でスマートに持ち歩くか、自転車に乗っている時などはクリップで腰の後ろに付けてしまうほうが良さそうと感じた。

 単体で手に持っていると、スマートで軽く、大きすぎないけど、そこそこに収納力のあるバランスのいいサイズが嬉しく感じる。取っ手の部分は補強などがないため、長期間扱っていると形が崩れてしまいそうなのが少し気になるところで、ここには何かしら対処が欲しかったかもしれない。

 内部には絶体絶命グリップ(ブラックファルコンと同型)を装着したPSP、ワンセグチューナー、UMD4枚にイヤフォンなどを収納できた。PSP単体を縦に収納すればその横にまだ何か入るかもしれないが、縦にしたPSPを入れるとファスナーが微妙に閉まらなくなってしまうので断念。縦にスッとPSPを差し込むような収納方法ができたらより扱いやすかったかもしれない。

 収納物の取り出しは非常にしやすい。グッとケースの口が40度ほど開くのがいい具合で、スッと取り出せる。グリップ無しのPSPなら厚みが少ないため、ファスナーを上だけ開いて手を突っ込み取り出すこともできる。これまでグリップを装着したPSPをスマートに収納できるケースやバッグというのが少なかった(ほとんど無かったと言っていい)ところもあり、グリップを愛用している人が重宝しそうなケースだ。

 汎用性の高さも魅力で、パッと見た感じではゲーム用のバッグという感じはまったくしない。スマートな小物入れという印象だ。ゲーム機を入れずとも、いろんな小物やポータブルオーディオプレーヤーなどを入れるのにいいだろう。そうした機器に対しても内部のインナークッションによる保護が効いてくる。

 クリップで腰に装着できるのも軽快になっていい。腰の横あたりに装着してグルッと後ろに回せばできあがり。両手が開くので自転車に乗るときなんかに最適だ。クリップは装着するズボンやベルトにもよるかもしれないが、ほどよい堅さでそう簡単に外れてしまうようなことはない。思っていたよりもずっと安定感があった。中身を取り出すときはまた横にずらして開く。全開に開けても中身が落下することもなく扱いやすかった。

 40度ほどにしか開かないようにしたことで様々な場面で扱いやすくしているのがポイントだ。内部のインナークッションも厚手で安心感がある。ゲーム機や電子機器に対する配慮がされているにも関わらず、外観がスマートでそれっぽさを感じさせないところが最も嬉しいところだろう。価格は控えめながら作りがしっかりとしていて、研究所員も個人的に欲しくなった一品だ。





● PS3をXbox 360のコントローラーで遊べるようにする変わり種のコントローラーコンバータ

・「XCM Cross Battle Adapter Plus」

    メーカー:Farmer
    価格:$59.90(購入価格:5740円)


コンバータは写真のようにコンパクトなサイズ。連射機能用のスイッチが8個付いている

 Xbox 360のコントローラーをPS3に使いたい! それを実現してくれるのがこの「XCM Cross Battle Adapter Plus」だ。いわゆるコントローラーコンバータグッズで、接続端子はUSB。コンバータにA/B/X/Y/LB/RB/LT/RTボタンを個別に連射設定するスイッチが付いている。

 まずこのコンバータで利用できるのはXbox 360の有線接続タイプのコントローラーに限るというところが注意点だ。ワイヤレスコントローラーとプレイチャージキットのUSBケーブルで接続しても、給電はされるがコントローラーは認識されなかった。

 また、HORIのアーケードスティック「バーチャファイター5 Live Arena スティック(いわゆるファイティングスティックEX2系のスティック)」を接続してみたところ、こちらも認識されず操作はできなかった。特殊なコントローラーも対応していないと考えてよさそうだ。

 コンバータは横8cm×縦4.8cm、厚みは1.5cmとコンパクトな形状で、前面にXbox 360コントローラーを接続するUSB端子と動作状態を示す青色LEDが、天面にはボタンの連射機能を切り替えるスイッチが搭載されていて、背面からはPS3側に接続するUSBケーブルが伸びている。USBケーブルの長さは約90cmと少し長めだ。

 実際にコンバータを使用してみる。まずはコンバータとPS3を繋ぎ、そこにXbox 360の有線接続タイプのコントローラーを繋ぐ。PSボタンの割り当てになるXboxガイドボタンを押せばコントローラーが認識される。Xboxガイドボタンはゲームプレイ中のメニュー呼び出しなど、基本的な部分は完全にPSボタンとして使用できる。唯一異なるのは、PS3をスリープから起動させることができないこと。

ボタン割り当てと連射機能設定は写真のようになる。PS3のボタンがそのまま配置される

 ボタンの配置や割り当ては、そのままPS3用コントローラーの配置がXbox 360用コントローラーの配置に割り当てられるという具合だ。割り当ては以下のようになっている。

【XCM Cross Battle Adapter Plusのボタン割り当て】
Aボタン(×)
Bボタン(○)
Xボタン(□)
Yボタン(△)
LBボタン(L1)
RBボタン(R1)
LTボタン(L2)
RTボタン(R2)
スタートボタン(スタート)
バックボタン(セレクト)
Xboxガイドボタン(PSボタン)
アナログスティック左右2個と方向キーはそのまま割り当てられる

コンバータはシンプルな作りで直感的に扱える。海外グッズだけにパッケージや取扱説明書ももちろん日本語ではないが、ほとんど見ずとも把握できる
動作中はXboxガイドボタンの周りがしっかりと光り、コンバータ側もLEDが点灯する。動作は良好でXboxガイドボタンがPSボタンとして使えるのが特に嬉しいポイントだ

 実際にゲームプレイを試してみる。まず試したのはPS3用ソフトで、カプコンの「デビルメイクライ4」やSCEの「キルゾーン2」などアクションタイトルを中心に試した。いずれも反応はクイックで遅延もほぼ感じさせないなど好感触の結果となった。PSボタンの動作も非常に軽快に反応してくれる。振動もしっかりと動作していた。ただし、振動の強さはDUALSHOCK3と比べると弱めで鈍い感触となっていた。

 続いては60GB版のPS3によるPS2用ソフトでの動作。こちらはコントローラーが認識されず利用できないという結果になった。ソフト起動時にPSボタンを押して認識させないといけないのだが、これがXboxガイドボタンを押してもダメで、挿し直しなどをいろいろと試しても認識させられなかった。なお、PS1用ソフトではPS3ソフトと同様の使用感で問題なくプレイできた。

 使用してみた感想としては十分実用に耐えるという印象を受けた。コンバータグッズというと遅延や入力の取りこぼしなどが気にかかるところだが、この製品に関しては非常にクイックな反応で試した限り取りこぼし等もでなかった。アナログ入力に関してもスムーズに動作していた。

 気になったというか、これは慣れの問題ともいえるが、決定ボタンがBボタン、キャンセルボタンがAボタンと、Xbox 360のコントローラーとしては逆になるところ(海外仕様のPSコントローラー同様ともいえる)。

 スティックコントローラーが使えなかったのは残念なところだが、Xbox 360のコントローラーを使えるようにすることに関しては満足度の高い製品と感じた。入力に対する反応がクイックで、プレイに違和感を感じさせないレベルだった。

 最後にひとつ書いておくと、こちらの製品は海外グッズ特有の匂いというか、開封時にかなり強烈な匂いがする。メンマのような匂いで、かなり強く濃い。研究所員はしばらく触るのをためらったほど。これは個人で同じ製品を購入している人の感想がネット上にいくつかあって、そこでも同じことが書かれていたので個体差ではないようだ。そのあたりは少し心構えをしておいたほうがいいかもしれない。





● PSPの画面をPCモニターに出力! くっきり発色で楽しめる海外グッズ

「VGA Kit Video Output Adapter for PSP 2000 and 3000」

    メーカー:SIRO
    価格:23.90ドル(購入価格:2,980円)


ボックス型のVGAキット本体に、約2mと長めのPSP側に接続するケーブルがある

 PSPの画面をPC用モニターに出力するVGAアダプターグッズだ。海外メーカーのSIROが販売しているグッズで、日本ではネット通販等から購入できる。

 グッズ自体は非常にシンプルだ。白いボックス型のアダプターにD-sub端子がついていて、側面にはPSP用のACアダプタケーブルを接続する電源の端子と音声を出力するヘッドフォンの端子がある。逆側からはPSPのヘッドフォン端子に接続するケーブルが伸びていて、ケーブルの長さは約2mとなっている。

 まずこのグッズは、D-sub端子のケーブルが別途必要であること、使用するにはVGAアダプターをPSPのACアダプターで動作させることの2点に気をつけないといけない。PSPを充電させながらこのアダプターを使ってプレイするには、PSP用のACアダプターが2つ必要になる。音声を出力するのにも、イヤフォンなりスピーカーなりのステレオミニプラグで接続できる機器が別に必要だ。

 実際に使ってみた。使用したPSPはPSP-3000。ゲーム起動前のXMBメニューではPCモニターの画面全体に隙間無くキレイに画面が映し出される。描画にクセもなく色合いも整っていて、さすがはVGA出力といったところだ。ただし映し出しているのはPCモニターなので、モニターによって画面の比率が異なるところがある。モニターの比率が4:3か16:9の場合はPSP側の出力比率を合わせればいいのだが、PCモニターは16:10の物も多い。その場合は少し縦長になってしまう。

 また映りの面で気になったのはちらつきで、画面内の動いている部分がチラチラとするのが目立っていた。静止している部分は非常にキレイなのだが、そのぶんチラついたときに目立ってしまうというところだ。これは、PSP本体の設定をプログレッシブにしても、インターレースにしても変わらなかった。

 続いてゲームを起動してみる。ゲームを起動すると起動中に画面サイズが切り替わり、モニターの中央あたり画面の半分ぐらいの領域に画面が表示された。これは、純正の映像出力ケーブルを使った場合と同様の標準的な切り替えで、ゲームの解像度はアップコンバートされないゆえの仕様なのだが、このアダプタでは何か変化がないか、期待していた部分で、少し残念。また、こちらも前述のようにモニターと出力の比率の違いは影響してくるが、画面いっぱいに引き延ばされているわけではないのであまり目立たない。

 ゲームプレイでもVGA出力の良さはそのまま。発色が良く、くっきりと映る。ただ、動いている部分に少しちらつきが出ると目立って感じるところもまったく同じだ。それ以外は描画の遅れなども感じることはなく、快適にプレイできた。

実際に使っているところは少しケーブルがごちゃごちゃする。VGAキットにPSPのACアダプタと音を出力するためのステレオミニプラグのケーブルを繋ぐ。そこにD-Sub端子のケーブルを繋ぎ、PCモニターへと繋ぐ
左はXMBメニュー、中央がゲーム画面、右は動画を再生したところだ。表示範囲が変化するのは残念だが、いずれも発色が良くて映りは非常に良好。ただし画面の動いているの端々にちらつきが感じられるのが気になったところだ

 VGAキット側の電源としてPSPのACアダプタを必要とするところが少しネックだが、VGA出力するためのグッズとして使い心地には問題は見あたらない。ちらつきが少し気になったものの基本的には発色もよくて、VGA出力ならではの良さをしっかりと発揮していた。なんとしてもPCモニターに出力したいという人は検討してみてはどうだろうか。





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(2009年 8月 20日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]